概要
「メイドカフェ とんとことん」とは、秋葉原の裏路地で営業するメイド喫茶。「ケダモノランドグループ」系列。通称「豚小屋」
豚をコンセプトとしており、店員は豚耳をつけ、豚のような口調で接客する。「ここは、可愛い子豚さん達が暮らすレンガのおうち、とんとことん♪ 立派なイベリコ豚になって人間さんに食べて貰う為、子豚さん達は今日もお嬢様(ご主人様)たちをお待ちしておりましたブ~♪」という設定らしい。
かつては嵐子が務めていた「侍女茶館」が構えていた場所で、店長の美千代の射殺事件後に嵐子が警察に捕まったことで閉業し、長らく空き店舗となっていた。
「とんとことん」は、グループ内では底辺に位置する店で、9話でその理由にゆめちが「おひねりちゃん」(上納金)が少ないことや、上のために汚れ役を買うことや上の立場の系列店との姉妹関係が無いことを挙げている。同系列グループの店舗周辺でビラ配りをしていたなごみは、同店舗のメイドたちから「(グループ同系列でも)底辺の店がここでビラを配るな」と、人通りの少ない路地へと追い立てられていた。
そんなこともあり、グループ上層部へ納める「おひねりちゃん」を滞納している。その処理のため、闇カジノに手を出したり、取り立て屋が斡旋する業務を請け負うなどしているが、滞納金回収には失敗するのがお約束。5話の時点では滞納金を払わないと即閉店という事態に追い込まれ、営業中にもかかわらず接客をゆめちのみに丸投げして他の者全員で内職に励むなど自転車操業状態になり、6話では色々な不始末の責任を取らされて「メイドリアングループ」への鉄砲玉を強要されるなど、閉店どころか全員死亡の風前の灯火となっている。
一方で、なごみを除き武闘派揃いでもあり、嵐子一人で「メイドリアングループ」傘下系列店「チュキチュキつきちゃん」を壊滅させ、嵐子となごみを拉致した「メイドシープ」にゆめち達が正面からカチコミして十数人相手にほぼ無傷で全滅させており、4話の時点で他店から「武闘派の新星」と囁かれている。
さらに7話ではなごみも一時期働いていた忍者カフェで忍者スキルを体得したことで、カチコミしてきた「メイドリアングループ」のメイド達を翻弄し、(相手が足を負傷していたとはいえ)愛美との一騎打ちに勝利するほど強くなっている。
「ケダモノランドグループ」のアキバ統一を記念して開催されたアキバメイドフェスティバルでは売り上げの見込める花型商品を売る権利を上位店に独占されていたため豚足を売るが、明らかに会場の輪から外れた他店舗の裏手に出店を指定された上に、パンフレットのマップでは他の店舗が番号で記される中、自分達の店舗だけ「ト」と記されており、常連以外は「トイレ」と勘違いした客ばかりが来る始末。なごみが売り子として売り歩こうとしても、即座に他店舗のメイド達に連れ戻されて叩き出されている。
メインイベント「お萌様登り」では、「ケダモノランドグループ」総帥・凪の直営店「ギラギライオン」を優勝させるための出来レースが企画されていたが、店長の靖子が八百長の手引書をまったく確認していないばかりか紛失した事をひた隠しにして逃げ出したため誰も八百長のことを知らず、本気で優勝を狙いに行き、他店舗のメイド達の妨害を乗り越えて優勝を勝ち取ったことで、「生態系が崩された」と凪の逆鱗に触れてしまう。
10話ではお萌様効果によって店が大繁盛するようになっていたが、11話で御徒町が何者かに襲われてラジオ館の電飾看板に磔にされ(実際はきぐるみだけで中の人は無事)、落ちてきた着ぐるみの頭に凪からの絶縁状が貼り付けられていた。
