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概要

『十二人の死にたい子どもたち』は、冲方丁の長編ミステリーであり、『別冊文藝春秋』2015年7月号から2016年7月号に連載、2016年10月15日に文藝春秋より刊行、2018年10月10日に文春文庫より文庫化された。

集団自殺を目的に廃病院の一室に集った初対面の12人の少年少女を巡る密室劇を描いている。

発案は10年以上前で、「自殺サイト」を知ったことが執筆のきっかけになった。これまで『マルドゥック・スクランブル』や『天地明察』などのSFや時代ものを手掛けてきた冲方にとっては初めてとなる長編ミステリーで、海外で過ごした少年時代の体験がもとになっている。

2019年に実写映画化され、監督は鬼才・堤幸彦が務めた。キャストに関しては、「若手俳優の演技力が試せる作品を創出する」をコンセプトに、密室での心理戦が中心となり個々のキャラクターを深く掘り下げ演じる「役づくり」の力と集団演技において相乗効果を生み出すコンビネーションや爆発力が求められることを考慮して、"若手トップクラス"と目される新田真剣佑高杉真宙北村匠海杉咲花橋本環奈ら6名に直に出演オファーを行い、趣旨に賛同してもらった上でキャスティングした。残り6名である萩原利久吉川愛渕野右登古川琴音坂東龍汰竹内愛紗をオーディションで選考した上で"ブレイク必至の注目株"としてキャスティングした。(実際、この6名は公開後に数多くのドラマ、映画に出演するほどの人気を得てブレイクしている。)


撮影は群馬県藤岡市にある廃病院にて行われ、堤監督が好んで用いる手法である、映画の現場では異例の1シーンを複数台のカメラを用いて撮影するマルチカメラ撮影により、5台のカメラを用いて撮影された。脚本の劇作家・倉持裕が執筆したサスペンスフルな会話劇は1シーンが台本6、7ページ、クライマックスシーンに至っては12ページにも及び、ライブ感を重視して多くのシーンが長回しによって撮影され、約40分間にも及ぶノンストップの長回しも行われている。


興行収入も15.5億円とまずまずの結果を残している…が、予告編で「人殺し」「密室殺人」などの強烈な言葉を強調しすぎたことで原作未読者が本編を見た際に拍子抜けするなど想像と現実の乖離を生み出してしまい、残念ながら20億円超とはならなかった。それでも、原作ファンからは原作の再現度やキャストの演技、演出に関する高評価の声が多い。


登場人物

この集いの主催者でありサイトの管理人。過去に2回開催した集いはすべて中止になった。家族の自殺を経験して以来「死にとりつかれている」。

しかし、他の参加者のような自殺願望が必ずしもあるわけではなく、集いの参加者次第では中止になっても構わないと考えている。

冷静沈着な性格の持ち主。


空気が読めない性格から、中学時代からひどいいじめを受けるようになり自殺を志し、集いに参加した。

物事が曖昧なまま(スッキリしない状態)である事に我慢が出来ない性格であり、彼が13人目(ゼロバン)の存在原因を明確にすべきだと主張したことで、12人の話し合いが始まる。


大ファンのロックバンド歌手が自殺を図ったことから、自分もその後を追うために集いに参加した。正体を隠していたリョウコ(後述)の参加理由を知り、「実行」反対派に転じてしまう。

ゴスロリファッションを好む。激昂すると、地方訛りが出てしまう。喫煙者。


芸名は秋川莉胡(アキカワリコ)で、雑誌の表紙を飾るほどの人気芸能人である。しかし、本来の自分(リョウコ)として死ぬことで大人たちによって造られた自分(リコ)を葬るために、この集いに参加した。

物語中盤までマスクと帽子を着用し正体を隠していた。喫煙者。


病気を抱えており、自分で意思表示が出来なくなる前に、自分の意志で死にたいとして集いに参加した。

両親が警察官であり、本人も大の推理好き。本人曰く「思考が唯一の楽しみ」。


経営者である父親の会社の経営が傾き、自らかけた保険金で会社を立て直し、一生自分のことを忘れないでいてほしいという思いでこの集いに参加した。

父親を溺愛しており、いわゆるファザコン。

議論の主導権を握っている者を見極めて従属を装い、自分が望む結論に導くため利用しようとする。


複雑な家庭環境のもとに生まれ、弟を過去の火事で亡くす。自身も火傷を負い、痕を残す。

自らがそうであったように、「生まれてこなければよかった」という子供を増やさないために、母親のような身勝手な大人たちへの抗議としてこの集いに参加した。全身黒ずくめ。徹底した「実行」賛成派の1人。


16歳の高校生。吃音症をはじめとする心身の異常が完治せず、自らの死を選びこの集いに参加した。自分のことを薬の服用が必要な病気と思い込んでいるが、それは幼少時代、幼児にありがちな癇癪や我侭を母親が「病気」と決め付けて刷り込み続けたことに起因する。

心身の異常の原因は母親から与えられている薬であると考察され、物語が進むにつれ、解消傾向にある。


過去に殺人を犯している。いじめにあっていた過去があり、いじめっ子の主犯格を学校の階段から突き落として殺害。事故として処理され、その事件が明るみに出ることはなかったが、自分が犯した殺人を黙ったまま生きていることに葛藤や苦痛を感じ、この集いに参加した。


複雑な家庭環境のもとに育ち、母親が自分に生命保険をかけていることを知る。母親に保険金を受け取らせないために、自殺では保険金がおりない期間内に自殺しようと目論み、集いに参加。

見た目が不良であり、腕っぷしの強さにも自信があるためか高圧的な物言いが目立つ。しかし、話し合いの大切さも承知しており、スジの通らない暴力は振るわず、ケンイチなど弱者には優しい一面をも見せる。喫煙者。


口唇ヘルペスに感染したことを不治の病にかかったものと受け止めてしまい絶望し、集いに参加した。

難しいことがよくわからない。見た目こそ派手だが、貞操観念を除いてはむしろ純粋であり、優しい心の持ち主。


兄と自転車で2人乗りしていた際、後席の自分の悪ふざけが原因で交通事故に遭い、兄は植物状態となってしまった。その自責の念から、この集いに参加。

目立つことが苦手。12人での話し合いにおいても発言数が極少。事故の後遺症から、左腕が動かしづらい。


13人目に相当する、いわば招かれざる客。男性。

集いの集合場所(大部屋)に並ぶベッドに寝かされていた。 主催者のサトシを除いては最初に大部屋入りしたとされる2番のケンイチは、彼こそ全員集合を待たずに単独で「実行」してしまった1番のメンバーだと思い込んだ。

話し合いを進める都合上、サトシが「0番」と命名。

後に、ユキの兄だったことが発覚。


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