あらすじ
東京のとあるアパートで一人暮らしをしているサラリーマンの青井達夫(22)は、会社は勿論、世間から除け者扱いされていて友達も恋人もいない寂しい時間を過ごす草食系男子。
ある夜、自宅のTVを見ながら恋人が欲しいと叫んでいると、喪黒福造と名乗る黒ずくめの妖しいセールスマンが自宅に訪問してきた。
喪黒は、青井のような心の寂しい人に友達を紹介する仕事をしていると言い、青井に白木純子という二十歳の美女を紹介するという上手い話を持ち掛けた。
喪黒から渡された白木の写真を見て青井は一目惚れし、喪黒に言われた通り白木の声を録音したカセットテープで白木と話す練習を始めるのだった。
後日、青井の会社に喪黒が訪問してきて白木に手紙を一通送ってみる事を勧めてきたうえに青井と白木が映った合成写真を渡されて大喜びした青井は喪黒に白木と会いたいと頼んだ。
それからしばらく経った夜青井が会社から帰ると、白木からの新宿西口公園で会おうという内容の誘いの手紙があった。
青井がドキドキしながら待ち合わせの新宿西口公園に行ってみると、白木はベンチに座って待っていた。
青井が思い切って白木にプロポーズをしようと白木の方を見ると、何と白木の正体は人形だったのであった。
しかも、物陰に隠れていた喪黒がラジカセのスイッチを入れて女性の悲鳴を再生して、パニックになった青井は悲鳴を聞きつけた周囲の人々に袋叩きにされた末に痴漢の現行犯で逮捕され、そのどさくさに紛れて喪黒は白木人形を抱きかかえて夜の街へと去って行った。
余談
- アニメ版での青井役は、難波圭一で、SPECIAL5「雪山惨歌」と笑ゥせぇるすまんスペシャル第1話「ラブミー・トンダー」でも女がらみの悲惨な結末を辿る客を演じている。また、難波の代表作『タッチ』でヒロインの浅倉南を演じた日高のり子もSPECIAL8『妖しいアンティーク』で悲惨な役を演じている。
- アニメ版では青井が駅から自宅に帰るまで喪黒が尾行していた様子が窺える。
- アニメ版では新宿西口公園でOLを狙った痴漢事件が多発しているという内容のニュースがTVや新聞で報道されていてオチへの伏線が張り巡らされている。
- アニメ版では青井の立場が不利になるように白木からのプレゼントとして白木の傍に置かれていた袋の中に女性用下着が大量に入れられていた。
- 喪黒の去り際の最後の言葉は、原作版では「これが私の趣味なのです」であったが、アニメ版では「ホーッホッホッホッホ、これで彼は、世間の注目をあびて、孤独な寂しい生活とおさらばできるでしょう。ホーッホッホッホッホ!」となっている。