概要
七瀬三部作の第2作。人気・知名度は三部作中最も高い。1976年に星雲賞を受賞。
美貌のテレパシー能力者・火田七瀬を主人公に、さまざまな超能力者との出会いや、超能力者を淘汰する目的で暗躍する秘密組織との対決を通して、「異なるもの」としての超能力者の孤独や疎外、悲哀を描く。
ホームドラマ仕立てであった前作『家族八景』とは雰囲気が一変し、サスペンス感あふれる物語となっている。
その人気ゆえに、1979年のNHK少年ドラマシリーズを初めとして、現在に至るまでTVドラマ・映画を合わせて都合5回映像作品化されている(ただしアニメ化されたことは無い)。
漫画化では「NANASE」(作画:山崎さやか)がある。
登場人物
主人公。生まれながらにしてテレパシー能力を持つ美女。物語開始時点で20歳。前作での住み込みの家政婦の仕事をやめ、バー「ゼウス」にホステスとして勤務する。詳細は彼女自身の記事を参照。
- ノリオ
- 岩淵恒夫
初対面のとき、七瀬をテレパシー能力者と知らずに抱いた妄想を読まれたことを恥じており(七瀬の方は気にしていない)、彼女と直接に顔を合わせることはその後二度と無かった(映像化作品では一緒に行動することも多い)。彼女とは互いに淡い恋心を抱いていた。
- 西尾
- ヘンリー
- 漁藤子
- 真弓瑠璃(ヘニーデ姫)
七瀬たちをつけ狙った謎の組織については、もっぱら彼女の視点に映った限りでしか描かれておらず、次作を含めて正体や全貌が不明なままであった。「超能力者は人類にとって邪魔な存在で、淘汰されるべきという思想を持つ」「メンバーは対超能力者用の特殊訓練を受けている」「既存の警察組織を抱き込むほど大規模なものである(→同様に狩りの対象となっている超能力者が他にもいるらしい)」「自分たちの使命のために一般人が巻き添えになることも厭わない」といった断片的な情報を、七瀬がテレパシーを通して知りえただけである。
映像作品ではそれぞれで原作と異なる設定や人名、オリジナルキャラも取り入れられている。