概要
『怪異症候群』シリーズのキャラクター。
菊川警察署の特務課に所属している。怪異に対しては、過去の影響により非常に冷徹な一面が見える。ゲーム版のスペシャルボイスは佐山裕亮。
崖を降りたり素早く怪異の攻撃を避けたり、棍棒を使った後ろからの不意打ち攻撃により怪異を一撃で倒せる事から氷室ほどではないが運動神経はかなり良いと思われる。
怪異症候群2でのネタバレ
氷室等を襲った第二の怪異症候群の元凶。コトリバコを置いたのも彼である。
八尺様の一件でついに本性を現し、八尺様との死闘で疲弊していた氷室に牙を剥き霊光銃を奪い取る(怪異を殺すための便利な道具が欲しかったため。コトリバコを置いたのも大小の怪異を引き寄せ始末するためだった)。
公式サイト・夕闇の季節より一部引用。
その正体は、怪異を利用して栄華を画策する組織エイチエムの一員。上司の中川もまたエイチエムの幹部であり、二重の意味で部下であった。
しかし小暮は怪異もそれを利用する人間も軽蔑しており、すべてを利用していたに過ぎなかった。唯一氷室だけは筋が通っているとして認めていたが、甘さのある部分だけは大嫌いだったという。
神代由佳のことは穢れた一族として軽蔑しており、本人の前に現れて言い放っている。
だが由佳に怨まれても仕方のない立場なのに、怨みつらみを飲み込む彼女に自分とは違うものを感じ取る。また由佳の妹・春子(幼女)から自身の行いを指摘された時は、さすがに良心が咎めた様子。
最終章では高木健二から接触され互いの正体が判明するが、今更高木側に就く気もなく一匹狼となることを選ぶ。
しかし高木から「手負いぶっ倒しといて勝った気になってんじゃねえぞ、青二才。……消える前に、きっちりケジメつけてこい」と焚きつけられる。
第二の怪異症候群の解決後、氷室とのけじめのため決闘を挑む。これが本作のラストバトルとなる(投げ技の際の一部ボイスは必聴)。
超大物怪異の後での戦いだからと言って油断するとあっという間にゲームオーバーになる。確かに徒手空拳での殴り合いだが、難易度的に言えば前作をはるかに凌ぐ。
氷室に敗れた後はどうするか1日だけ時間をやると見逃される。小暮は逃げるつもりで立ち去るが、加賀剛に殴り倒されて引き留められ、なぜそんな風に歪んでしまったのか話すように告げられる。
すべてが終わった後、私立の探偵事務所を設立し、加賀とはたまに連絡を取っている。
怪異症候群3でのネタバレ
第三章にて主人公として登場。操作の際は春子と交代しながら物語を進めて行くこととなる。
とある山村では毎年姦姦蛇螺を鎮めるための秘祭が行われていた。そこには呪術師の家系でもある神代春子とその祖母の姿もあった(有事の際の保険とのこと)。
そして祭りのことを聞き付けた小暮もまた密かに村に姿を現していた。しかし相手が姦姦蛇螺であることは知らず、内情を探っている最中であった。
その最中、組織ネクタールによる発砲事件が起こる。これにより儀式を邪魔された姦姦蛇螺は封印を破って復活。村にはゾンビがはびこるようになってしまう。
しかも村人たちは避難できたが春子だけは取り残されてしまい、民家に逃げ込んで孤立してしまった。
特務課にも連絡が入ったが、場所は菊川市から数十キロ離れた夜の山。すぐに駆け付けることは不可能であった。
誰もが動けない状況の中、ただ一人山村に足を踏み入れた小暮は事件解決に向けて戦うこととなる。
大男やゾンビの怪異を乗り切る中、孤立していた春子を保護。当初はお互いに気遣いながらも素直になれない間柄だったが、小暮の方は少なからず亡き妹の影を意識するようになっていった。
実は小暮の妹・舞子は怪異によって命を奪われていた。
当時の小暮には怪異の姿は見えなかったが、舞子は特別にその力が強かったため嫌でもそれを視ることができてしまっていた。当初は兄として怖がる妹を守るつもりだったが、たびたび助けを求められる内に「何日続いてんだよ……勘弁してくれ……」と煙たがるようになる。
その日も舞子から助けを求められたが、小暮は無視して部屋から一歩も出ようとしなかった。
兄の気持ちを察してか舞子は「もう……大丈夫だから……。わたし、怖くないから……おやすみ……」と口にして立ち去って行った。
この台詞が、兄が聞いた妹の最期の言葉となった。
翌日。さすがに態度が悪かったと反省して謝りに行った小暮だが、既に舞子の身体は冷たくなっていた。
