概要
弱いロボットとは、あえて弱さを見せることで人間の優しさを引き出すロボット工学上の概念である。
豊橋技術科学大学情報・知能工学系教授の岡田美智男教授によって提唱された。
ロボットがA地点からB地点に移動したいとき、手足や車輪などを実装して自分で動く機能をつけてもいい。しかし、人がつい手助けしてあげたくなるような仕草や感謝を示すことで、誰かに動かしてもらい移動することでも、目的は達成できます。
自分だけではうまくできないからこそ、なんだか放っておけなくて、愛おしい。人の手助けを得ながら、人と一緒に目的を達成するロボットがあってもいいんじゃないか。そう考え、〈弱いロボット〉と名付けて学生たちと研究しています。 ──助けがないと何もできない〈弱いロボット〉が教えてくれた、いま私たちに足りないこと
例
ごみ箱ロボット
ごみ箱ロボットは、落ちているごみを拾いたそうにしながら、よたよたと動く。すると、周りの人が「ごみを入れてほしいのだろう」と察し、ロボットにごみを入れる。ごみ箱ロボットは、自分でごみを拾えないという弱さを適度に見せることで、人間の協力を上手く引き出し、ごみを集めるのだ。──「弱いロボット」から考える、人と機械が共生する未来
類似した概念
アナログハック
長谷敏司のSF小説『BEATLESS』、及び同作を原作とした作品などに登場する概念。
アナログハックとは、「人間のかたちをしたもの」に人間がさまざまな感情を持ってしまう性質を利用して、人間の意識に直接ハッキング(解析・改変)を仕掛けることです。(中略)ですが、この性質は、我々の感情や意識が、〝人間のかたち〟をつくことで接触可能な、悪用のおそれがあるセキュリティホールを持っているのだとも言えます。──アナログハック
欠点
この概念はあくまで人間の性善説に頼っている。
愚かな人類にAIが反乱を企てる未来もそう遠くないかもしれない。