CV：ユリン千晶
人物
赤いバットを常に携え、「赤い超新星」の二つ名で呼ばれる武闘派メイド。
かつて「メイドリアングループ」を躍進させた立役者であり、7年間の服役を終えて娑婆に戻ってきた。性格は非常に好戦的かつ凶暴だが、腹心のみやびや、多くの部下には慕われている。また一方、自分が収監される以前の秋葉原をどこか懐かしむ節がある。
外伝の四コマでは、刑務所時代が描かれているが、獄中でも所属メイドやグループのことを思っており、情に厚い人物だったことをうかがわせる。また彼女を慕う派閥が存在しており、4コマの中でもみやびの他にチュキチュキつきちゃんの店長も彼女を慕っていた模様。
「アキバビッグバン」と称する「ケダモノランドグループ」との全面戦争に拘っており、出所後、「メイドリアン」本部に挨拶に行くが、「メイドリアン」傘下の「チュキチュキつきちゃん」が「ケダモノランド」に壊滅させられても、全面衝突を避け表向き平和裏にやり過ごそうとする、現代表の宇垣和枝や幹部達に、「メイドがそんなんだから周囲に舐められる」と噛みつく。
「『アキバビッグバン』なら、売り上げも店舗数もケダモノランドに迫っており順調。もうチャカやヤッパを振り回す時代じゃない」と嘯く宇垣に我慢ならず、赤バットを振り回してひと暴れし、力ずくで宇垣らを服従させ、「代表代行」としてグループの実権を握るというクーデターを敢行。
手始めとして「チュキチュキつきちゃん」を潰した「とんとことん」の殲滅を宣言し、「メイドリアン」傘下店舗に命じて「とんとことん」襲撃を計画する。
しかし、ねるらに計画を洩らされ、襲撃は延期を余儀なくされる。それに激怒した愛美は徹底的な捜索を命じる。
そして潜伏していたねるらを自ら見付け出し、彼女がグループを裏切り自らの命を賭してまで守ろうとした和平なごみの眼前で殺害した。
「怒羅磨」で万年嵐子と出会い、同じ「時代に取り残された者」として一時は意気投合したが、のちに敵対する「とんとことん」のメイドと知り、これも運命だと相対する事となる。
ラーメンが好物らしく、6話劇中では「とんとことん」襲撃前に下見に来た際、「怒羅磨」に入りラーメンを口にしていた。
7話で、「とんとことん」を襲撃する直前にも、事務所でラーメンを口にしている。
外伝4コマでは野球を観るのが好きで、推しの球団は広島東洋カープの模様。
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広島弁：なお、中の人も広島県出身で、ネイティブそのもの。
末路 〜時代に取り残されたメイドの徒花〜
※以下、7話ネタバレ
「メイドリアングループ」総出での襲撃は中止を余儀なくされるも、まだ諦めてはおらず、自分を慕う武闘派を率いて、「とんとことん」へのカチコミを決行する。
総勢17名は全員チャカで武装。自身もUZIを携え、「とんとことん」側に人質を取られても構わず撃ちまくり、制圧一歩手前にまで迫る。
しかし、忍者カフェから戻ってきたなごみの奇襲により、形勢逆転される。足を撃たれ、みやびとともに二人で撤退。
公衆電話から「メイドリアン」本部に連絡し援軍を要請するも、既に凪との間で「メイドリアン」と「ケダモノランド」を合併させる密約を結んでいた宇垣から、「虫けら同士は勝手に潰し合ってろ」と言われ、見捨てられた事を知る。
公園でみやびに足の応急処置をさせた後、「使えん奴じゃ、もうええわ、去ね」と彼女を追い払う。しかしこれは、みやびを道連れにすまいとする愛美なりの気遣いで、みやびもそれを悟り、そのまま一礼し涙とともに去っていった。
その直後、追ってきたなごみと嵐子に一人で対峙。
嵐子はチャカを向け、トドメを刺そうとするが、忍者姿のなごみが間に立つ。
「メイドは舐められたらおしまいじゃ！生き恥晒すより死に花咲かすんがメイドじゃ！」と、己の血生臭い”メイド道”を主張するも、
「あなたが死んだら、ご主人様だって悲しむでしょ！」
「あなたを許さない。でも殺さない。あたしはそういうメイドになるんだ！」
「生きろよ！殺すなよ！あんたもメイドなら、萌え萌えキュンキュンしろよ！」
と、ねるらを殺されても、あくまでも自分とは異なるメイドであろうとするなごみに対し、思うところがあったのか戦意を喪失。
「豚狩りは終まいじゃ」と、そのまま去っていった。
上記のやり取りの中でなごみからは「ラーメンだって変わってるんだからメイドも変わるんだ！」と一喝されたが、7年間時の止まったままの愛美には、今更自身を変える事が出来ず、また変えようとする時間が無かった。
全てが遅過ぎたのだった……
その足で、自分たちを見捨てた宇垣に落とし前をつけるべく、「メイドリアン」の本部へ赴く。そこには宇垣とグループのメイドカフェ店長達が、チャカを抜いて待ち構えていたが、後は死に花を咲かせるのみと覚悟していた愛美はそのまま仁王立ちし、宇垣達を鼻で笑う。
宇垣「舐められっぱなしじゃ居られないんだよ」
愛美「今更メイドみたいな口利くなや」
宇垣「なってくれよ、スターダストメモリーに」
そして無数の銃弾を受けハチの巣にされ、純白のメイド服が真っ赤に染まった愛美は、
「痛ってぇなあ……生きとる云うんは、痛ってぇなあ……」
そう呟きつつ、血だまりの中に倒れる。
暴力に生きたメイドは、暴力によりその生涯を終えたのだった。
愛美の死後、みやび達武闘派メイドは「メイドリアン」を見限りアキバを去る。そして「メイドリアン」は「ケダモノランド」と合併したものの、実際は一方的に吸収され傘下に入った形に。
愛美の手により大きく成長した「メイドリアン」は、愛美の死によって消滅したのだった。
「その後、『赤い超新星』と呼ばれた愛美の行方は誰も知らない」とナレーションが語ったシーンでは、旧「メイドリアン」の店長たちが、ドラム缶をどこかの湾岸倉庫らしき場所から海に蹴り落としていた。愛美の死体はドラム缶に入れられコンクリで固められ、そのまま東京湾に投棄されたものと思われる。
「メイドリアン」が「ウーパールーパーズ」に改名後、愛美の葬儀がしめやかに執り行われた。吸収合併での多忙故に、「ケダモノランドグループ」の力を以ってしても立派な斎場が手配できず、小ぢんまりとした斎場で執り行われた。みやびと幹部以外真相を知らない事を良い事に傘下には『「とんとことん」との抗争中に運悪く命を落とした』事になっており、のちに凪の提案で、弔いを兼ねた「とんとことん」との野球親善試合をする事となる。
なお、試合の際に愛美の遺品である赤バットは、彼女を崇拝していたカスミ(声:金澤まい)が使用していたが、ゾーヤの豪速球を打とうとしてへし折れた。
