CV:斉藤貴美子
人物
「メイドリアングループ」の現代表(2代目)の中年女性。
愛美・スーパーノヴァ・山岸が収監されていた間、それまで武闘派だったメイドリアングループを、いわゆる「時代の流れ」に対応するため、経営拡大路線に変更した前代表から総責任者に指名されて成功を収め、その手腕を評価されて前代表から指名されて2代目代表に就任した。その後は店舗拡大や内装の高級感(1話の「チュキチュキつきちゃん」や6、7話の「侵略カフェですとろん」を参照)、接客対応の徹底した管理など経営手腕をいかんなく発揮して「ケダモノランドグループ」に迫る勢いでグループを急成長させている。自身もメイドらしく、メイド服を普段から着用している。
元々保守的な性格なのもあり、「ケダモノランドグループ」とは末端店舗の小競り合いはあるが表向き平和にやっており、幹部達もこのまま膠着状態が維持できれば良いと考えていた。しかしとある事件がきっかけで均衡が揺らぎはじめた。
事の発端は、系列店舗の「チュキチュキつきちゃん」に、「ケダモノランドグループ」系列の「とんとことん」の和平なごみと万年嵐子が本部より鉄砲玉として送られ、紆余曲折の果てに店を殲滅される。しかし元々「チュキチュキつきちゃん」は武闘派で素行が悪く度々問題を起こしており、幹部共々手を焼いていた事もあり、「事を構えるべきではない。むしろ露払いができた」と判断し静観していた。
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以下、6話以降のネタバレ
しかし幹部の愛美が7年の刑期を終えて出所した事から事態は急変する。
グループのために7年間入所した愛美に宇垣は幹部達と共に出迎えたが、グループきっての武闘派であり、またグループの貢献者でもあった愛美は、7年間の間に幹部達が腑抜けになり、また「バットを振る時代は終わった」など思慮に欠けた発言も仇となり、「チュキチュキつきちゃん」が潰されても何もしない事に激怒し、忠臣のみやびをはじめとする武闘派メイドを集めてクーデターを起こし、代表代行という肩書きでグループを乗っ取った。
しかし愛美のやり方は時代に逆行しており、このままでは警察に目を付けられ、最悪グループが崩壊すると宇垣もそのまま黙っているはずはなく、「ケダモノランドグループ」のトップの凪と水面下で合併契約を結び、愛美を逆賊として切り捨てる事にした。のちに本部に現れた愛美に幹部共々拳銃片手に出迎え、代表としてグループを守るために一斉射撃をして、愛美を蜂の巣にして葬った。
その際、愛美を葬る事を決意はしていたが、やはり心のどこかで思う所があったのか、引き金を引く際も躊躇し、目を瞑って引き金を引いた。
その後、「ケダモノランドグループ」と対等な条件で合併契約を結べると思ったが、ここで誤算が生じる。合併契約を公表した事により、「メイドリアングループ」内のタカ派、すなわち「主戦力」がグループを見限り離脱。弱体化した事を予め予測していた凪の不平等とも言える合併を強要に近い形で提案され、断れば力で潰されると確信した宇垣は泣く泣く呑まざるを得なかった。
こうして「メイドリアングループ」は「ケダモノランドグループ」に吸収合併され、「メイドリアングループ」は消滅、宇垣もいち幹部として凪に従う事になる羽目となった。
そして第7話へ
吸収合併後、「メイドリアングループ」は「思い出アニマルカフェ・ウーパールーパーズ」と改名し、短期間でとんとことんを追い抜くほどに売り上げを挙げている(ドベの「とんとことん」を引き合いに出す事時点でどうかと思うが)。愛美の葬儀の際に凪の提案でとんとことんと野球の親善試合をする事になる。積もり積もった恨みもあり、試合は当然ながらラフプレーの形を取った暴力の飛び交う「メイドらしい」ものとなった。
しかし、「姉妹の誓い」を交わしたねるらの死を乗り越え「変わらないために変わる」と決意したなごみは頑なにフェアプレイによる友好を主張し続け、空振りを装って振りかぶったバットで頭を殴られ昏倒しかけても尚、乱闘に発展しかけた周囲に対し「自分の方が打撃妨害した」と主張して試合続行を訴え続ける。
そんななごみの姿にとうとう「ウーパールーパーズ」側からも感化される者が出始め、試合でもリードされていた事も加わって苛立ちを募らせた宇垣は「とんとことん」の店長・八重樫靖子と低レベルな煽り合いを繰り広げる。そしてついには代打と称して自分が打席に割り込んだ上にそれまで一応保たれていた野球の体裁すらも捨ててマウンドにピッチャーとして立つ嵐子に直接バットで殴りかかろうとするという暴挙に出た。
かつては「ケダモノランドグループ」にさえ迫る巨大グループの代表として武闘派路線からの脱却を口にしていた宇垣の姿はもはや見る影も無くなっていた。
咄嗟にゾーヤが飛び蹴りで止めに入り、場は再び乱闘に発展しかけるが、なごみの姿に感化された「ウーパールーパーズ」のメイドであるエルがいきり立つ仲間を止めに入る。
その時、それまで客席で試合を見守っていたウーパールーパーズのマスコット「ウーパー君」がゾーヤの飛び蹴りを受けた宇垣の背後に突然迫り、彼女の背中をドスで一突きした。
ウーパールーパーズのメイドが「ウーパー君」を蹴り飛ばすと、着ぐるみの中から現れたのは愛美が切り捨てられるギリギリまで側近として寄り添っていたみやびだった。愛美の死を悟って「メイドリアングループ」から離反した彼女であったが、密かに復讐の機会をうかがっていたのだ。
こうして宇垣はあまりにもあっけない死を遂げ、彼女を手にかけたみやびも愛美の仇を討てた事への満足を口にして宇垣の命を奪ったドスで自らも着ぐるみごと腹部を刺され命を落とした。
しかし死亡者が出ると試合も中断されるため、みやび共々死んでない扱いされて試合も続行。死体は「とんとことん」側を睨むような格好でどこぞのアクション映画の三下の如くベンチに無理やり座らされた。
試合後、正式に死が確認されたと凪の元に報告が入り、凪にとっては不慮の事態であれど、結果として宇垣という旗印を失った「ウーパールーパーズ」を軍門に下らせるという目標は達成された。