説明
その名の通り「別人ではないか」という説だが、下記のように様々なパターンがある。
ある人物の肖像画や写真が別人ではないかという説
代表的な例として足利尊氏がある。かつて彼の肖像画だと思われていたものは、実は高師直の肖像である可能性が高い。ほかにも武田信玄や聖徳太子などの肖像画にも別人説がある。聖徳太子のものは本人が亡くなってから100年以上後に描かれたものなので、そもそも本人かどうか以前の問題もある。
また、タウンゼント・ハリスの身の回りをした『唐人お吉』の19歳ころの写真として、様々なかんざしを指したうら若き女性の写真が幾度となく取り上げられたが、近年になってその写真は土産物として日本に逗留する外国人向けに売られたもので、「Officer's Daughter」(士官の娘)と記された写真のコピーや被写体の女性の年格好や撮影年代はお吉の年齢と全く整合性がないことが判明した。
特殊な例としてフルベッキ群像写真がある。この写真は宣教師のフルベッキが佐賀藩校・致遠館の門弟と一緒に写った写真だが、後に「幕末志士が一堂に会した写真」と言われるようになった。当時の敵味方が混ざっているうえに時系列も一致しないので議論に値するまでもなくデタラメだと断定できる。余談だが、この写真の後ろに写っている洋装の顔のいかつい男性が西郷隆盛ではないかという説が出されたこともある。
ある人物が途中から別人に入れ替わっているという説
つまり別人がなりすましているという意味。ただしこの説は信憑性が低いものが多く、学者に支持されているものが少ない。例として徳川家康にこの説があるが、やはり珍説・奇説の域を出ていない。
ある人物の業績が複数人によるものではないかという説
複数人説ともいう。代表的な例として斎藤道三が挙げられる。かつて道三が一代で行ったと考えられていた業績は、現在では親子二代にわたって進められたものと考えられている。シェイクスピアにも別人説がある。
同一人物を写した複数の写真がとても同一人物とは思えないもの
具体的な例を挙げると
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