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佐世保小6女児同級生殺害事件

させぼしょうろくじょじどうきゅうせいさつがいじけん

2004年6月1日に長崎県佐世保市にある小学校で起こった殺人事件。
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注意編集

本記事は実際に起こった事件、またその加害者について取り扱っています。

本記事は事件及び加害者を肯定する意図を持って設立されたわけではない上、被害者やその遺族、事件関係者の意思と権利を尊重する必要があります。そのため記事内に事件及び加害者を美化するような作品を掲載しないようにお願いします。


概要編集

2004年6月1日に発生した殺人事件。

被害者・加害者は同級生(当時小学6年生)であり、小学生による、学校内で起こった事件として当時の社会に大きな衝撃を与えることとなった。

文部科学省は「長崎県佐世保市女子児童殺害事件」と呼称し、当時の大臣から談話という形で声明文が発表されている。


長崎県佐世保市の小学校に通う被害者と加害者は小学校の同級生である。現実世界での交流に加え、共にあるコミュニティーサイトのサービスを利用して個人サイトを運営しており、お互いのサイトの掲示板への書き込みや、チャットを行うなどウェブ上でも交流が深く、関係は良好であった。

また、他の友人らを交えて交換日記を回していたことが明かされている。

しかし、些細なことがきっかけで関係が悪化してしまい、被害者は掲示板に加害者の悪口を書き込む、またこの仕返しとして加害者が「荒らし」行為をするなどトラブルが積み重なり、加害者は被害者に殺意を抱くようになる。


事件当日の6月1日、午前の授業が終わったあとの給食の準備時間に、加害者は被害者を空き教室に呼び出す。そして、被害者を椅子に座らせ、手で目隠ししながら、背後からカッターナイフで首と左手を何度も切りつけた。

傷はかなり深く、また大きなものであり、被害者は出血多量で死亡してしまう。


担任教師は給食の時間が始まる、という時に2人の姿が見えないことに気がつく。直後、廊下を走る音が聞こえ、教室の入り口には返り血を浴び、カッターナイフとハンカチ(手などを拭くために用いた)を持った加害者が無言で立っていた。担任教師は当初加害者側が怪我をしていると思ったが、加害者が空き教室の方を指差したためそちらに向かうと、血を流し倒れている被害者を見つける。

ここで、騒ぎを聞きつけた他の学年の教師が職員室に向かい、教頭に報告。教師はかなり動揺しており、説明がはっきりしなかったため教頭は実際に教室に向かい、事態を把握して職員室から119番通報した。

数分後に救急車は到着したものの、その状態から病院への搬送は困難であると判断され、救急隊員が佐世保警察署に連絡。

加害者は校長室での聞き取りと警察署での事情聴取を受け、夜には警察署から殺人事件であると発表された。


事件後、加害者は少年鑑別所に送致され、取り調べや精神鑑定、少年審判を受けた。9月に児童自立支援施設送致の判決を受け、栃木県内の児童自立支援施設に移った。


2008年には児童自立支援施設内の中学を卒業・退所し、社会復帰している。


事件後、凄惨な現場を目撃した教師や救急隊員、児童、被害者遺族らがPTSDを発症したと報道された。


また、被害者の父は当時毎日新聞佐世保支局長を務める新聞記者であり、事件直後に会見を行った。また、事件から数年後には、この父の直属の部下である新聞記者によって事件を追ったノンフィクションが発表されている。


加害者について編集

加害者の女児は、学校での成績はよく、ごく普通のおとなしい性格で、真面目な態度から教師の評判は良かったという。

人付き合いも、少なくとも事件の数ヶ月前までは大きな問題はなく、たびたび自宅に友人らを招いたり、友人宅を訪ねたりして一緒に遊んでいた。


なお、あるジャーナリストが事件を追ったルポルタージュにて「父親からの虐待があった」と報じているが、実際には虐待の事実はなく、両親との関係は良好であったことが新聞社の取材等で明かされている。


加害者はパソコンでのインターネットに夢中になっていたほか、漫画やアニメ、小説を好んでいたが、その中でも事件のかなり前からホラー小説『ボイス』や『バトル・ロワイヤル』の大ファンで、現実の言動にもある程度影響を及ぼしたと見られている。また、2004年1月ごろから『バトル・ロワイヤル』の同人小説を執筆してウェブ上で公開しており、その内容は現実世界とリンクするようなもの(自身の所属するクラスと同じ人数の生徒たちが殺し合いをするというもの。キャラクター名などが実在の同級生と似ており、被害者と同姓のキャラクターが殺害される描写もあった)であったことが明らかになっている。


加害者は、被害者と共に地域のミニバスケットボールクラブに所属していたが、5年生の3月に受験勉強に専念することを理由に引退している。このことが加害者の中での孤独感を強め、インターネットにのめり込む原因になったのではないかと長崎県教育委員会の調査報告書にて言及されている。


加害者は5年生の終わり頃から精神的に不安定な様子であったことが周囲によって語られており、他の児童への暴力的な言動が目立つようになった。また、友人らとの交流も減り、1人で過ごすことが増えていた。


