曖昧さ回避
3.の概要
「 浅瀬で溺れる馬鹿一人、俺が救った顛末だ。」
(実写映画版:大倉孝二 / アニメ版:木村昴 /パチスロ版:鳥海浩輔)
ペコやスマイルとは「タムラ卓球場」での同期で幼なじみ。目尻の吊り上がった人相に因んでか、ニックネームは「アクマ」。物静かなスマイルをいびる一方で、仲間内でヒーロー扱いされていたペコに勝つために努力を重ね、卓球最強と謳われる海王学園卓球部に入部した。
乱視を抱えながらも、副部長の真田が「練習バカ」と評するほどの熱心さで実力をつけ、インターハイ県予選では1年生ながら団体戦で先鋒に選出される。ペコの「怠慢と妥協にまみれた卓球」を一蹴して勝ち進み、彼に深い挫折を味わわせることになる。
その傍らで、海王エースの風間がスマイルに執心していることに疑問を抱き、禁止されている個人的な対外試合のため片瀬高校を訪問。中学生時代の県大会ではスマイルとの戦いで白星を挙げたアクマだったが、小泉の指導によって超高校級の選手へと成長しつつある彼の冷徹なプレースタイルに終始圧倒され、2セットも打たずに実力差を思い知らされる。
見下していたはずの相手に「無能」を突き付けられたことで自暴自棄になり、帰り道でチンピラ相手に傷害事件を起こして停学、退部。無様を承知で卓球道場を巡りながらスマイルの戦型を真似て身につけ、才能の限界を受け入れると、卓球から離れることを決めた。
血の滲むような努力を続けてきたからこそ、類稀な才能を腐らせているペコには歯痒さを感じており、予選での敗北から数ヶ月間遊び歩いていた彼を叱咤して、再起へのきっかけを作る。
海王卓球部顧問の藤村には当初、入部を反対されており、根負けする形で受け入れたのもマネージャー候補として見込んでのことだったらしい。曰く「十やれと命ずれば、百でも千でも続ける男」。選手としての将来性にこそ恵まれなかったが、不器用な直向きさは周囲の人物のみならず、読者からも愛されている。
翌年の予選会場には彼女のムー子を連れて観客として来場し、神様のように崇めていた風間と対等に話す機会を得た。チームはもちろん、日本卓球界の未来を背負って勝利だけを求められる風間の孤独と葛藤に触れた後、ムー子に「少し泣く。」と告げながら目元を拭う横顔は、本作屈指の名場面の一つに数えられる。
風間とペコとの戦いを見届けてからは卓球部の面々とも談笑しており、気合いの入った髪型をからかわれながらも、たまには顔を出すよう誘われている。
また、数年後を描いた原作最終話では、スマイルの口からアクマの結婚について語られているが、アニメ版ではムー子との間に3人目の子を授かっているという朗報にアレンジされた。