グループから絶縁されたらアキバでは生きていけず、さらに他店舗から誹謗中傷の落書きをされたり店内の客に絡んで追い出すなど営業妨害が横行されていた(しかも、他店舗でなごみ推しを吹聴して反感を買った常連客の一人が拷問の末に殺される事態となる)。
凪との因縁がある嵐子がけじめを付けるべく一人に凪の元へ行こうとするが、結局はみんなで協力して生きて「とんとことん」に帰ることを目指す。最初にエステ中の「ギラギライオン」の獅子エースメイドを襲撃して人質にし、そのまま「ギラギラオン」に乗り込みメイド達を追い出して立て籠もった。グループの注意がそっちに向いた隙に嵐子となごみが「ケダモノランドグループ」本社に侵入して凪の元に向かう。「ギラギライオン」に立て籠もる面々は駆け付けたメイド達に対し人質を盾にするが、人質を意に介さない一斉射撃を受ける。だが、嵐子となごみが決着を付けることを信じて応戦する。
一方、嵐子達は凪と対面し、なごみは"お萌様"の称号と人形を返上したが凪にその人形で殴られると、嵐子が凪から幹部の席を用意する代わりに「とんとことん」を始末しろと取引される。嵐子はそれを固辞し、自分の命と引き換えに「とんとことん」の絶縁の解除を土下座して懇願する。だが、凪はなごみに詰めろ(髪を切り落とせ)を命令すると嵐子は慌てて止めたため、なごみは嵐子にとって大切な存在と凪に見抜かれてなごみを人質に取られる。それでも、嵐子は泣きながら「とんとことん」は自分の家だと訴え、涙ながらに「とんとことん」の絶縁解除を懇願したことで諦めた凪に「とんとことん」の絶縁の解除の代わりにおひねりちゃんを今までの10倍納めることで手打ちとした。
「ギラギライオン」の方でも停戦が伝えられ、幹部の袋鼠役員が停戦の呼び掛けに出てきたが、興奮状態の靖子に命じられたゾーヤが発砲して射殺してしまうも、すぐに靖子は「撃つなよ、撃つなー!」と白々しく言った。
その後、無事にみんなが「とんとことん」に到着して再会し、協力してくれた面々に対して嵐子が「おかえりなさいませ、豚小屋へ」と感謝を述べると、それになごみが「萌え~」と小さく言った。
しかし後日、嵐子が「チュキチュキつきちゃん」の残党のメイドに背後から刺されて殺されてしまう。葬儀が行われ、出席者は「とんとことん」のみという寂しいものだったが、全員が嵐子の死に悲しむ中、目の前で嵐子を失ったなごみは復讐心に駆られて犯人の行方を追っていた。
だが、嵐子の死で凪も精神の均衡が崩れて「とんとことん」を潰すべく暴走を始めてしまう。
「とんとことん」もそれを迎え撃ち総出で「メイド戦争」を仕掛けることを決め、「怒羅磨」を訪れて最後の晩餐とばかりに大盛のラーメンを「7人前」注文して、「とんとことん」のメンバーたちは「ケダモノランドグループ」との全面対決に挑む。
そして、「とんとことん」に乗り込んできた凪達をメンバーはもてなし、なごみがステージに立って最後のライブを敢行。銃口が向けられ罵声やヤジが飛ぶ中、なごみは懸命に歌い踊り続ける。その姿に「侍女茶館」時代のことを思い出した凪が不意になごみを銃撃するが、それでもなごみは踊り続け、メイド達も次第に合いの手や歓声を上げる様になり、なごみは踊り切った。だが、激昂した凪になごみは撃たれて倒れるが、直後に嵐子を殺した残党のメイドに凪は頭を撃たれ、さらに御徒町が投擲して竹槍で胸を貫かれて死亡した。
それから、18年後、「とんとことん」は「ニューとんとことん」として一新され、引き続き運営されていた。一命を取り留めたなごみは後遺症で車椅子生活となったが、元気な姿で人気メイドとして活躍している。なごみ以外のメンバーの消息は語られていないが、彼女の車椅子の車輪には嵐子含むメンバーとねるらの写真が貼られていた。