概要
大学院にて博士課程を修了した者の取得する学位。英語でドクターと呼ばれることも多いが、医師と紛らわしいためラテン語「Philosophiae Doctor」の略でPh.D.とも言われる。直訳すると「哲学博士」の意味だが、ここでいう哲学とは学問全般のことを指している。ちなみに敬称は医師同様Dr.になり、日本語でも「◯◯博士」と呼ばれることが可能である。
学位としては最もランクが高く、取得にあたっては日夜研究漬けの日々を送りながら成果を出し、論文を出して大学や学会から一定の評価を受けることが必要とされている。
多くの場合、大学院で提供されている博士課程（博士後期課程）において指導教授による指導を受けながら主軸となる研究テーマに関する研究を行い学位論文を提出、それが一定のレベルに達していると評価されることで博士号を取得できる（いわゆる「課程博士/甲博士」）
一方で、過去の研究実績が評価されたタイプの博士、いわゆる「論文博士/乙博士」も日本では認められている（ただし、論文博士は取得要件がかなり厳しい）。
日本の場合は「修士課程（博士前期課程）2年＋博士課程（博士後期課程）3年」の計5年で取得できるという設計になっているが、これはあくまで最低修業年数に過ぎず、実際は博士号取得に5年以上かかることも少なくない模様。
博士号は大学や研究所で学問研究の職を得るにはほぼ必須といえるが、現在の日本には（任期なしの）研究職ポストはそこまで多くはなく、かといって民間就職を検討しても社会に出るのが最短でも27歳になるために国内民間企業への就職には不利にはたらくことも多いとされているため、結果的に努力もむなしく行き場を失う博士号取得者が一定数出てしまっている模様。
