CV:茅野愛衣
概要
行方不明になった友人・閏間冴月を探して裏世界を探索する、四ツ谷の大学に通う大学生(専攻は英文学)。長い金髪をなびかせる、紙越空魚いわく「めちゃめちゃ美女」。
裏世界で身動きが取れずに溺死しかけていた空魚を助けた命の恩人であり、その言動でこれでもかと振り回す厄介な相棒。銃器の扱いに馴れており、空魚に語ったところによれば海外で訓練したらしい。
いたってポジティブで楽観的だが、性急に他人との距離感を詰めては敬遠されてしまう癖のある性格で、冴月や空魚以外の友人はいないらしい。家庭教師だった冴月に連れられて裏世界に出入りするようになり、彼女の失踪を知って単身での捜索を繰り返していた向こう見ず。冴月の捜索を最優先しているため、報酬目当てに付き合ってくれていると認識している空魚の胸中を、無自覚に搔き乱している。
また、裏世界から戻ったらほぼ毎回居酒屋にて、空魚とともに打ち上げを行う。人並に酒は嗜むが、居酒屋では料理をいつも多めに注文するため、空魚は毎回残さず食べるのに苦労している。曰く「一生懸命食べてる空魚を見るのが好き」。
懐に余裕がある時などは、高級ホテルのバイキングやバーに赴く事も。
料理もそれなりに作れ、裏世界に赴く際には弁当を作って持ち込んでいる。サンドイッチやサラダなど、洋風の料理が得意な様子。
「くねくね」を分析する代償に侵食を受ける空魚を助けようと素手で接触した影響で、左手首から先が青く透明になり、裏世界の存在をつかみ取る力をもった。
カナダ生まれで、母親が特殊部隊「JTF-2」に在籍していた軍人。銃器の扱いなど、小さいうちから色々と教わっていた様子。
また、母親は「お母さん」と「ママ」の二人がいたらしいが、家族は飛行機事故で失っている(ファイル20)。詳細は下記参照。
父親に関しては、劇中に説明が全くないため、不明。鳥子自身も口にしていない。
眠るときには全裸になっているようで、ファイル6(アニメ七話)では、泊ったペンションにて。全裸で毛布にくるまっていた(空魚もそれを見て、流石に慌てて赤面していた)。
誕生日は6月6日。好きな食べ物は「肉」。
嫌いな食べ物は、「漬物」。
好きな暇つぶしは「ランニング」、ひそかな夢は「誰かと暮らしたい」。
透き通る左手
空魚の右目同様に、くねくねとの接触によって左手首から先が透明になってしまった。そのため、普段は手袋をはめて、周囲から見られないように隠している。
空魚の右目が視覚を介して裏世界の事象を認識することができるのに対し、鳥子の左手は裏世界や怪異に「触れる」あるいは「つかみ取る」事で干渉することが可能。
2人はこれらの能力を合わせる事で何度も危機を脱しており、裏世界での事象や怪異へ相対した際は、空魚が右目で視て認識することで干渉すべき物や場所を看破し、鳥子が左手で触れて干渉する、という手法が基本的な対応方法となっている。
また、空魚の目で発見し認識したゲートを鳥子の左手で開く、といった芸当も可能であり、裏世界からの帰還に用いられる。
左手で触れられるものは物理的な存在だけに留まらず、裏世界や怪異由来のものに限り呪いや声、信仰心といった形のないものであってもつかみ取る事が可能。ただし、こうした形のないものは空魚の右目を用いなければ視認できず、鳥子は左手の触覚でしか感知ができないため、空魚の指示に従って触れるべき場所に手を伸ばすという形を取っている。
しかし、裏を返せば見えずとも触れさえすれば感知が可能なため、観測役の空魚が怪異に襲われ行動不能に陥りかけた時には、左手に伝わる感触を頼りに手探りで怪異の影響を探り当て、引き剥がすようにして怪異を取り除くなど、鳥子一人だけで空魚を救った事もある(ファイル9)。
二人の母親
上記の通り、幼少期は「お母さん」と「ママ」の、二人の母親の元で育てられた。
「お母さん」は日本人で仏教徒、「ママ」は軍人だった方で、敬虔なクリスチャンだったが、信仰に悩んでいた(神様は信じたいけど、教会の価値観と相いれなかったらしい)とのこと。
ファイル26で、鳥子はマンション内に残されていた二人の部屋に、空魚を招き入れている。
「お母さん」の部屋は、オタク部屋とでも言いたくなるような、書籍と物とで溢れている。「お母さん」はとあるジャンルの作品を手掛ける漫画家で、鳥子が現在生活しているマンションも、元は日本で仕事するために購入したものらしい(ジャンル的に、当時のカナダでは表現的に厳しく、逮捕されかねない状況だった。そのため、日本とカナダを行き来していたとの事)。
漫画家としてのペンネームは「かなでんしす」。
作画用PC機器、過去に手掛けた作品の単行本や同ジャンルの漫画単行本などが、現在も残されている。
なお、「お母さん」本人は仕事に誇りを持ち、引け目もなく、幼少期の鳥子に対しては自分の仕事の事は説明しており、鳥子も受け入れている。しかし作品は(当然ながら)読ませていない。
また、子供の頃に鳥子は、この事でからかわれた事もあった様子。
カナダ軍の軍属である「ママ」の部屋は、対照的に簡素で、小さな棚とデスクとベッドがあるのみ。ベッドの両側の壁には写真と小さな十字架がかけられている。壁の写真には、幼少期の鳥子が「スリーガンマッチ(ライフル・ショットガン・ハンドガンの三種の銃器を、的を撃ちつつコースを移動しタイムを競う競技)」で、準優勝した時の写真が飾られている。
