概要
会計検査院(かいけいけんさいん、英語: Board of Audit of Japan、略称: BAJ)は、日本の行政機関のひとつ。内閣から独立して存在する国家機関であり、国・政府関係機関の決算、独立行政法人等の会計、国が財政援助する地方公共団体の会計などの検査を行い、決算検査報告を作成することを主要な任務とする。日本国政府唯一の内閣以外の行政府である。
会計検査院は、日本国憲法第90条第2項、会計検査院法第1条の規定により、内閣に対し独立の地位を有する。さらに会計検査院の検査権限は内閣及びその所轄下にある各機関のみならず、国会(衆議院、参議院)、最高裁判所をも含むすべての国家機関に対して当然に及ぶなど、一般の行政機関とは際立って異なる性格を有している。また、憲法にその設置が規定(第90条)されているため、その改廃には憲法改正を要する点も他の行政機関と異なる。
一方で、会計検査院は財務省の一部局であるとしばしば誤解されるなど、最も国民に理解されていない日本の国家機関の1つであると指摘される。
大日本帝国憲法の下では、行政機関の組織および職権は勅令で定められていた。だが、当時にあっても会計検査院については勅令ではなく法律で組織および職権を定める(大日本帝国憲法第72条第2項)とされていたことにより、官制大権(大日本帝国憲法第10条)の例外とされていた。