CV:弥生みつき
概要
1000年前の『龍神町』に当たる『武蔵国榎津郷』にタイムスリップし、『虎王』と離ればなれになって気を失っていた『ワタル』を介抱した美少女。父親の『壬生時成』は武蔵国榎津郷の白丁であり、母は本編の3年前に病死。琴が得意であり貴族さえも感服させるほどの腕前。
家柄は農民よりは裕福ではあるが、当時深刻な問題で飢饉に苦しむ村人達に心痛める優しい性格で、同じ心情の父は年貢が納められぬ者を取り立てせず、少しずつ年貢を返したりもしていた。
土豪である『赤銅家』から嫁入りを迫られており、父は上述の理由から彼らに弱みを握られ大っぴらに逆らえずにいるが、彼女は『大親山』で出会った、『大龍光帝』の息子『青輝龍』と恋仲になっており、加えて『赤銅黒成』の強欲な本性を知っているのか好ましく思っておらず内心は嫌う。
だが、赤銅が建てた『大龍塔』の建立の儀に半ば無理やり赤銅の息子『氏彦』と婚約させられ、婚約祝いとして貴族から『石蕗』の名前を賜る。
加えて『鬼夜叉』の策略により、『青輝龍』は『氏彦』に殺害、激怒した『大龍光帝』に『大親山』へ天変地異を起こし、彼が神の子である事を知り、自責の念から怒りを沈めるべく池に身を投げ犠牲となる。その亡骸は頂上の枝下桜の下に埋葬され、以降見事な桜が咲き誇り、何時しか『面影桜の龍』と呼ばれ、1000年の後に『文月未知夜』へと転生。
僅かながらも『ワタル』と交流を持ち、彼女を救えなかった覆らない事実は、その生涯に於いても最も苦い経験のひとつとなる。
魔界の『蛇蝎城』での直接対決の際、『現生界』から拐かされた『文月』の体を一時的に借り受ける形で彼らの前に現れ、『翔龍子』として転生し、『御行渉』として記憶を甦らせた『青輝龍』と共に真実を語る。
『鬼夜叉』こそ自身と愛を育んでいた『青輝龍』で、『大新山』で死した方は『天部界』で身代わりとなるべく『運命の鏡』を用いて己を姿を2人に分けた片割れであった。1人に戻れば記憶も共有されるも、身代わりも彼女への愛が抑えられず、運命の日に愛を育む方の片割れを出し抜き、鏡を拝借したまま『天部界』へと戻らぬ覚悟で行った結果、落命する結果となり。生き残った片割れも、深き悲しみと憎しみに囚われ『魔界の者』へと堕ちた。
憎しみを解放した『鬼夜叉』は片割れと一つに戻り、彼女の清らかな魂は『文月』の肉体から離れ、千年の時を得て漸く結ばれ昇天する。