ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

概要

天武天皇の皇子、母は大田皇女(天智天皇の皇女)。

経歴

天智天皇12年(663年)に誕生、幼少期に母が死去。文武両道であったという、天武天皇朝に天皇と皇后・鸕野讚良皇女の皇子草壁皇子が皇太子に指名された。後に政治に参加するが後に朱鳥元年(686年)に天皇が崩御、同年に川島皇子によって謀叛の疑いをかけられ処刑された。妃の山辺皇女も同日死亡した。

コメント

コメントが未記入です

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • WEAK SELF.

    九、国 まほろば。(三)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 かつて、壬申の乱で散った叔父、大友皇子の言葉。その言葉が、二十歳になった大津に重く深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第九話です。  葛野王。壬申の乱で敗れた大友皇子と、天武天皇の娘、十市皇女の子。三つで父親を九つで母親を亡くしたことになります。(現、物語上では十四才になってますが)  勝った母方祖父天武のもとに引き取られても立場微妙だったと思いますよ。大津は祖父、近江側に育てられたとはいえ、勝ったのは父親だし冷遇されないけど、葛野は……。たとえば、千姫と豊臣秀頼に子がいたら、その立場に陥ったんじゃないかな。(父は母方曽祖父に殺された……みたいな) 秀頼の側室の子は殺されたけど(たしか、八歳!!)、この場合、家康は実曾孫に手を下したのかな。曾孫は曾孫でも豊臣の子!!って。そんなの見たくないので、いなくてよかったれす。(マジで) 政略結婚の悲劇ですな。昨今のラノベでは語られない政略結婚の闇の部分だす。政略結婚で決められた相手に溺愛されてあら大変ではない。もっと真摯に受け止めて~。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • ちはやふる×万葉集

    ゆめのかよひ路(あしひきのやまその三)

    あしひきのやま、の補足。大津皇子目線。 福井弁は適当です。ごめんなさい。 大津皇子=新 草壁皇子=太一 石川郎女=千早 でイメージしてね。 ちなみに草壁皇子の母(皇后で後の持統天皇)は真島麗子でイメージしてください。恐い…逆らえない…でしょ? イラストもアップしてます。そちらもよろしく。 アニメちはやふる3、はじまりました。 楽しいなあ♨️
  • WEAK SELF.~或る書 曰く~

    四、百重なす心 思へど。(四)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 遠い昔、強く弱く生きた青年の、在りし日の恋の物語。 ※ 『WEAK SELF.』(novel/series/10120011)の外伝です。 ―――――――  第四話です。  この時代の人たちって何を食べてたんでしょうねえ。一応参考として、長屋王のとこで出されてたものを調べました。長屋王なら高市皇子の子どもだし。大津が食べてたものとたいして変わらんだろうってことで。  で。  し、塩しかねえ。  味噌がねえ。醤油がねえ。素材の味しかねえ。…………。  醤はあるけど、今の醤油とはちと違う。砂糖もない。胡椒もない。(当たり前)  その昔、「どこの時代になら転移しても食べてゆけるか」ってのを調べたことがあって(なんてくだらないことを)、「蘇(チーズ)? 蘇があるなら、なんとかなるんじゃね?」って思った記憶が。味薄なのをチーズで誤魔化そうって魂胆でした。が。ちょっとこれは……。(二、三ヶ月転移しておけば楽に痩せられそう)  ってことで転移はいいです。したくないです。マックのある現代で結構でございます。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    三十九、閑話-紀伊。

