あらすじ
中年サラリーマンの内名木洋介は、会社どころか自宅に居場所がない上に月曜拒否症で悩んでいて、そのせいで月曜日は会社を遅刻していた。
ある日、通勤ラッシュの電車内で偶然喪黒福造に足を踏まれてしまい、そのお詫びにと喪黒に喫茶店でコーヒーをご馳走になる。そこで会社に向う事への憂鬱さを語る内名木だが、その後喪黒に「夢のような場所に案内する」と言われて付いて行くことに。
工事現場をアスレチック感覚で歩いて行くと「日曜クラブ」というメンバーズクラブに辿り着き、日曜クラブメンバーの共通の奥さんである「カズコ」という女性と二人で日曜日の様に楽しくゆっくりな時間を過ごした。
内名木がそろそろ家に帰ろうと思った時は既に夜になっており、会社を無断欠勤した事で妻に怒られてしまった。
翌日、内名木は再び日曜クラブに行こうとするも、喪黒に『日曜クラブには月に一回しか行ってはいけない』と忠告される。
それ以上行くとリラックスが過剰になり過ぎ、社会生活を営めなくなるのだという。
最初は我慢していた内名木だったが、会社では上司にしごかれ、同僚には笑い者にされ、自宅では妻にいじめられ……。
こうしてストレスが限界に達し、もはや逃げ込むように日曜クラブに行ってしまった。そこに喪黒が現れ、約束を破った内名木を日曜クラブの永久会員にすると言い……
「ドーン!」
日曜クラブにはすっかり老け込んで廃人と化した内名木と、変わらずビールを持ってくるカズコの姿があった。
そして最後は喪黒のナレーションが…
多少のストレスは人生の調味料です ストレスを全く無くそうとするより ストレスのいい解消法を見つけて下さいな
毎日が"日曜日"では 無味乾燥な日々になってしまいますからねぇ…
余談
- アニメ版での内名木役は、旧では青野武、NEWでは千葉繁とNEWでの喪黒役の玄田哲章がスペード他悪役多数を演じた『北斗の拳』のTVアニメ版とシュウ他悪役多数を演じた『ドラゴンボール』のアニメシリーズの出演者が揃っている。ちなみに千葉は、旧のSPECIAL1「ユスリの落とし穴」でこのお話のお客様である襟戸勉の同僚である遊田という女たらしを演じていて、留学の座を遊田のものにされたのを嫉妬していたところに襟戸は喪黒にユスリして留学を辞退させようと持ち掛けられ、襟戸に弱みを見つけられて喪黒にユスリを掛けられて留学を辞退する事となった。
- 内名木の年齢は、原作と旧では53歳だが、NEWでは58歳に変更されている。
- 内名木が妻に無断欠勤で怒られた際の言い訳は、原作と旧では映画館だが(ちなみに原作と旧が発表された頃の映画館は入れ替え制ではなかったので、サラリーマンの電車の待ち時間の暇つぶし場所やサボりスポットとして活用されていた)、NEWではマンガ喫茶になっている。
- NEWでは日々のストレスが限界に達した原因は、上記の他に息子にも邪険にされたり、それに追い打ちをかけるように電車内で誤ってチンピラの足を踏んでしまって酷いリンチを受けた事が追加され、我慢の限界に達した内名木の精神面が粉々に砕けていく心情の描写が追加され、約束を破った彼の下に喪黒の現れる描写が変更されている。
- 旧では、終盤で廃人となってしまった内名木が不気味な声をあげ続けるシーンで別の部屋からも同じ様な声が聞こえていて、内名木以外にも喪黒に廃人にされたお客様達がいるような描写が窺える。
関連タグ
笑ゥせぇるすまん 藤子不二雄A みんなのトラウマ バッドエンド サザエさん症候群
ピノッキオの冒険:この物語の主人公であるピノッキオが、他の子供達と一緒に悪者に唆されて「オモチャの国」(翻訳や映像化作品によっては「プレジャー・アイランド」や「ワクワクランド」等別の名称で呼ばれている事もある)という場所へ連れて行かれてそこで日曜日の様に楽しい夢のような時間を過ごしたが、実はそこは誘拐した勉強嫌いで怠け者な子供達をロバに変えて街に売り飛ばす恐ろしい場所だったというエピソードがある。
のび太とブリキの迷宮:本作のキーパーソンであるサピオとその従者の3体のロボットの故郷であるチャモチャ星はロボット文明が発達した果てに毎日が日曜日状態を実現したが、そのせいで人間の肉体の弱体化を招き、更にナポギストラーによるロボットの反乱によって逆にロボットの支配下に置かれてしまうという結果を招いている。
デーボ・バーカンス、バカンスワルド:毎日が夏休み状態にする事で人間を怠惰にして堕落させる作戦を行ったスーパー戦隊シリーズの怪人。ちなみに前者は、NEWでの内名木役の千葉繁氏の出演作『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場したデーボモンスターである。