概要
刃物舐めとは、文字通り刃物を舌で舐めること。
主にフィクション上で行われる演出である。
以下のような意味や効果があると考えられる。
・威嚇や危険性の表現: 登場人物が刃物を舐めることで、自身の危険性や凶暴さをアピールする。これにより、相手に対して威圧感を与え、緊張感を高める効果がある。
・キャラクターの特徴づけ: 刃物を舐めるという行為は、登場人物の性格や個性を示す手段として使用されることがある。例えば、冷酷で無慈悲なキャラクターが刃物を舐める場合、その残忍さや非情さを強調することができる。
当然だが舌を切る可能性だけに限らず、他人の血液から病原体に感染するリスクもあるのでやらない方がいいだろう。
起源
起源や発祥は定かではないが、記録に残っている中で初めてこの表現を行ったのは、1962年から放送されていた時代劇コメディ番組『てなもんや三度笠』における、蛇口一角(演:財津一郎)ではないかと思われる。
>『東宝昭和の爆笑喜劇DVDマガジン』(Vol.15)にも、当時の財津一郎の芸についてこう書かれています
>舌で刀をペロペロなめまわしたり、地面をはいつくばってのオーバーアクションが何よりの持ち味となってゆく。その上で、「サミシーッ!」「キビシーイッ!」という、キレのいい決め台詞が人気となり、大流行した。──戦後史の激動
>『てなもんや三度笠』(てなもんやさんどがさ)は、1962年(昭和37年)5月6日から1968年(昭和43年)3月31日まで朝日放送制作・TBS系列で放送されたテレビコメディ番組。全309回放送。
>蛇口一角(へびぐち いっかく):財津一郎
>浪人。柴田家復興後は、まゆみ姫の家臣となる。舌を伸ばして、しつこく刀を舐め回す仕草が多いためヘビ呼ばわりされる。奇声を発し「キビシ〜ッ!!」または「ちょ〜だい!!」などの流行語を生み出す。一角の名前は、清水一角のパロディ。
>ニールセン調査の視聴率データ[6]
>関東地区(東京):平均視聴率26.6%[5][6]、最高視聴率42.9%[5][6]
>関西地区(大阪):平均視聴率37.5%[5][6]、最高視聴率64.8%[5][6](1966年2月20日放送[5]) ──てなもんや三度笠 Wikipedia
当時の『てなもんや三度笠』は平均視聴率30%、最高視聴率は60%越えと凄まじい人気で多くの視聴者が目にし、財津一郎演じる蛇口一角は奇人変人っぷりがウケていたため、日本における刃物を舐める演出が普及するきっかけになった可能性がある。ただしこの時点では奇人変人ではあってもチンピラや殺人鬼キャラではない。
同番組の冒頭のお約束であった藤田まことによる「あたり前田のクラッカー」が今でも昭和を代表するフレーズとして残っていたり、財津一郎が出演し20年以上放送され続けているタケモトピアノのCMにおける「ピアノ売ってちょ〜だい」も同番組のギャグが元ネタであるなど『てなもんや三度笠』の影響力の大きさがうかがえる。
更に古くなると江戸時代の浮世絵や大衆演劇あたりで行われていてもおかしくはないが、資料として残りにくいため探すのが難しいだろう。
関連キャラクター
外部リンク
TROPEDIA (海外のWiki) (国内外のナイフ舐め演出が一覧にまとめられている)
ケヒャリスト ニコニコ大百科 少年漫画などに出てくる「ケヒャー!」などと奇声を発する悪役類型のこと。ナイフや刃物を舐めていることが多い。主にSNS上で語られる。