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第三十九話です。最終話です。  「閑話」です。語り部(主人公)は大津の甥っ子、珂瑠皇子となります。後の文武天皇です。  大津皇子の変から四年後、舞台は690年の紀伊になります。持統天皇の紀伊行幸。with珂瑠皇子、川島皇子。  物語当初に生まれてた珂瑠皇子も七歳。この前年に父親、草壁皇子を亡くしてます。  珂瑠皇子が成人するまでの中継ぎとして、鸕野讚良が持統天皇として即位していた時代。  彼が出会ったのは、ただの伶の子供だったのかもしれない。特別な蛤調理法って言ってたけど、珂瑠皇子が知らなかっただけで、漁村では普通の食べ方だったのかもしれない。たまたま妹、吉備内親王と同い年ぐらいの子だったのかもしれない。(吉備内親王と大津の子、粟津王は同い年……という設定) 川島が泣いたのは、子供を見たつもりが、うっかり西日を見ちゃって「ぎゃああ、眩しい~!!」ってなっただけかもしれない。(物語の雰囲気ぶち壊し。でも、彼ならやりそう)  この物語、ホントたまたま大和へ遊びにいった帰り、「この道を通って姉に会いに行ったのかな~、切ないな~」なんて思ったのがキッカケ。そこからレイラインだの香久山だの次々に頭に浮かんでいろいろ調べて。なんか、「書かなきゃいけない!! 書いて世に出すんだ!!」と、取り憑かれたようにパソコンに向かってました。睡眠時間もかなり削られてたし、仕事も家事も煩わしくて。寝食を忘れて没頭というのはこういうのを言うのかね。自分でも怖かった。書き終えた今は、憑き物落ちたみたいにスッキリ。時折、大津皇子を想って泣きそうになるけど、それでもスッキリ。自分みたいな未熟者が書いてていいのかって何度も思ったけど、「そんな私のもとに降ってきたネタなんだから、天啓として受け止める!! 一人称しか書けない私にネタふりしたアンタが悪い!!」と開き直りました。(誰に責任転嫁してるんだろう)   ということで。  いいね!、ブクマをつけてくださった方、閲覧していただいた方、フォロワーになってくださった方。皆さま、本当にありがとうございます。見ていただけた、読んでいただけた。それだけで物書き冥利に尽きます。だんごは幸せ者です。  次作でまた、皆さまにお会いできることを楽しみにして。                令和5年4月18日 若松だんご 拝  ※ 次作は明日。『WEAK SELF』の現代パロディ。肩の力を抜いてグニャグニャタコさん気分で読んでいただける内容になっております。(ギャップ激しいよ)
  • WEAK SELF.

