概要
アニメ版第100話。
アニメオリジナルのエピソードではあるが、同じ藤子不二雄Aの作品『黒ベエ』のエピソード「スズキ・ミチオの秘密復讐計画」が原作となっており、スズキ・ミチオを今仁見手郎に、黒ベエを喪黒福造に置き換えている。
あらすじ
漁港の釣り具専門店の息子の今仁見手郎。
表向きはひ弱ないじめられっ子の見手郎だが、実は悪魔のように恐ろしい本性を隠し持つ復讐者であり、日記代わりに付けている手帳に自分に酷い目に合わせた人間や動物達の事を書き、ある程度罪の回数が貯まったらリベンジをし、ターゲットで魚拓を作るのが趣味。
そんな見手郎の前に喪黒福造が現れた。
登場人物
- 今仁見手郎
エピソードの主人公。眼鏡をかけた少年。一見、大人しいいじめられっ子だが、本性は残酷で執念深く、自分を虐げた相手には相応の復讐をする知性と行動力の持ち主。小学生ながらも喪黒福造を危険視しており、彼を最後のターゲットとして魚拓を採ろうとした。しかし、「復讐ごっこ」と断じられたことに怒り、水中銃を撃ち込むも喪黒に通じるはずがなく、逆に逆鱗に触れてしまったために制裁を食らい、魚拓として紙に貼り付けられ(あるいは紙の中に閉じ込められた可能性もある)、シル子と花火大会を見に行く約束を果たせぬまま物語から退場した。
- ガマグチ
見手郎の同級生。見手郎のことを馬鹿にして小突いたりしていた。しかしその結果、野良猫のドラに続いて、見手郎の処刑の被害者となり、落とし穴に落とされた挙げ句に蓋を閉められて数日監禁されてしまった。後日、一部始終を見ていた喪黒から見手郎の本性を教えられるが、「自分は野次馬だから、余計なお世話はできません」とそのまま放置される。(ただし蓋は開けたままにしており、いずれ誰かに発見されるようにしていた)その後、母親やモンキーと彼の両親によって助けられるが、見手郎を見るなりパニックを起こすほどのトラウマを抱えてしまった。原作「黒ベエ」では喪黒に相当する主人公の黒ベエが再び蓋を閉めてしまい、唯一居場所を知る見手郎も後で魚拓になってしまったため助からなかったと思われる、
- モンキー
見手郎の同級生。仇名の通りサルに似た顔立ちをしている。ガマグチの腰巾着のような存在で一緒に見手郎をからかったりしていたため、彼も恨みを買っていた。
- シル子
見手郎の同級生の女子。可愛らしい容姿で見手郎を含む周囲の男子の憧れの存在。性格も良く、見手郎がドスに襲われた際などには心配している。また、彼女自身も見手郎には好意を持っており、育てたバラの花をプレゼントしたり、花火大会に誘ったりもしている。見手郎の正体には最後まで気づかず、花火大会に現れない彼を案じて待ち続ける彼女の姿をラストシーンとして物語は幕を閉じる。
- ドス
見手郎の近所の井戸野家で飼われている土佐犬。鎖などに繋がれておらず、勝手に家の外に出て行ったりもする。嗜虐趣味があり、見手郎のことを特に見下している。見手郎を事あるごとに馬鹿にして脅したり、足で踏みつけたりしていたため恨みを買っていた。ついにはシル子が見手郎にプレゼントしたバラを取り上げて目の前で嚙み砕くという暴挙に出たため見手郎の逆鱗に触れ、処刑されることとなる。処刑の方法は釣竿に仕掛けた肉に食いついたところをトローリングに見立ててバイクで引きずり回されるというもので、最後はバイクが事故で大破して放り出され、ピクリとも動かなくなったところで見手郎に犬拓を取られた。その後の登場はないが、おそらくは助からなかったと思われる。
- ドラ
見手郎の近所に住んでいる野良猫。ドスやガマグチと同様、日頃から見手郎の恨みを買っていたため、作中最初の処刑の被害者となり、猫拓を取られる。更には見手郎が取り出した鋸で処刑されそうになるが、喪黒の介入で命拾いする。その後は見手郎のことがすっかりトラウマになった様で、見手郎を見るなり一目散に逃げ出すようになった。原作「黒ベエ」では黒ベエが見物に来るものの助けはしなかったため、黒ベエが去ったあとに処刑され毛皮になってしまった。
- 井戸野夫人
ドスの飼い主である井戸野家の女性。ドスを甘やかして放し飼い同然にしており、ドスが見手郎に伸し掛かっても笑って見ているなど、意地が悪く大型犬の飼い主としての責任感も持ち合わせていない。そのため見手郎の恨みを買っていた。処刑こそされなかったが、外でドスを探していた際に喪黒に扮した見手郎に襲われて、魚拓をとられた。
- 走り屋の青年たち
見手郎がドスの処刑のために利用した青年二人組。見手郎にバイクを傷つけられ、お詫びと称して高価な釣竿を渡され、バイクを使った土佐犬のトローリングを提案されると好奇心を掻き立てられて実行に移す。最後はドスを「トローリング」している最中に車道に止まっていたブルドーザーと衝突、バイクが大破して倒れていた。生死不明だが少なくとも重傷は負ったと思われる。
- 喪黒福造