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信政

しんせい

信政とは、原泰久の漫画『キングダム』の主人公・信と後の始皇帝こと秦王・嬴政のカップリングである。
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概要編集

原泰久作の漫画『キングダム』の主人公・信と後の始皇帝となる嬴政のBLカップリング。

信はの田舎にある城戸村に住む戦災孤児で、村の里典の元で下僕として働いていた。立身出世を夢見て戦場を駆け巡り、武功を挙げていくうちに将軍の地位にまで登り詰めた立志伝中の人である。

嬴政は13歳の時に即位した若き秦の国王。500年以上も戦争に明け暮れる現状を憂い、中華を一つに統べる絶対的君主を目指す野心家である。王としてのカリスマ性と気品は他の追随を許さず、加冠の儀で晴れて成人した時に見せた威容は、他国の賓客たちすら圧倒させた。


 二人が出会ったのは政が即位して間も無い時期に発生した王弟の反乱がきっかけ。この時の政はまだ少年であり、政治の実権を宰相呂不韋に掌握され自由な言動すら儘ならない状況にあった。その挙句、呂不韋は才気や人徳が著しく欠けていた政の弟・成蟜を操り、政を王座から追放する動きを見せていた。


 支持者の多い呂不韋の求心力の前には衆寡敵せず、政は僅かな味方を連れて王都咸陽を脱出。政の腹心・昌文君は万が一を考え、偶然ある村で見つけた政に瓜二つの下僕の少年影武者として用意しておいた。結果、追手は彼を政と誤認し殺害。政は難を逃れる。


 信は当時、その影武者の少年、と家族同然に育った間柄であり、将来下僕の身分を抜け出して共に天下に名を馳せる大将軍になろうと誓い合っていた。しかし不運にも影武者に選ばれた事で漂は死に瀕し、これ以上政を守れないと悟った漂は、最期の力を振り絞って信に政の隠れ家を伝え、信の腕の中で息を引き取る。


 漂の死に慟哭する信は怒りと悲しみのままに村を発ち、政が潜伏する黒卑村に辿り着くと、そこで政と初めて邂逅する。この時の信にしてみれば、政は『親友を身代わりにした残忍な王』であり、到底許し難い人物だった。しかし政が直面しているのは国運を左右するクーデターであり、稍もすれば滅亡に至る緊急事態である。漂も納得の上で行われた計略とも知らず、目の前の怒りしか見えていない信を政は喝破。大将軍へ至る道が何処にあるのか、今、信がすべき事は何かを考えさせ、政は自身を護るとして生きるよう信を促した。


 出会いこそ最悪だった二人だが、やがて幾多の苦難を乗り越えるうち、信は政が真に王たる器であると知る。そして彼が王として国を率いることを望み、政が掲げる中華統一の夢を自らの夢とするようになる。

 政も最初は礼儀知らず(敬語を使わず、自分を大王様とも呼ばない)で粗野な信を訝しんでいたが、壁を作らず気さくに接し、飾らない人柄を持つ彼に次第に心を許していく。あまり表には出さないが彼の活躍や危機に一喜一憂し、信と話す機会には微かに喜色を見せるなど人間味のある一面を見せるようになる。


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