    二十一、大君は 神にしませば。(四)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第二十一話です。  最近、久々に三重県明和町、斎宮のあたりに行ってきました。桜も咲いてたし、斎宮近くは菜の花いっぱい。キレイでしたよ。  ここからまっすぐ西に線を引くと大和の大神神社につながり、その先さらに西に伸ばすと二上山に到達します。大津の姉、大来皇女がいた斎宮→大津の宮の近くの大神神社(直線距離にして約4㎞、近似値じゃい)→大津皇子が眠る(鳥谷口古墳?)二上山。そこからさらにさらに伸ばすと和泉国一の宮、大鳥神社に到着します。倭健命が御祭神の神社です。東西を結ぶ、「レイライン」ってヤツです。斎宮と伊勢神宮は、結構離れてるので、「神にお仕えするのに、なぜにこんな遠くで暮らすの?」とずっと疑問に思ってたのですが、このラインを築くためと言われると納得。  斎宮制度上初の斎宮、姉大来皇女と弟大津皇子。(伝説だけど)初代斎宮、叔母倭姫命と甥倭健命。(倭姫命の兄、景行天皇の宮、纏向日代宮があったのは、大神神社から北に約2㎞とこっちも近似値)  なんかリンクしすぎてて、ちょっと怖い。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    三十、かぎろひ立つ。(三)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第三十話です。  真足の献身。  父親の策略で追い詰められていく大津が見ていられなくて、どうにかして助けてやりたいと思った真足が、信じてもらうためにためらうことなく刀を手に突き立てる――。  で。その手の刀傷を天武に見咎められ、冷や汗ブワワな真足ってのを書きたかったけど、あまりに冗長だったのでカット。チョッキン。ゴメンネ。  真足は最初、「真人」って名前だったんですよ。忠節、信じるに足る、真の男って意味で。でもさ、「真人」って、この後に出てくる位階の名称だったりするんすよ。そりゃあいかんなってことで、「人」を「足」に変更。 それと最初は、「桑名で焼きはまぐりの食べ方を教えてくれた人」と同一人物だったのに、いつの間にか、そこらへんは無関係の人になってました。  (自由に憧れ、自由を諦めた目で、東の空を望む大津に対して)  真足「蛤でも焼きましょうか」  大津「いい。止めておく。(自由のない)ここで食べたところで、あまり美味しく感じられないだろうからね」  ――どれだけ蛤好きなんだ、ウチの大津くんは。ってことでこれもチョッキン。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    三十八、真幸くあらば。(二)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第三十八話です。  大津の変の翌月、姉の大来皇女は伊勢斎宮の任を解かれ、都に戻ります。  「神風の 伊勢の国にも あらましを 何しか来けむ 君もあらなくに」  「見まく欲り 我がする君も あらなくに 何しか来けむ 馬疲るるに」  都に帰る途上で、大来皇女が詠ったものです。「何しか来けむ」が切ない。  「うつそみの 人にある我れや 明日よりは 二上山を 弟背と我れ見む」  「磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が 在りと言わなくに」  後の二首は、大津皇子の墓が馬来田(これどこなんだろう)から、奈良県西方にある二上山に移された時に詠まれたもの。二上山に改葬されたのは、大津の変後(三年後)、草壁皇子が亡くなったり、都に変事が起きてたから、「祟りじゃあぁぁ~」ってことで改葬されたんだとか。それか、大津皇子を慕って、こっそり墓に詣でるヤツが後を絶たなかったから、「ええい、都から遠いところに追いやってやる!! これならそうそう行けねえぞ!!」という説も。(クソやな)  「我が背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁露に 我れ立ち濡れし」も有名ですな。が、本当に大津皇子が姉に会いに行ったかはナゾ。(万葉集にしか記載がない) もう一首同じ時に詠まれた歌「二人行けど 行き過ぎがたき 秋山を いかにか君が ひとり越ゆらむ」があるけど、「秋山」とか「露」とか縁起でもないワード使われたくりなんですもん。(どっちも死を意味することあるワード) 後々、その死を知ってから詠んだようにも思える。  もし会いに行っていたのだとしたら、最期に一目肉親に会いたいという情動を感じて切ないです。初瀬街道(もしくは伊勢本街道)ってメッチャ山越え大変なんですよ。でもそれを越えてでも会いに行きたいという心情。泣くわ。  そしてここでようやく山辺の女嬬、夏見の説明を。夏見は、大来皇女が発願し、三重県名張市に建てたという「夏見寺(昌福寺)」から。現在は廃寺となってますが、天武天皇(と大津皇子)の慰霊のために建立したもの。その地で、飛鳥に向かう大来と伊勢方面に向かう夏見with八尋、(赤ちゃん)粟津の一行がすれ違った――と妄想しております。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    二十七、閑話-伊勢。

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第二十七話です。  「閑話」です。語り部(主人公)は大津皇子の姉、大来皇女となります。  彼女が斎宮として伊勢に下向する時の話。  大来皇女は公式に記録に残る、初の斎宮となります。天武天皇の第二皇女。  母親が天智天皇の娘、大田皇女で、その大田皇女の母は、蘇我倉山田石川麻呂の娘なので、血統的にエリート中のエリートなのですが。  「なぜに、斎宮に?」  という疑問が残ります。  壬申の乱の戦勝に感謝してっていうのなら、それこそ泊瀬部皇女でも川島皇子の妹、泉皇女でもいいわけですよ。実際、大来皇女のあとは、異母妹の託基皇女(泊瀬部皇女の妹)、ついで泉皇女が卜定されてる。  戦勝に感謝して……っていうより、飛鳥にいてもらうと何かと困るから……っていうほうがシックリきます。結婚されると困るから斎宮にした。結婚されるとその夫が大津の後見人になってしまうから。年齢的に、大来皇女の伴侶に相応しいのは川島皇子。(四つ違い) 逆を言えば、川島皇子(天智天皇側)が力をつける要因にもなってまいます。(皇女なら、天皇に即位した時に皇后になれるから。血統もエリートだし)  大津に力をつけさせたくない皇后と、川島に力を与えたくない天武の意見が一致したんじゃないかなって思ってます。天武は天智側の生き残りに力をつけられると困る。だから、川島の姉や、明日香皇女の姉妹を妻にして力を削いだ。川島、志貴皇子兄弟には、同じ娘でも母親の身分の低い、泊瀬部と託基を与えた。(卑母腹だから、皇后にはちょっと……ってやつ)  考えられた作戦、よくできた策略だとは思うけど、一つだけ最大にして最悪な欠陥が。  大津皇子に後ろ盾が生まれないんだよぉぉぉ。  妻の山辺皇女の祖父、蘇我赤兄も亡くなってる。母親の大田皇女も祖父の天智天皇(山辺の父親)も亡くなってる。頼れるのは同母の兄弟姉妹だけなのに、山辺は一人っ子(!?)だし、大来皇女は未婚で夫ナシ。寄るべき相手が父親天武天皇しかない。それがどういうことになるのか。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    三十一、かぎろひ立つ。(四)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第三十一話です。  ここで、川島くんに助演男優賞をあげたい。いや、マジで。  こんなポジションのキャラになるって思ってなかったんっすよ。まるで『花咲ける青少年』の倣立人(ファン・リーレン)。ルマティが兄といろいろあって、苦しんでる時にあった熱い抱擁を思い出す。あのシーンが大好きなんですよ。ちょっとBLっぽくて。(違う) 今話に、あのシーンの胸アツさ、カッコよさの何万分、何億分の一でもあったらいいな。  ちなみに、だんごはルマティ推しでした。立人とくっつくんだろうな~って思いながら読んでたけど、どこかルマティも捨てがたくって。傲岸不遜だけど真っ直ぐで、人好きのする天真爛漫な僕は大好物です。(好物?)  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • 殿上の厲鬼

