概要
七海燈子の七つ上の姉であり作中では既に故人。
当時、遠見東高校の生徒会長で誰からも慕われ教師も澪を頼りにしており、燈子にとっては憧れの姉だったが、澪が亡くなってしまい、その代で生徒会劇はやらなくなってしまう。
この澪の死によって燈子は変わらざるを得なくなった、というのも亡くなる直前どちらかがお使いに行くのをジャンケンで決め燈子が勝ち、その後に澪が交通事故に遭ってしまったため燈子は澪の死が自分のせいだと思い込む。
それに加え澪の葬儀の日、参列者達が燈子にかけた言葉は「お姉さんの分もしっかり前を向いて生きていくのよ」「澪ちゃんみたいに立派に」と言われ、燈子は澪のようになるべく必死に勉強しどう振る舞えば周りに好かれるか考え続け、この過程があって理想の自分(=澪)に近づき今の燈子が形作られている。そうして澪が出来なかった事生徒会劇を代わりにやり遂げることを決意した。
燈子から見た澪は何でも自分で完璧にこなせる憧れの存在であったのだが…
燈子の知らない澪の側面
生徒会メンバーが劇のため合宿し、そこに演劇の指導役として市ヶ谷知雪がやって来た。
市ヶ谷は遠見東高校のOBで澪と同じ生徒会役員であり、当時の澪を知る人物。
燈子が劇の演出に使える機材を調べたリストを作っていたり、衣装や道具類の手筈を整えたり、とその働き振りに市ヶ谷は感心して言った。
「生徒会長っていうのは もっと人を動かして自分はのんきにしてるもんだと思っていたよ」
燈子はその話が気になり、その後市ヶ谷が帰る時に澪は生徒会ではどんな人だったのか聞いた。
市ヶ谷が知る七海澪は、生徒会の仕事は他の役員に任せきりで演説などのおいしい所はしっかりやり遂げるので、実態を知らない人からはかっこいいと思われていた。澪が夏休みの課題が終わらず役員総出で手伝った事があり、澪の筆跡を真似たり間違えそうな場所をわざと間違えて書いたりした。散々振り回されて大変だったが不思議とみんな澪の事が好きだった。
燈子が市ヶ谷に自分の知る澪を伝えると、
「あれで案外 妹の前じゃ見栄張ってたのかな」
「俺には逆に完璧な澪なんて想像つかない 君のほうがよっぽど立派に生徒会長してるよ」
「そうだな 姉妹とはいえ澪と七海さんはあんまり似てないな」
自分の知らない姉の側面を知った燈子は、自分は誰を目指せばいいかわからなくなる。
第44話夜と朝にて
侑が燈子の家に泊まり買い出しに行こうとした所、燈子の家族写真を見た侑は
「先輩はお父さん似でお姉さんはお母さん似かな」
それに対し燈子は
「やっぱり?よく言われた」
と笑顔で言った。
澪は生徒会役員以外の生徒や教師や燈子に見栄を張り、燈子は侑以外の人に見栄を張った。この二人はある意味似ているのかもしれない。