基本「ママ」はここに住んでおらず、たまに日本に立ち寄った際に滞在できるようにしていたとの事。そのため、普段は「お母さん」の寝室として使われていた。
また、「ママ」は軍の任務で世界中を飛び回り、その場所も秘密にする必要があったため、鳥子と離れねばならない事も多かった様子。
そんな時に鳥子は、カナダの祖母の家に泊ったり、留守番したり、たまに日本に来てたりしていたらしい。
銃器の取り扱い技術
上記にあるように、軍人の母親から銃器の扱いを学んでおり、基本的な銃の構えや撃ち方、分解しての整備などを一通りマスターしている。
この習得している技術を用い、裏世界に持ち込む銃の分解整備などは鳥子が全て行っている。
また、空魚に対しても射撃を教えていた(原作ファイル6及びアニメ七話)
実戦の方も、米軍兵士や汀などとは比べ物にならないが、それなりに戦力にはなる様子。汀からも、その手際の良さを褒められていた。
なお、過去の子供時代には、カナダにおける射撃競技「スリーガンマッチ」のジュニア部門で準優勝した事がある。
最初に軍人の母親から教わった時は、一発も当たらなかったが、練習した事で準優勝まで行けてしまった、との事。その時の様子は動画と写真に残されている。
(ちなみにこの時の写真には、笑顔で見せた歯の列に、矯正ブリッジを付けている様子が映っていた)。
心境の変化
当初、日本の学校生活になじめず、冴月が家庭教師となっていた。彼女から勉学のみならず、様々な事を学んだため、鳥子にとっては救いとなっていた。このためか、冴月に対しては若干依存しているような一面も感じさせる。※
※ただし、冴月はこの時に、小桜に代わる裏世界探索の相方を探していたため、あえて好意をもたれるようにしていた可能性もある。
また、上記にあるように、他者との距離感を図る事が苦手で、性急に接近しては敬遠される事を繰り返していたため、明るい性格に反し友人ができなかった。そのため、小桜、そして空魚は、彼女にとっては数少ない友人であり、大切な存在でもある。
そして、空魚とは何度も同じ時間を過ごしたせいか、徐々に好意を抱くようになる。
ファイル11にてもはや別の存在と化した冴月と対峙し、さらにそこから空魚に助けられたことで「大好きだよ」と告白。
ただしこの時には空魚に深く受け止められてはおらず、ファイル12で「空回り」、「彼氏面っぽい」と言われ愕然としていた。その後もまた「大好きだよ」と言うも、空魚からは「いちいちまともに受け止めていたらこっちの身がもたない」と軽く流されてしまう。
ファイル13では住居に異変が起こった空魚が、自分に気を使い相談せず、茜理や小桜の家に泊まったことを知りご立腹。
ファイル14では一緒に温泉に入った際、空魚とお互いに「好き」と交わしあい微妙な空気になるが、直後に
「おっぱいかわいいね」
と言ってしまい、空魚を混乱させた(直後に怪異が発生したため、その場はうやむやになったが)。
さらにその後、ファイル15にて、裏世界内のラブホに赴いていた際。
空魚がある出来事から恐慌状態に陥り、発狂しかけた際に、「正気づけてくれるならなんでもいい」と頼まれたところから、空魚の唇にキスを(それもディープなものを)する。
幸か不幸か、空魚はそれで正気に戻り、空魚自身も鳥子からの好意を意識することになる。
また鳥子もその前後から露骨にわかりやすい好意を行動で示すようになり、空魚をドギマギさせるようになるのであった。
ちなみにこの後に表世界に戻った後。正月明けに小桜たちとともに空魚とラブホ女子会に赴くが、その時には上記の温泉の時のような抵抗感は無くなり、「(お風呂に)一緒に入ろう」と自分から誘っている(ファイル16)。
ずっと後になって、閏間冴月が空魚へとアプローチをかけてきた事から、決別する事になる。
その際にも、かつては大切な人だった冴月より、現在自分の隣りにいる、空魚とともに居る事を選んでいる(ファイル23)。
閏間冴月と決別したことで、裏世界に赴く必要は無くなる。
そこから、空魚へ「私の事を、どう思っているのか」と問い、一週間の猶予の後に返答を求める(ファイル24)。
そして、空魚自身がマンションを尋ね、招き入れた時。初めて自分の二人の母親の事を空魚に語り、二人の母親の部屋と、鳥子自身の部屋に彼女を招き入れた。
この際に、空魚と話し合い、二人だけの特別な関係を結ぶ事になる。
ただし、最初に女性同士で行おうとした際には、自身が緊張していたこともあり、全くうまくいかなかった。
が、その後で「一人でしちゃおうかな」と口にした際、それに興奮した空魚に目を用いられ、互いにある一線を越える(ファイル26)。
この後で、空魚が提示した二人だけの関係を示したある漢字を聞き、気に入ったために「(その漢字の)タトゥーを入れようかな」とも言ってたりする。
小桜には、この事を伝えている(ファイル28)。
しかし後に、空魚がある事で、るなに膝枕してもらった事を知ると、その事を空魚に問い詰めていた(ファイル29)