    大蜘蛛―朱雀―(九)

    『大蜘蛛―朱雀―(八)』の続きになります 何か問題ありましたらご教授いただけますと幸いです🙇 真備「なんで皆吾のこと『マイビ』って言うんだ…」 若麻呂「ちゃんと言うてんで、『マイビ』って。なぁ?」 真備「マキビです」 飽海刀自「なんやの、さっきからいちいちマイビですマイビですって。汝ちょっとしつこいで!」 真備「マキビです」 皇子(呪いにでもかかってるのか?) 大蜘蛛―朱雀―(序) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16539660(R-18Gのためご注意ください!) 大蜘蛛―朱雀―(一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16940003 大蜘蛛―朱雀―(二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17142226 大蜘蛛―朱雀―(三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17473609 大蜘蛛―朱雀―(四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17723455 大蜘蛛―朱雀―(五) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17758626 大蜘蛛―朱雀―(六) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18156296 大蜘蛛―朱雀―(七) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18511703 大蜘蛛―朱雀―(徒事)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18547597 大蜘蛛―朱雀―(八) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19557398 大蜘蛛―朱雀―(十) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19737363 大蜘蛛―朱雀―(十一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19772692 大蜘蛛―朱雀―(十二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20392075 大蜘蛛―朱雀―(十三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20431350 大蜘蛛―朱雀―(十四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20501845 大蜘蛛―朱雀―(十五)~ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22061825 奈良県橿原市八木町には、奈良時代創建とされる寺の跡が残っています 寺院併合令については吉川弘文館『日本古代の寺院・官衙造営』須田勉著を参照しました
  • 殿上の厲鬼

    厲鬼ふたたび―玄武―(十)

    『厲鬼ふたたび―玄武―(九)』の続きになります、何か問題ありましたらご教授いただけますと幸いです🙇 ヤバいことになってきた! ドット絵で真備邸を作っております、是非一度ご覧ください🙇 https://www.pixiv.net/artworks/89810067 お話は完結しております、よろしくお願いします🙇 厲鬼ふたたび―玄武―(序) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15052963 (R-18のためご注意ください!) 厲鬼ふたたび―玄武―(一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15128979 厲鬼ふたたび―玄武―(二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15129038 厲鬼ふたたび―玄武―(三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15129088 厲鬼ふたたび―玄武―(四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223471 厲鬼ふたたび―玄武―(五) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223501 厲鬼ふたたび―玄武―(六) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223545 厲鬼ふたたび―玄武―(七) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223593 厲鬼ふたたび―玄武―(八) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473684 厲鬼ふたたび―玄武―(九) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473752 厲鬼ふたたび―玄武―(十) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473814 厲鬼ふたたび―玄武―(十一)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473867 厲鬼ふたたび―玄武―(十二)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727764 厲鬼ふたたび―玄武―(十三)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727772 厲鬼ふたたび―玄武―(十四)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727798 厲鬼ふたたび―玄武―(十五)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727806 厲鬼ふたたび―玄武―(十六)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727818 厲鬼ふたたび―玄武―(十七)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727824 厲鬼ふたたび―玄武―(十八)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727833
  • 殿上の厲鬼

