何とかの杖
なんとかのつえ
シャミ子が父親ヨシュアより託された魔族の杖。
頭文字アから始まること以外は名称不明のためこう呼ばれている。
主な能力は一族の魔力を掛け算的に増幅し、棒状のものなら自由に変形できるというもの。本来は実体のない杖で、周辺の価値観の影響を受けて形状が変化する。
なお発見当初は「先端に星が付いたステッキ」だったが、持ち主であるシャミ子の武器観に影響されたため、基本的にフォークの形状を取っている(これは恐らく、清子が武器として支給したただのフォークの影響だと思われる)。
普段はシャミ子の想像できる範囲の「棒状のもの」にしか変形できない。
ただし「棒」の基準はかなり大雑把で、とりあえず持ち手がついていれば変形できるらしい(作中では拡声器やハリセンなどにも変形している)。
また、シャミ子の認識なので、桃にうちわは棒じゃないと指摘されたときは変形が解けてしまった(ただし、その後の話ではまたうちわに変形させている)。
また「油の膜で覆われた育ち切った中華鍋」を一瞬で作り出すなど、様々な物理法則を無視した変形も可能。さらにはどう考えても棒ではないミカンの武器であるボウガンを、不完全ながらも再現している。※
※「ミカンさんの武器コピーモード」として使用。性能はほぼコピーしているが構造がボウガンとしてはデタラメ。もしかすると「棒ガン」というオチかもしれない…。もっともシャミ子はミカンのボウガンを、2回短時間見たことがあるだけであり、それで不完全にでもコピーできるだけでも本来相当におかしい。しかもそのコピー武器は、手に持たず宙に浮かせたまま連射しており、性能も相当なもの。
このようにシャミ子が「これは棒の1種」と認識すれば伝説の剣だろうがミサイルだろうが変形できるといっても過言ではない。
だがそう都合よくはいかないようで、シャミ子自身が無意識の内にストッパーをかけており「全長30kmの棒」や「絶対弾切れしないロケットランチャー」「純金の割り箸」など常識外れだったり、シャミ子の想像力が追いつかない武器や道具には変形させられない。
リリスが言うには「無茶を現実にするための魔力が足りない」「夢の中でイメトレして徐々に現実に持ち込めば作りづらい物もうまくできるかもしれぬ」とのこと。シャミ子のフィールドである夢の中でなら、性能が大幅に増し、何気なくかざしただけで多くの敵を撃退するような武器にもなる。
後に封印空間で特訓を行い、「炎の杖」「おやつタイムの杖」などのバリエーションを(夢の中限定で)増やすことには成功した。シャミ子の成長とともに、現実世界で変形させられるものの種類が増えてきている。
ただし、変形させたものが何らかの異能を伴うものであった場合、それを駆動するためのエネルギーはシャミ子自身の魔力であるため、強力な武器であるほどシャミ子の魔力消費は激しくなる。
作中、夢の中で「天沼矛(混沌を混ぜ固める泡立て器)」に変形して行使した際は、一回の使用でほぼ魔力を使い切りダウンしてしまった。
桃も「悪用法なら私でもどれだけでも思い付く」と発言している通り、邪悪で魔力も大量な人物等悪意のある人物が持った場合、人類を数日で滅ぼせるか世界征服が短期間で出来る事間違いなしのバランスブレイカーである。シャミ子が戦闘方面についての発想力がなく、何よりも優しい為所持していても悪事に使わないが故に許されているような、凄まじい効果の武器である。しかし吉田家では宴会芸や物干し竿など、主に日用品として使われている。