『愛天使伝説ウェディングピーチ』のキャラクター。風摩ようすけが悪魔族へと変異した姿。名前の『ヴィエント(viento )』とはスペイン語で「風」を意味する。
キャラクターとしてのプロフィールなどは風摩ようすけの項目を参照。
概要
風摩ようすけは少々口の悪いところがある普通の少年だったが、実は父親は悪魔族で人間の女性と結ばれたことで彼が生まれた。
ももこたち天使界と、そこに攻め入る悪魔界が巻き起こした「聖サムシング・フォー」を巡る争いに巻き込まれ、度々、只者ではない尋常ならざる力を発揮するようになってしまう。しかし、その度に天使界の女神であるアフロディーテ様によって記憶を消されて事なきを得ていた。
原作
実は天使界はようすけの存在を察知しており、彼を悪魔界から隠すためにも行動を起こしていた。愛天使を見守るリモーネ(柳葉和也)は同時にようすけの監視役でもあったのだ。だが、それを良しとしなかったサルビアがリモーネの補佐として、ようすけの監視役の任につき、ももことようすけを見守る。それは、リモーネやアフロディーテが考えていたような平和裏な監視ではなく、ようすけに悪魔族としての片鱗が見えたと同時に即座に誅殺するためであった。
案の定、ようすけの尋常ならざる力を本能で感じ取ったポタモスが、ようすけに接近。騒動の果て、ようすけの持つ「父の形見の腕輪」とサルビアの記憶(と、その行動)によって、天使界が隠匿していた彼の正体が悪魔界側にも漏れて白日の下に晒されてしまう。
そして悪魔界から、ようすけの父であるウラガーノが襲来。愛天使を襲う。その様を目の当たりにしたようすけは「自分を捨てた父が、自分が愛している少女を、襲い傷つけようとしている」という現実により怒りと憎しみを募らせて覚醒。そのまま父によって悪魔界へと連れ去られ自らの正体を知らされるとともに「愛天使たちとは相容れない現実」を突き付けられる。
そしてアニメ版とは異なり、ようすけはヴィエントとして愛天使たちと対立することを宣言、特に「ピーチを殺すのは俺の役目だ」とポタモスをはじめとする他の悪魔たちに布告して、レインデビラに忠誠を誓い、ももこを精神的に人事不省へと追い詰め行動不能にしてしまう。(つまり原作のようすけは、正気を保ったままヴィエントとなっている)
だが、ももこは、ようすけの母親との邂逅を経て「こんなに愛情に溢れた人が信じた人が、さらにはそんな二人から生まれた息子であるようすけが、あんな事をするなんて必ず何かの意味がある 」と思い至り、その真偽を確かめるためにヴィエントとの邂逅を望んだ。
結論から言えばヴィエント(ようすけ)の原作での行動は全てももこを守るための嘘である。ヴィエントの悪魔界への忠誠とは。
- 自分を愛してしまったももこに対する他の天使たちの警戒を招かない。ももこの立場を「悪魔に騙されてしまった可哀想な娘」にしてしまう。
- 自分が愛天使を倒すことを宣言し、他の悪魔族がももこを狙わないように牽制する
- 一人、悪魔界の長であるレインデビラとあいまみえ、その懐から彼女を暗殺して戦いを終わらせる
という目的の元に敷いていた、いわば「自らの愛のために、自らの愛を欺く」(敵を欺くため、まず味方から欺く)ためのブラフであった。その選択を漢と見るか勝手と見るかは人によって異なるだろうが、少なくとも彼の目的は正反対に見えながらも当初より一貫していたのである。
ももこは、ヴィエントの目的こそ看破しなかったものの、彼を信じ切ることで、その真実にたどり着いた。
そして、ヴィエントは、ももこ(ウェディングピーチ)が「風摩家の愛情」をその身に宿したことを認めて、彼女と共に「天使と悪魔を超えた宿命」へと立ち向かうのである。
変身後は「怒りのウェーブ」と「颶風」を操作する能力を持つ。主にはこれらのパワーの操作権の奪い合いやぶつけ合いによるエネルギー戦を行う。
アニメ版
川浪ひろみことポタモスの接近によって悪魔族DNAの覚醒を早めてしまい、レインデビラに存在を察知されてしまう。そしてレインデビラの派遣した直属の悪魔族であるカチューシャによって憎しみのウェーブを大量注入されて強制覚醒させられ悪魔族になった。それがヴィエントである。
だが、カチューシャが行った強制覚醒は、いわば自身のものではない憎しみのウェーブによってのものであったため、完全なものではなかった。それゆえに、ようすけにヴィエントとしての記憶は無く、いわば二重人格に近い状態になっていたのである。
のち、ピーチとの戦いの果て、ヴィエントとようすけの意識と記憶が同一化された際には自身の正体に絶望し、ももこを拒絶してしまう。だが、ももこはそんなようすけを前に自らの愛を貫き通す姿勢を変えず、さらには父の残留思念との邂逅を果たした上で「天使界と悪魔界の戦いの裏に隠された真実」を知ったため、愛天使と手を携えピーチと共に「未来を創る戦い」に挑む事を、すなわちレインデビラとの戦いを選びこれに臨むのであった。
ヴィエントに変身後は剣を武器とし、自身が持つウェーブでブルー色の光線を放つ。