    大蜘蛛―朱雀―(十一)

    『大蜘蛛―朱雀―(十)』の続きになります 何か問題ありましたらご教授いただけますと幸いです🙇 まだ母の大田皇女が生きていた頃の、大来皇女と大津皇子のおはなし。 ほんわかまったりした一日は終わり、二日目からはタイトルに即したお話に……なる、はずです🙃 大蜘蛛―朱雀―(序) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16539660(R-18Gのためご注意ください!) 大蜘蛛―朱雀―(一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16940003 大蜘蛛―朱雀―(二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17142226 大蜘蛛―朱雀―(三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17473609 大蜘蛛―朱雀―(四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17723455 大蜘蛛―朱雀―(五) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17758626 大蜘蛛―朱雀―(六) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18156296 大蜘蛛―朱雀―(七) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18511703 大蜘蛛―朱雀―(徒事)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18547597 大蜘蛛―朱雀―(八) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19557398 大蜘蛛―朱雀―(九) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19596846 大蜘蛛―朱雀―(十) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19737363 大蜘蛛―朱雀―(十二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20392075 大蜘蛛―朱雀―(十三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20431350 大蜘蛛―朱雀―(十四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20501845 大蜘蛛―朱雀―(十五)~ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2206182
  • 殿上の厲鬼

    厲鬼ふたたび―玄武―(十七)

    『厲鬼ふたたび―玄武―(十六)』の続きになります、何か問題ありましたらご教授いただけますと幸いです🙇 長い一日の終わり🌇 お話は完結しております、よろしくお願いします🙇 厲鬼ふたたび―玄武―(序) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15052963 (R-18のためご注意ください!) 厲鬼ふたたび―玄武―(一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15128979 厲鬼ふたたび―玄武―(二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15129038 厲鬼ふたたび―玄武―(三) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15129088 厲鬼ふたたび―玄武―(四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223471 厲鬼ふたたび―玄武―(五) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223501 厲鬼ふたたび―玄武―(六) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223545 厲鬼ふたたび―玄武―(七) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223593 厲鬼ふたたび―玄武―(八) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473684 厲鬼ふたたび―玄武―(九) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473752 厲鬼ふたたび―玄武―(十) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473814 厲鬼ふたたび―玄武―(十一)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473867 厲鬼ふたたび―玄武―(十二)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727764 厲鬼ふたたび―玄武―(十三)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727772 厲鬼ふたたび―玄武―(十四)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727798 厲鬼ふたたび―玄武―(十五)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727806 厲鬼ふたたび―玄武―(十六)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727818 厲鬼ふたたび―玄武―(十八)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727833
  • WEAK SELF.

    八、国 まほろば。(二)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 かつて、壬申の乱で散った叔父、大友皇子の言葉。その言葉が、二十歳になった大津に重く深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第八話です。  木冊書=木簡をつづりにした書物。木簡でもいいんだけど、それだと短冊みたいな棒一本に思えたので、冊書をつけさせていただきました。ピクシブさんの表紙にもそういうのありましたよね、確か。  これ書いてると、ドンドン川島皇子がバカになっていきます。  楽しいです。バカで。めちゃんこ書きやすい。  大津皇子もだけど、川島皇子の印象評価もかなり変わってしまってる自覚ある。まあ、自分の書いてるのは「大津皇子」「川島皇子」ではなく「大津皇子’」「川島皇子’」だからいいんだけど。「’」大事。  いや、誰もホントの彼らを知らへんやん? 会ったことないんやし。書物に書かれてるのだって、ホンマかどうかわからへんし。(それはあくまで書いた人の主観だから。会ったことない人が書けば、それは伝聞想像だから)  ということで、開き直ってます。うちの川島くんはバカをやります。大津も一緒です。(川島……「くん」?) もともと、よく言われる「大津皇子像」をぶち壊す目的で書いてるので、それでいいのです。(薬師寺にあるという木像を壊す……という意味ではない)  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m  
  • WEAK SELF.