児童自立支援施設入所後、アスペルガー症候群と診断されている。鑑別所で精神鑑定を行った医師らによれば「絵や字を見て知的に問題なく、むしろある部分で非常に発達した能力があると思ったが、問診の結果、年齢相応の基礎知識が欠落していると分かった」とのことである。一方で昭和大学医学部所属の精神科医である岩波明は、加害者が被害者を含めた同級生らと友好関係を築いており、インターネット上での交流も行われていたことから「アスペルガー症候群の『対人関係の障害』の診断基準を満たす特徴は見いだせない」と誤診の可能性を指摘している。


事件後は、被害者に対し「(もし生き返ったら)会って謝りたい」と発言していたほか、鑑別所加害者の両親が遺族に宛てた手紙を読み「どのように謝っていいのか」と涙していたことが明らかになっている。

また、児童自立支援施設内ではおとなしく模範的な振る舞いであったという。


インターネット上の扱い編集

インターネット上では、センセーショナルな事件内容に加え、インターネットでのトラブルが大きな動機の一つとなっていることなどもあって早くから注目されていた。週刊誌などでの報道で、加害者(とされている人物)が「NEVADA」というロゴが入ったトレーナーを着用していたことから、2ちゃんねるなどでは事件や加害者のことを「ネバダ」と指すようなこともあった。さらに、加害者を「萌えキャラ」化し「ネバダたん」と読んでアイドル視するような向きもあった。


しかしこの事件はアニメや漫画などの娯楽作品などではないし、犯人は面白半分にアイドル視して良いような人物ではないことは忘れないようにすべきである。このような風潮に疑念を抱く人も大勢いる。


また、このNEVADAのトレーナーを着た少女が加害者とされているが、出所が不明確である上、加工されている可能性もある。冤罪を防止するためにも安易に拡散するべきではないだろう。


なお、ドイツのバンド「Pan!k」は、2007〜2008年ごろに一時期ここからとった「Nevada Tan」という名前で活動していた。


pixivにおける注意点編集

pixivにおいても、一部ユーザーにより加害者や事件を美化するような作品が投稿されているが、当事件は現実に起こった残酷な犯罪であり、日本社会に甚大な影響を及ぼしている。

そして、被害者遺族や加害者の家族、事件の関係者が現在でも苦しめられている状態である。


pixivは不特定多数の人物がアクセス・閲覧可能なサービスである以上、被害者遺族などの関係者が目にする可能性もあることから、事件にまつわる作品の存在自体が不適切であり、一切の投稿は認められず、即刻削除するべきであるという極論すら存在する。


一方で個人が作品を制作・発表することは憲法によって「表現の自由」として認められているものであり、それらをすべからく禁止することはできない。

pixivにおけるガイドラインでは、作品やコメント等の投稿情報に関して「反社会的行為を賛美し、これを過度に助長しているもの」が禁止事項の一つに挙げられているが、事件にまつわる内容を描いた作品(あるいは事件に着想を得たフィクションなど)がすべて「賛美し、過度に助長」する意図や目的を持って制作されたとは限らず、また最終的にそれを判断し、それが許されるかどうかは制作者や閲覧した一ユーザーではなく運営者である。法的な問題に発展したならば、裁判所に判断を任せるべきだろう。


しかしながら、表現の自由は「公共の福祉」の概念によって制御されるものであり、他者の人権を侵害するような表現は規制されるべきといえる。

思いのままに制作した作品が、閲覧した人、特に被害者とその遺族、加害者の家族、事件の関係者、そして加害者の名誉や人格を深く傷付けるようなものならば、発表することを避ける・取り下げることも必要である。


あくまで(一般ユーザーによって編集が行われる)本記事では、個人の投稿そのものを制限することはできないため「記事内にそのような作品を掲載しないように」という注意に留めるが、実際に起きた事件である以上、仮に美化するような目的でなくても、制作や投稿においては慎重に取り扱うべきであるという点は明記させていただきたい。


また、上記の通りネット上で出回っている加害者の写真が本当に加害者のものであるかは断定できないので、この写真を基にした作品を投稿する前に、そのこともしっかり留意した方が良いだろう。


加害者のファンの中にはpixiv百科事典を私物化し、加害者のしたことを讃える記事を作成する者もいるが、原則中立性が求められる百科事典でそのような行いをするのは荒らし行為であるので慎むべきである。


作品の投稿やその取り扱いについてはこちらのガイドラインも参照のこと。


関連タグ編集

少年犯罪 猟奇殺人 猟奇的

不謹慎……事件当時、ネット上において悪い意味で話題になった

酒鬼薔薇聖斗……「神戸連続児童殺傷事件」の犯人である当時の少年が名乗っていた。心境こそ異なるが、少年犯罪・日本社会に波紋を呼んだ、という意味では共通している。

佐世保女子高生殺害事件……本事件から10年後に起こった事件。同じく佐世保市で、女子生徒が友人の同級生を殺害したという点が類似している。ただし、こちらは友人とのトラブルが原因ではなかったことが明らかになっている。


外部リンク編集

wikipedia - 佐世保小6女児同級生殺害事件

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