あらすじ
とある雨の日の午前3時過ぎ。主人公・姫野美琴宛に友人の神代由佳から電話がかかってきた。が、残された留守電は無言。しかし、その電話に違和感を感じた美琴は深夜ではあるものの、彼女の家に向かうことを決めた。開いた玄関から家に上がると、謎の叫び声が家の中に響き渡り・・・
ゲーム内容
触れるとゲームオーバーとなるエネミーから逃げ回りつつ、アイテムやイベントを回収しながらステージからの脱出を目指す。
エネミーはただ逃げているだけでは振り切ることは出来ず、ステージの撃退・退避ポイントまでたどり着いて利用することでようやく逃れられる。このシステムは名作ホラーゲーム『クロックタワー』シリーズを踏襲したものであり、製作者も影響を受けていると明言している。
遭遇することになる怪異は、ネットで広く知られている都市伝説である。
登場人物
姫野美琴 (ヒメノ ミコト)
本作の主人公。文学系で騒がしいことは好まない、おとなしいタイプの女子高生。18歳。
容姿から良家の令嬢のように思えなくもないが、社会的にはいたって普通の女子高生である。
神代由佳とは友達で、彼女から雨の降る夜に電話に違和感を感じ家に来たことから物語は始まる。
休日も家の中でのんびりしてるほうが多い。
神代由佳 (カジロ ユカ)
姫野美琴の友達。こちらは正真正銘良家のお嬢様(無印では普通の家だったが、リメイク版では和洋折衷の豪邸に変更された)。
とある日に遊び半分でひとりかくれんぼをしようと考えた結果、とんでもない怪異を呼び寄せてしまうこととなる。妹と兄・両親との5人暮らしをしている。
氷室等 (ヒムロ ヒトシ)
菊川警察署の警部補であり、特務課に所属。明晰な頭脳を持ち、銃・ナイフの腕前もかなり立つ。その敏腕さで、これまでにいくつもの怪異事件を解決へと導いている。
名前や口調からクールな人物を想起させるが、実際には困難に立ち向かってでも誰かを守ろうとする熱い心の持ち主である。
第2作では主人公を務める。
加賀剛 (カガ ツヨシ)
新聞記者であり、オカルトジャーナリスト。彼の書く記事は決して幼稚なものではなく冷静且つ的確な検証など、成熟した思考で堅実に霊的世界を捉えている。
その腕前もあって彼のファンは意外と多い。
霧崎翔太 (キリサキ ショウタ)
某大学で講師を務める民俗学者。氷室等、加賀剛とは高校時代の同級生でもあり、彼もまたある事件をキッカケにオカルト研究を志すことになる。
神代初(カジロ ハジメ)
神代家の当主。つまり神代由佳の父親に当たる。
ひとりかくれんぼの際に首を切断されて死亡する。首なし死体となって美琴に襲い掛かるが、警察によって制圧。
その後は埋葬されている。
神代夏子 (カジロ ナツコ)
神代由佳の母親。
ひとりかくれんぼの際にバルコニーから落下して死亡する。
その後は埋葬されている。
神代和也 (カジロ カズヤ)
神代由佳の兄。美琴からは何かと嫌がられている。
ひとりかくれんぼの際に浴室に逃げ込むも惨殺される。動く死体となって美琴に襲い掛かるがすぐに活動不能となる
その後は埋葬されている。
部屋にはいやらしい本が置かれており、美琴には呆れられていた。
佐藤淳二 (サトウ ジュンジ)
菊川市の田園地帯で暮らす農家のお爺さん。不愛想だが話の分かる人で面倒見がよい。
美琴から無限ループによって田園地帯から出られないと聞き、確認のために同行する。直後、くねくねを見たことで発狂し行方不明となる。
保坂里美 (ホサカ サトミ)
怪異に襲われた際に出てきた中年女性。正気とは思えない言動を取るが、かろうじて意思疎通は出来ている。
くねくねを見たにもかかわらず発狂はしていないが、正気を失っている(元々そうだった可能性もある)。
勝手な勘違いから美琴に危害を加えようとしたが、背後から迫ったくねくねにより命を奪われた。
神代伊代 (カジロ イヨ)
神代由佳の祖母であり、旧・神代家の旅館の女将。