    十九、大君は 神にしませば。(二)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第十九話です。  お仕事頑張る川島&大津の回。が。  「どうして川島がいると、こんなに書きやすいんだぁぁっ!!」  と、痛感。  初めの設定では、もう少し性格違ったんだけどなあ。(天智帝の第三皇子として、次、なんかあったら命を狙われるかもってビクビクしてるor同じ第三皇子なのに、日の当たる場所にいる大津をひがんでたり……とか。そういう設定もあった)  初期に性格を決めていたのは大津だけで、あとは彼を中心に(キャラ被りしないよう)性格付けしていったので、気づけばこんなフラフラ言い訳しまくりキャラになってました。最初の「ちっちぇえ~」がいけなかったのかもしれん。あれで全部決まった気がする。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.~或る書 曰く~

    七、百重なす心 思へど。(七)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 遠い昔、強く弱く生きた青年の、在りし日の恋の物語。 ※ 『WEAK SELF.』(novel/series/10120011)の外伝です。 ―――――――  第七話です。最終話です。  なんか、おかしなところに着地したぞ? でも、幸せな時代の彼らを書くことができて満足だす。  『WEAK SELF』、書き上げてもう一ヶ月経つというのに、未だに離れることが出来ません。どれだけ中毒を起こしてるんだ自分。最初は「なんとしても書かなくては」という取り憑かれ系だったけど、今は「好きだから書かなくては」というオタク系になっております。(どっちも同類)  他の作品を書かなきゃいけないのに、ずっと大津皇子に行きっぱなし。ブーム来てます。高校生の時以来、○年ぶりのマイブーム再来。あの時は大津×タイムスリップした自分の妄想だったけど、今は大津×山辺。ちゃんと正統派。(「×自分」って……)  ただね~、サブタイトルがね~。  「み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直には逢はぬかも」(『万葉集』496番)  の「百重なす 心は思へど」を使ったんだけど、語彙変換さんよ、頼むから「百恵ナス」はやめてくんない? ナス? 茄子? 山口百恵が? 茄子?と大笑いしちゃったよ。  そしてラストのお出かけ大津くんと山辺ちゃん。蓮華の原で横になる大津くんの傍らで、花冠を編む山辺ちゃんってのを想像してしまいましたがな。大津くんが、何気に山辺ちゃんの髪に触れたりするの。目があったらほほえみ合って。それか、帰り際、指輪を作って山辺ちゃんの指に……って、キャー!! ギャー!! 妄想だけでお腹いっぱい、涙出そう。尊いわ。誰か描いてぇぇ。  とまあ、興奮しきりですが、今のところ続編を書くつもりはないです。これが一応の打ち止めです。(多分)  ということで。  いいね!、ブクマをつけてくださった方、閲覧していただいた方、フォロワーになってくださった方。皆さま、本当にありがとうございます。見ていただけた、読んでいただけた。それだけで物書き冥利に尽きます。だんごは幸せ者です。  次作でまた、皆さまにお会いできることを楽しみにして。                令和5年4月29日 若松だんご 拝 ※ 次作は、えっと、えーっと……。ま、まだまだ先になりそうです。プロットだけが乱立してて、どれを育てて(ネーム作成)、花咲かせる(執筆)か決まってません。8月末〆切のコンテストで二本、参加したいのがあるので、それまでには書き上げたいなと思ってます。けど、またどこかでモコッとポコッと物語が浮かんだら、「お前、全然関係ねえじゃねーか!!」と喚きつつ、別物を書いてるかもしれません。
  • WEAK SELF.

