ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

キャッチコピーは「ついに語られる禁断の絆の物語。

概要

ストーリーは漫画にはない完全オリジナルのものとなる。略称はミロスミロ星など。

各作品内で完結を果たしている原作漫画、2003年版アニメシリーズ2009年版アニメシリーズなどの続編ではなく、エルリック兄弟の旅の途上での物語。

時系列上は既に登場しているホムンクルスやシン国人が一切登場せず、ロイ・マスタングらなども一応登場はするのだが、彼等を含めたアメストリス軍の出番や活躍はほぼない。

キャラクターデザインは今までのアニメシリーズより一新されている。

キャストは、2009年版アニメの声優が継続されており、監督や脚本などメインスタッフは大きく変わるが、2009年版から継続するスタッフもいる(ゆえに本作のタイトルは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 嘆きの聖なる丘』とは読まない。『FA』の部分は原作漫画同様読まなくてよい副題である)。

作品評価

オリジナルキャラクターの活躍が主で、主人公であるエド達ですら食われ気味な事などから、旧来のファンからは否定意見も多い。また、一応は原作やFAの派生作品という設定だが、原作の設定とは食い違う部分や突っ込みどころも非常に多く(明らかに等価交換の法則を無視した錬金術、作中では一応は原作の賢者の石と同じものとされている「鮮血の星」の各種設定の相違、ハガレンの世界観には全くそぐわない黒コウモリの謎の飛行装備等々)、全体的におそらく監督のオリジナルだと思しき独自色が非常に強い世界観である。加えてテーブルシティの地下世界の設定を初めとした全体的な作風は、むしろ旧鋼の世界観や設定に近い部分も多い。

原作キャラより前面に押し出されるオリジナルキャラ達についても、殆どが特にキャラクターを深掘りされる事もないまま意外な程にあっさりと死んでいく。加えて殆どのオリジナルキャラクターがエド達を初めとした原作キャラと深く関わる事もないので、全体的にイマイチ感情移入がしにくい(エド達とまともに交流するオリキャラはヒロインのジュリアだけである)。

また、ストーリーは基本的にミロスの民の独立運動と、鮮血の星を巡るジュリアとその兄とミロスの民との確執や考えの相違による対立で、全体的にミロスの内輪の話で物語は展開される。その為に、基本的にエド達原作キャラはそれに巻き込まれるだけなので、原作キャラ達のストーリー内での牽引力は弱く、かと言ってそれに取って代われる程オリキャラ達の存在感も強くはない。

一応は、「メルビンが使う未知の錬金術の捜査」というのがエド達が動いた動機だったのだが、結局それもジュリアの両親が作ったと語られただけで、それ以上具体的に掘り下げられる事もなかった。そもそも本作は原作の時系列的には、原作でエド達が傷の男でホムンクルスを誘い出そうとしていた時期のエピソードなのだが、この時期にそんな不確かな情報で中央を離れる事が可能だったのか?そもそもそんな暇があったのか?という点でも、多くのファンから疑問の声を集めた。

他にも最終的にミロスが独立したという結末は、原作でのホムンクルス達の計画を考えれば一大事の筈なのだが、そこについての掘り下げも特になかったり、そもそも原作の設定を考えれば、テーブルシティは真っ先に軍が抑えるべき秘密を持った土地であるにもかかわらず、特にノータッチのまま終わったりと、原作ファンだと首を捻らざるを得ない部分が多い(すでに『血の紋』を刻んでいるため領土的には用済みかもしれないが、賢者の石の亜種ともいえる『鮮血の星』を軍やホムンクルスが確保しようとしないのはやはり疑問が残る)。

このように原作の補完作品としても、はっきり言って不十分かつ考証不足である。というか上記した通り全体的に監督のオリジナル色が前面に出されている為に、ぶっちゃけ原作及びFAの派生作品とは言いながらも、実際は良くも悪くも原作をそれ程意識して作らなかったようである。

逆に、おまけ冊子の11.5巻に収録されている本作の前日談エピソードの45.5話「束の間」は、原作者の書下ろしだけあってしっかりと原作との整合性のとれたエピソードになっている(なまじ前日談の整合性がとれているだけに、肝心の本編が矛盾過多なのが余計に混乱するが)。

また、一新されたキャラクターデザインも、旧鋼のそれとも原作に近いFAのそれとも毛色がかなり違うので、ファンの間では不評が多かった。アクションシーンの迫力は一部評価されているが、同時に明らかに作画崩壊しているシーンも目立つので、やはりこちらでも不評が多い。

興行上はアニメ映画としては一応は成功と言える程度の成績は納めた。尤も劇場1作目の「シャンバラ」に比べると、公開規模が小さかった事もあって流石に興行的には遠く及ばず、話題性もイマイチだったが…

とういうか本作は実は知名度も意外に低いのか、ハガレンファンでも本作を見た事が無いという人は結構いる。

関連項目

鋼の錬金術師

シャンバラを征く者:劇場アニメ第1作。こちらは旧鋼(2003年版アニメ)の完結作であり、旧鋼とはしっかりと地続きの作品である。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • オフライン(鋼)

    背中越しのキセキ【夏コミ新刊サンプル/鋼エドウィン】

    ■ブルームーンの蒼月蘭さん【http://www.pixiv.net/member.php?id=2171383】との合同誌です。映画・嘆きの丘の聖なる星を元ネタとしたエドウィンの漫画と小説。表紙と漫画は蘭さんです。karunaは小説を16ページほど書きました。ウィンリィとジュリアが会話したり、エドのおんぶや背中ネタや子育てネタ(?)がカオスに詰まった1本。漫画のサンプルはこちら→【http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=20693805】 ■ブルームーンさんと砂のしろどちらのスペースでも頒布します。 ■砂のしろの配置:8/12夏コミ…東4ホール・メ-05a、8/21インテ…2号館・L-21a ■通販:  ・ブルームーンさんのサイトで自家通販受付します。(受付は8/10までだそうです)   http://ranbluemoon.harisen.jp/  ・とらのあなでも販売します。   http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0020/02/22/040020022232.html ■よろしくおねがいしまーす!あ、インテのスペースは、青エクスペースです。お間違いないようお願い致します。
  • 命の等価

    鋼の錬金術師『嘆きの丘の聖なる星』通称ミロ星☆ 面白かったけど物足りなさを感じ、「こんなクライマックスはどうじゃー!」という妄想。なのであのクライマックス(あ、ラストシーンではなく)をそのままに・という方はスルーで♪                ※ネタバレ注意です※ ジュリア・エルリック兄弟及びあまり出番のない大佐(笑)が、噴き出るマグマを止めたシーンから、アシュレイ兄さんを助けたジュリアが対価を持っていかれるところまで。

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

嘆きの丘の聖なる星
10
編集履歴
嘆きの丘の聖なる星
10
編集履歴