彼女が運営している高級旅館はお偉いさん専用の御用達であり、暇と金を持て余した富豪達の遊び場となっている(いわゆる風俗)。
元々そうだったわけではなく、山奥の秘湯ということで権力者たちにとって都合がよく、自然とそうなってしまったという。
神代春子 (カジロ ハルコ)
神代由佳の妹。
何かと物置や蔵など冷んやりした場所を好み鍵を持ち出しては、そこで遊んだり寝たりしている。
※公式サイト・夕闇の季節より一部引用
怪異
チャプター1での鬼役。ひとりかくれんぼの儀式で呪いを宿し、包丁片手に動き回り、神代家に入ってくる人間を片っ端から惨殺するようになってしまった。
幼い声だが大の大人をバラバラにするなど、やることは恐ろしい。
テレビを見ていたり、寿司を食べるなどコミカルなようでかなり不気味なことをしている。
美琴によって粘着テープの罠で動きを封じられ、塩水を掛けられたことで力を弱められる。その間に暖炉の中に放り込まれて燃やされた。
チャプター2での鬼役。直視すると精神が崩壊してしまうという、白い糸のように細長くウネウネしている謎の物体。美琴の場合は見てもなんともないため、急に出現しては執拗に追跡してくる。
正体は、保坂が捨てた赤子の亡霊とのことだが……。
霧崎の発明品であるサイレンの音でパワーダウンさせられ、そこを神主の法力によって浄化された。
ちなみに、チャプター2ではその他にもNNN臨時放送を題材とした怪異も発生する。
チャプター3での鬼役の2人組。ピエロのような姿をしており、青い服は一輪車、赤い服は玉に乗って追跡してくる。
夢の中で人を電車の一室に招き入れ、車内放送の通りに惨殺する。しかも氷室の偽物を用意して美琴を安堵させてから絶望させたり、美琴の偽物を挽き肉にして見せしめにするなど、見た目はコミカルだかやっていることはかなりエゲツない。
美琴を挽き肉にするべく執拗に追跡して来る。
最終的に青い服は走行中の電車から突き落とされて轢殺され、赤い服は落とし穴に落とされて墜死する。
この2人組のボスは処刑場である電車の車掌であるが、声だけの出演である。車掌の方は手下を使って美琴を捕らえようとしたが、霧崎の発明品で夢の中から引きずり出されたところを氷室によって仕留められた。
チャプター4での鬼役。名前の通りのお面そのままの姿をしている。薄っぺらいからか、人では入れないような場所から突然襲ってくる。
これまでの追跡者と比べると動きが遅いため難易度はかなり低い。最終的に氷室が手にした脇差によって串刺しにされて消滅する。
本作のラスボス。姫野によって滅ぼされた神代たちの怨念が巨大な能面を象ったモノ。
かつて強大な呪術師として君臨していた神代は、対象を呪殺するだけではなく依頼者の土地や財産も奪い取って勢力を拡大していた。
そこで正反対の力を持つ姫野を従者として取り込んで使役していたが、人々の信奉は人助けをする姫野に集まり始めていた。
神代は姫野の秘法を奪って力を付けたが、実は姫野もまた神代の秘法を密かに取り込んでいた。しかも神代では姫野の秘法を扱いきれず、呪術が暴走を起こして時の権力者たちにも見限られ衰退していった。そこを姫野に滅ぼされ、子孫も十数年に渡って幽閉されてしまう。
だが和解を望んだ姫野は子孫を解放し、「土地と財産を譲るわかりに呪術から手を引く」という取引を申し出る。
和解のために土地を譲ったように思えるが、実際は地下に姫野の秘法が安置されており、これによって神代の呪術を封じていた(神代の力を封じるために土地に住まわせた)。
しかし土地から離れた場所に住む神代由佳が「ひとりかくれんぼ」という呪術を用いたことで怪異が呼び寄せられ、神代の怨霊が出現するという事態に陥った。
最期は姫野の祖先に導かれた美琴と一騎討ちとなり、死闘の末に祓われた。
その他
同サークルが制作したフリーホラーゲーム『赤の世界』とは、世界観を共有している。美琴と由佳が序盤のコンビニで登場したり、加賀が記した出版物が主人公の家に置かれてたりする。ラストでの警察の対応も本作をプレイしていれば納得出来る。