「好き」を持たない君が. 世界で一番優しく見えた
概要
遠見東高校の2年生であり、序盤で行われた選挙にて生徒会長に当選し、以降は会長として活動している。
容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能、あらゆる物事をそつなくこなす秀才であり、周囲から信頼される人格者でもある。
……というのはほとんどが芝居。
本来の彼女は、緊張しやすくプレッシャーにも弱い小心者である。
理想とのギャップを努力で埋め、誰にでも好かれるように仮面を被っているが、その状態に疲弊している。侑の前では素顔を露にし、無邪気な童女のように甘えまくる。
小学生の頃に姉・七海澪を交通事故で失っている。
人物
「お姉さんの分まで」「お姉さんのように立派に」といった周囲の人間の言葉を忠実に遂行するため、ひたすら姉のようになり、姉の人生をなぞることのみを目指して生きてきた人間。
容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能、常に笑顔を振りまく好人物、これは全て燈子から見た姉の姿の模倣である。
姉への憧れが強すぎるためか、本来の自分を臆病で凡庸な人間であると自嘲し嫌っており、姉の仮面を被ることはやめられない。
それでいて仮面を被った自分のことも好きではなく、つまるところ自分自身のことがとことん愛せない。
それだけでなく、自分に向けられる好意を受け入れることもできないでいる。
仮面を被る自分への好意は、仮面を脱ぐことを許さない束縛でしかなく、また仮面を被らない弱い自分への好意は、姉を真似ることに全てを捧げる燈子の人生を否定するものになるからだ。
むしろ好意を向けられることが強い負担になっており、好意を向けられることに恐怖心に近い感情を持っている。
この状況に疲れ果てている中で、「誰も好きにならない」と言った侑は、燈子に好意を向けることがない貴重な人間であったため、彼女にすっかり惚れ込んでしまう。
普段の抑圧の反動か、侑に対する燈子は普段とは打って変わって子供っぽく甘えたがり。なのに先輩としてのプライドもあるためとても面倒くさい。
侑に接近すると気分が高揚し、それに反比例して警戒心が低下するため、侑がしっかり制御してやらなければ仮面の維持すら危うい。
若干スケベの気質もあり、侑の部屋に招かれた際にはこっそりベッドの匂いを嗅ぎ、侑の姉から寝顔の写真を貰った際には大興奮していた。合宿で同じ風呂に入った日には……最早言うまい。
それでも好意に対する恐怖は未だ消えない。
侑を好きでありながらも、侑から好意を向けられることを恐れてもおり、そのため侑が自身に好意を向けないよう常に警戒し、牽制を続けている。
それが故に、侑の中で膨らむ燈子への想いは、いつまでたっても表に出ることを許されない。
余談
舞台版で燈子を演じる小泉萌香氏は、少女☆歌劇レヴュースタァライトに出演したことでも知られているが、舞台版が千穐楽を迎る前日、やが君担当編集のクスノキ氏がTwitterで「やが君が終わる未来に行きたくないので今日をループさせたいんですけど何か方法ありませんか」とツイートをしたのに対し、「得意分野です。」と応じたり、千穐楽を終えた二日後には「OP流れました、やがて君になりました、再演します」などとつぶやいたり、と自身の演じた役に絡めた発言をしている。イレギュラーが発生して台本が変わるフラグなのだが、良いのだろうか……。
関連イラスト
関連人物
一年後輩の生徒会役員にして、燈子がベタ惚れし、どっぷり依存している相手。
生徒会活動を手伝いに来た彼女に惚れ込み、それらしい理由をでっち上げて選挙応援責任者のポストを押し付け、生徒会役員に引き込んで好き勝手に振り回している。
副会長であり、高校入学以降一番の親友。
燈子の仮面の裏側にも気づいていながら、燈子の意思を尊重して暴かずにいてくれる優しい人間であり、燈子のもう一つの依存先。
遠見東高校の七年前の生徒会長で燈子の姉(故人)。燈子が愛する家族であり、彼女を縛る呪いでもある。
今の燈子に瓜二つの稀代の秀才……だと燈子は思っていたのだが……
関連項目
七草にちか - 燈子が澪のコピーを演じているように、彼女も八雲なみのコピーを演じていた。そして燈子が澪の実像を知ってしまい動揺したように彼女もまた、八雲なみの真実を知り動揺してゆく。
三船栞子 - 小泉萌香氏が演じる別作品の生徒会長。姉の存在が影響を与えたという点では同じだが、栞子の姉である三船薫子は存命である。
スクスタ版ではベクトルが真逆であり、姉への憧れから人格者を演じ生徒会長として職務をこなす燈子と比べ、栞子は姉を否定する余り権力を振りかざす独裁者であった。
アニメ版ではスクスタより燈子に近いキャラとなり、姉への憧れの強さから、結果的に彼女自身を縛る呪いを生み出してしまうキャラとなっている。七海澪と違い薫子と栞子を会わせることが出来ることが呪縛を解くカギとなっている。