あらすじ
ある日、大工のチェリーが見つけた“意志を持って話をする丸太”。そこに現れたゼペットじいさんは丸太から少年の姿をもつ木の人形をつくり、「ピノッキオ」と名づけた。
ところが、ピノッキオは勉強と努力が大嫌いないたずら小僧で、美味しい話に飛びついてはすぐに騙されてしまう。
言葉を話す親切なコオロギの忠告も聞かず、焼かれそうになったり殺されそうになったりと色々と酷い目にあう中、ピノッキオは人間と同じように働き、学ぶことを通じて少しづつ成長していく。そして……。
関連作品
本作の「最初は無知だったピノッキオが、人々や社会との関係性を通じて善悪の概念を体得する」「木彫りの人形にすぎなかったピノッキオが、命を与えられて人間に生まれ変わる」という物語は神話的な寓意に富んでおり、後世の創作家たちとその作品、ならびに多くの科学者・工学技術者に影響を与えてきた。また本作自体は本国イタリアをはじめ、米国や日本においてさまざまな形で映像化されている。
以下に挙げるのは、そのほんの一部である。
1940年に公開されたディズニーによるアニメーション映画。
1972(昭和47)年にフジテレビ系で放映された日本のテレビアニメ。制作はタツノコプロ。
1976(昭和51)年に日本教育テレビ(NET、現・テレビ朝日)で放映された日本のテレビアニメ。制作は日本アニメーション。
ジェペット博士に作られたピーノ、ピーノを導くティンカー等ピノキオがモチーフとなっている。
同作品の物語および主人公ジロー/キカイダーの諸設定は本作を下敷きとしており、彼の体内に埋め込まれている“良心回路”のコードネームも本作の主要人物・親切なコオロギの名前にちなんだ「ジェミニィ」である。
主人公・ブラックジャックの助手「ピノコ」の名前はピノッキオに由来している。
主人公が率いる“麦わら海賊団”の一員・ウソップのモデルはピノッキオとイソップ寓話『オオカミと少年』の主人公であり、その造形面(長い鼻)のみならず「幼馴染みの少女を元気づけるためにホラ話を聞かせる」「嘘やホラ吹きによって敵の裏をかき手玉に取る」といったキャラクター性にも生かされている。
登場人物(敵)の一人が「ピノッキオ」、作中で『ピノッキオの冒険』を読む場面がある。
本作に登場する鯨をモチーフにしたイマジンが登場する。⇒ホエールイマジン
主要人物の1人ウインドウズノキオが本作に憧れている。ピノッキオと違いノキオは人形ではなくロボット・・・らしい。彼の親的存在も本作の登場人物、ゼペットじいさんからとった「パペットじいさん」という名前になっている。
余談
元々『ピノッキオの冒険』では開始早々にピノッキオがコオロギを撲殺して自省するヤツがいなくなり、最終的に狐と猫に騙されて木に吊り下げられ死んでしまうところで終わってしまうのだが、人気につき完結編まで書くことになったという。
嘘をつくと鼻が伸びるのはこの完結編以降の設定。
ちなみに終盤で鯨が登場するのはディズニー映画以降であり、原本では巨大な鮫が代わりに登場している。