    三十六、WEAK SELF.(三)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 壬申の乱で散った叔父、大友皇子の残した言葉。その言葉が二十歳になった大津に重く、深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第三十六話です。  大津くんと山辺ちゃんに赤ちゃんできましたよ!! いやあ、メデタイ、メデタイッ!!  まだ生まれてませんが、歴史上では後日、「粟津王」という名が与えられます。男の子ですね。泊瀬部ちゃんには染め直しを要求しましょう。忍壁くんは簪以外のものを贈るように。明日香ちゃんとは別のことでイチャコラしてください。  この物語、残すところあと三話になりました。  自分のなかでけじめとして、先日、大和に行ってきました。物語をひらめくキッカケとなった大神神社、大津のいた磐余の宮があった(と言われる)御厨子観音あたり。岡本宮(板蓋宮)。全部回ってきましたよ。(迷ったけどね☆)  約千三百年前、彼らはここにいたんだなって思ったら泣きそうになった。(不審人物) あの川をあの山並みを彼らも見てたんだなってなったら、もう……もう……。岡本宮から磐余に戻る道が一番ヤバかった。運転しながら号泣、鼻すすりたくりですよ。(花粉症の症状も含む)  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • WEAK SELF.

    十三、海石榴市。(二)

    かつて、一人の年若い皇子がいた。 時の帝の第三子。 容姿に優れ、文武に秀でた才ある人物。 自由闊達で、何事にも縛られない性格。 誰からも慕われ、将来を嘱望されていた。 皇子の母方の祖父は天智天皇。皇子の父は天武天皇。 皇子の名を、「大津」という。 かつて祖父が造った都、淡海大津宮。祖父は孫皇子の資質に期待し、宮号を名として授けた。 壬申の乱後、帝位に就いた父親からは、その能力故に政の扶けとなることを命じられた。 父の皇后で、実の叔母からは、その人望を異母兄の皇位継承を阻む障害として疎んじられた。 皇子は願う。自分と周りの者の平穏を。 争いたくない。普通に暮らしたいだけなんだ。幸せになりたいだけなんだ。 幼い頃に母を亡くし、父と疎遠なまま育った皇子。長じてからは、姉とも引き離され、冷たい父の元で暮らした。 愛してほしかった。愛されたかった。愛したかった。 愛を求めて、周囲から期待される「皇子」を演じた青年。 だが、彼に流れる血は、彼を望まぬ未来へと押しやっていく。 ――父についていくということはどういうことか、覚えておけ。 かつて、壬申の乱で散った叔父、大友皇子の言葉。その言葉が、二十歳になった大津に重く深く突き刺さる。 遠い昔、強く弱く生きた一人の青年の物語。 ―――――――  第十四話です。  新キャラ登場。八尋。  ナバラーです(笑)  隠(なばり)=現在の三重県名張市。古代国名で伊賀国にあたります。  近鉄で奈良から伊勢に入ると、ちょうど名張を過ぎて山を越えると、ワアッと景色が広がって伊勢平野に出るので、そこから「八尋」。谷川の先にある扇状地、三角州みたいなイメージかな。山籠もる大和の先、広がる未知の世界、自由な世界――みたいな。  これからも、よろしくお願いいたしますm(_ _)m
  • 殿上の厲鬼

    厲鬼ふたたび―玄武―(三)

    『厲鬼ふたたび―玄武―(二)』の続きになります、何か問題ありましたらご教授いただけますと幸いです🙇 なかまろくんにはともだちがすくない そして急展開! お話は完結しております、よろしくお願いします🙇 厲鬼ふたたび―玄武―(序) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15052963 (R-18のためご注意ください!) 厲鬼ふたたび―玄武―(一) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15128979 厲鬼ふたたび―玄武―(二) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15129038 厲鬼ふたたび―玄武―(四) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223471 厲鬼ふたたび―玄武―(五) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223501 厲鬼ふたたび―玄武―(六) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223545 厲鬼ふたたび―玄武―(七) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15223593 厲鬼ふたたび―玄武―(八) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473684 厲鬼ふたたび―玄武―(九) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473752 厲鬼ふたたび―玄武―(十) https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473814 厲鬼ふたたび―玄武―(十一)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15473867 厲鬼ふたたび―玄武―(十二)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727764 厲鬼ふたたび―玄武―(十三)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727772 厲鬼ふたたび―玄武―(十四)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727798 厲鬼ふたたび―玄武―(十五)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727806 厲鬼ふたたび―玄武―(十六)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727818 厲鬼ふたたび―玄武―(十七)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727824 厲鬼ふたたび―玄武―(十八)https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15727833

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

大津皇子
0
編集履歴
大津皇子
0
編集履歴