概要
人の姓名を構成する要素から、その人のさまざまな運勢を占う、占いの中でも数秘術(統計学)の一種。
古代中国の陰陽五行説や四柱推命が由来とされ、中国語圏である台湾や香港、マカオのほか、(広義の)漢字圏である日本や韓国でよく行われている。欧米では特にそのような文化はないようである。
最もポピュラーな方法としてはその者の姓名に使われている字の画数で占う。
単純に「画数」と言っても、姓のみ、名のみ、姓と名を合わせたものなど、それぞれの画数を「五運」に当てはめて多角的に評価される。
また、画数に加えて実際に発音した時の音の響きや、それぞれの漢字に含まれる陰陽の気、生年月日などを含めて総合的に判断される場合がある。
「名前は生まれて初めて与えられる贈り物である」という考えから、名付けにあたって姓名判断を重視するという親も多い。
なお、現代の日本では、少なくとも姓名判断の結果だけで本名を改名するのは容易ではない。
逆に、作家のペンネームや芸能人の芸名、ハンドルネームは変更がそう難しくないことから、開運や心機一転で姓名判断に基づいて名前を変えるということも多い。
代表的な考え方
↓具体的にはこんな感じで姓名判断が行われる
ここでは「五運」という代表的な基準と、どのような影響があるかをいかに簡単に紹介する。占う人によって表現や解釈は微妙に異なる。
- 天格(祖格)…姓の総画。「祖先運」ともいい、先祖から引き継いできた運勢で、大抵は晩年に近づくにつれ影響が大きくなるとされる。吉凶そのものの判断には使われないが、他の格と合わせて必然的に判断材料となる。
- 人格(主格)…姓の最後の字と名の最初の字を合わせた画。その人の内面性の中核を表し、中年期の運勢と、家庭・仕事・結婚運などコミュニケーションに関わる運勢を司る。
- 地格…名の総画。人格が「自分が思う自分らしさ」の象徴だとすれば地格は「外(他人)から見た自分らしさ」の象徴となる。幼少期の運勢に加え、その人の性格傾向や開花する才能、金運、適職などを司る。
- 総格…姓名両方の総画。人生全体の運勢に関係し、晩年に近づくにつれ影響が大きくなる。
- 外格…総格から人格を引いた画。「外」の通り、家族を含めた対人関係全般の運勢を司る。
姓名のどちらかが一字の場合、「霊数」といって天格・地格・外格を調べるときに一画分足して計算する流派もある。
それぞれの字は画数に合わせて吉数と凶数が割り振られているが、姓名判断ではトータルのバランスを重視するため、吉数ばかり、凶数ばかり並んだからと言って必ずしも良し悪しが決まるわけではない。性別やその人の元の姓によっては「強すぎる」画数や、逆に「弱すぎる」画数もあるとされる。
また、結婚して苗字が変わったり、何らかの理由で改名したりすると必然的に画数が変わるので運勢にも影響が出るといえる。
身も蓋もない言い方をするとあくまで「占い」なので、仮に姓名判断で凶が多いからといって必ず人生がうまくいかないというわけではないし、逆もまたしかり。仕事で成功を収め、家庭も円満という有名人の中でも、姓名判断的にはあまり良いとは言えない結果ということも少なくない。
キャラクターや自分の子供の名付けの際も、画数にばかりこだわって奇妙な名前になってしまうよりは字そのものの意味や読みやすさ、響きや苗字との組み合わせなどを総合的に判断し、画数は参考程度に留めておくのが良いと思われる。