一口馬主
ひとくちばぬし
競走馬の持ち分を小口に分割し、その小口に分割された持ち分に対してお金を出資する。
一口馬主法人は愛馬会法人とクラブ法人の2つに分かれており、競馬主催者へ馬主として登録されるのは後者のクラブ法人である。
一口馬主になりたい人は愛馬会法人へ出資し、愛馬会法人は集めた出資金を元手に競走馬をセリ市などで購入するか自家で生産し、得た馬はクラブ法人へ現物出資する。クラブ法人は現物出資された馬を競走馬として登録し、レースに出走させて獲得した賞金を愛馬会法人へ配当。愛馬会法人は更に配当を会員に出資口数に応じて分配する。
このような仕組みになっているのは、馬主登録をしていない人がクラブ法人へ直接出資すると法律で禁止されている名義貸しに該当するため。
口数は1頭あたり40口から500口、多いところでは1000口で募集するところもある。出資者は出資金の他に愛馬会法人への入会費、月会費、毎月の経費や毎年の保険料、海外遠征時の費用などを負担する。
なお一口馬主クラブ法人は冠名を使用していないところが多い。
また、一口馬主の亜種として「共有馬主」という制度もある。
JRAでは1頭につき最大10名までの共有が認められており、一口馬主のようにある程度の口数を分配して出資する。ただし、こちらは登録に馬主資格が必要になる。
一部の共有馬主の組合や口数の少ない高額馬を扱うクラブ法人では馬主資格の登録の手伝いをしてくれるサービスもあり、一口や共有からスタートして、その後に個人馬主を始めるパターンも多い。
社台系
社台グループから馬の提供を受けているクラブ。ノーザンテースト・サンデーサイレンス・ディープインパクトなどの大種牡馬や良血馬が多数ラインナップされ、社台グループのブランドに裏打ちされる良質な育成施設や所属厩舎・ジョッキーも豊富な実績を持つなど出資馬が勝つ喜びを早い段階で味わうことが出来る。
しかし良血馬が多いのと出資口数が少ないこともあって出資金額が1口100万円を超えるのはザラ。追加でかかる費用もお高め。
余談だが、カブトムシブリーダー・ラジコンレーサー・元プロ野球選手の山本昌も社台系の一口馬主クラブが所有するシャフリヤールとアルアインに出資している。
牧場連合系
主に日高地方の中小牧場が集まり、それぞれの生産馬を出し合って運営されるクラブ。募集馬のバラエティーに富み、一口が安価な馬も多い。
参加する牧場がどの馬をクラブに提供するかで質が左右されるため、見極めが難しい。
バイヤー系
母体となる牧場を持たず、もっぱら競り市で落札した馬を出資馬として提供するクラブ。セレクトセールの高額馬から、サマーセールなどで落札されたお手頃な馬まで幅広く募集している。
ポイント還元や割引が手厚いなど特色あるクラブが多く、募集口数が1000口を超える馬もあり、毎月の小遣いの範囲内で楽しめるところも多い。