葬儀の席にて参列者たちは直接的には言わなかったが、ひそひそと非難の目を向けた。
この時に抱いたやるせない感情が小暮を今の世界へと引き込む結果となった。
やがて闇の世界に触れる内に小暮にも怪異の姿が見え始め「妹はいつもこんなのを見ていたのか」と後悔の念を深くしていった。
兄として守るべき存在を助けられず、気持ちを理解して寄り添うこともできなかった。悩み苦しんだ末に歪んだ小暮は怪異をぶっ殺すことを生業とするようになった。
妹の死を簡潔に春子に話した時は「お兄ちゃんはそういうものじゃないと思う」と言われたが「今の自分を変えるつもりはねえよ」と冷たく突き放してしまう。だが春子もまた怪異によって兄を失った身であることには変わらず、春子から「あなたの気持ちはわかる」と言われると何も言い返せなくなってしまった。
春子の能力によって道を切り開き、二人は山を登って怪異の元凶を倒しに向かう。
小屋の中で一時の休息をとるが、敵は手を緩めなかった。大男率いるゾンビの群れが小屋を襲撃して来たのだ。
どうにか撃破した小暮だが、機会を窺っていた姦姦蛇螺によって春子が拉致されてしまう。慌てて追いかけるも待ち伏せしていた姦姦蛇螺から不意打ちを受け川へと転落してしまった。
小暮の危機を救ったのは金森であった。村長から連絡を受けた彼女は先行して現場に乗り込んでおり、姦姦蛇螺の封印の場の近くまでやって来ていたのだ。
彼女を通して敵の正体が姦姦蛇螺だと知る。
姦姦蛇螺とは、大蛇(蛇神)の喰われた巫女の成れの果て。大蛇と巫女の怨念が一体化したものだという。
巫女は命を懸けて村を襲っていた大蛇と戦ったとされるが、実際は村人も親族もグルであり、初めから巫女を大蛇に食わせるつもりだったのだ。
というのも大蛇にはあらゆる術が効かず封印することができなかった。そこで強大な力を持った巫女を喰わせて同化させることで人間に近い存在にさせ、一族の術が通りやすくなるようにした。
さすがに冷や汗をかいた小暮だが相手が怪異である以上、逃げるという選択肢はなく。
金森の手当てを受けながらも強がる小暮。その態度に怒った金森から「あなたはね、自分の運命を呪っているだけ。自暴自棄になって、投げやりになっているだけ。……どう、図星でしょ?」と痛いところを突かれる(加賀から小暮の過去を聞いていた)。
最後に金森から「過去に縛られずに今を生きて」と見送られ、小暮もまた「アンタのそういうところ、大っ嫌いだったっすよ」と素直ではない答えを残して去って行った。
金森は姦姦蛇螺の邪気の流出を食い止めるべく別行動となり、小暮はただ一人封印の場まで向かう。
何のために? 誰のために? 幾度となく自問自答するが、出て来る答えはただ一つ。神代春子を助けるために——だった。
本当は小暮自身もとっくにわかっていた。怪異を殺すとうたっているが、実際は怒りをぶつけていただけに過ぎないのだと。
しかし今は違う。その想いが小暮を突き動かし、ついに姦姦蛇螺と対峙する。
かくして、妹を見捨てた兄と一族に見捨てられた巫女の死闘が幕を開けるのだった。
炎を操る姦姦蛇螺の前に苦戦を強いられる小暮だったが、戦いの中でその正体に気づく。
当初は大蛇が巫女を取り込んだとされていたが実際は逆であり、巫女が大蛇を取り込んでいたのだ。
しかも下半身は殺した村人たちから奪った無数の腕によって構成されていた。シルエットこそ大蛇だが、実際は人でも神でもない、怨念によって暴れるただのバケモノであった。
死闘の末、勝機を掴んだ小暮はついに姦姦蛇螺を撃ち倒し、春子救出を成し遂げた。
安堵したのもつかの間、最期の力を振り絞った姦姦蛇螺から不意打ちを受け負傷してしまう。
戦闘によって生じた炎が周囲を焼き尽くし始め、小暮だけ炎の中に取り残される。難を逃れた春子は人を呼びに向かうが……。
灼熱の中で薄れゆく意識……しかし、小暮は確かに見た。自分を見つめる亡き妹の姿を――。
こうして小暮の活躍によって村は救われた。
これらのことは金森を通して中川と氷室に伝えられ、少なからず改心したのだと感じ取るのだった。
その後、どうやって救助されたかは不明だが最終章「巣くうもの」で左目を包帯で覆った状態で再び登場(公式サイトによると原因不明の失明をしているらしい)。氷室に対して自分のすべきことを伝えた。また、氷室からも姦姦蛇蜾の件について礼を言われた。