僕以外、全員「名探偵」───
概要
著者の通算100冊目の刊行となるエンターテインメント推理小説。
本作では、家族が『事件を推理する職業』に就いている中、ただ一人のサポート役で自称「平凡」な主人公がふとしたきっかけで事件に関わり、家族の力を借りてあらゆる『仮説』を立てて証明し解決するという、いわば「推理しない探偵小説」とも言える。
本表紙にはメインキャラクターである吹奏野 (すその) 家九人家族のビジュアルがまるごと使って描かれている。ちなみに家族全員身体のどこかに黒子があるのが特徴。
登場人物
吹奏野真雲（すその まくも）
主人公で「ぼく」。(メイン画像の人物)
晴間と朝夜の三番目の子で五人兄弟姉妹の真ん中。
経緯は不明だが、学校を中退し吹奏野家の家事全般を引き受けている。
平凡な所為かは不明だが、度々自分を頭数に入れ忘れる。
吹奏野高山（すその こうざん）
父方の祖父で「おじいちゃん」。
著名な推理作家。
朝の散歩を欠かさず、夜中に徹夜で執筆をする『昭和の物書き』を地でいく。
吹奏野やすで（すその やすで）
父方の祖母で「おばあちゃん」。
法医学者。現在は寝たきり生活を送っており、移動には車椅子が欠かせない。
だが、頭脳はむしろ若い頃以上に矍鑠としている。
吹奏野晴間（すその はれま）
高山とやすでの息子で「お父さん」。
検事。言動は穏やかで柔和な人物。
妻とは「二者一択」のような関係。
吹奏野朝夜（すその ちょうや）
晴間の妻で「お母さん」。
代々弁護士を輩出する一族『蜘蛛ノ巣（くものす）』家出身で、自身も弁護士。
夫とは「二者一択」のような関係。
吹奏野朝雲（すその あさぐも）
晴間と朝夜の最初の子で「お兄ちゃん」。刑事。
五人兄弟姉妹の長男。
割と殺伐とした性格であり、二言目には「管轄外だ」を口癖のように言う。
吹奏野霧霞（すその きりか）
晴間と朝夜の二番目の子で「お姉ちゃん」。
「りか姉」の愛称で親しまれている地元ローカルテレビのニュースキャスター。
五人兄弟姉妹の長女。
吹奏野夜靄（すその よもや）
晴間と朝夜の四番目の子で「弟」。
祖父・高山原作の推理ドラマに出演する探偵役者。
五人兄弟姉妹の三男。
寝坊癖で遅刻魔。
吹奏野クラウディ（すその クラウディ）
晴間と朝夜の五番目の子で「妹」。VR探偵。
五人兄弟姉妹の次女 (末っ子) 。
同じく寝坊癖で遅刻魔だが、こっちは気にしないタイプ。
マンガやゲームなど、サブカルチャーにも詳しい。
ちなみに「クラウディ」はハンドルネームであり、本名ではない。
