解説
漫画『ドラえもん』の「ハンディキャップ」という話(てんとう虫コミックス39巻収録)でのセリフ。
この話に登場する「ハンディキャップ」という道具はヘルメット状の道具で、これをかぶると周囲の人の知力および体力などの能力が自分と同じレベルに合わせられる。
効果の及ぶ範囲はダイヤルで指定でき、最小は5メートル四方、最大だと日本全域まで広げられる…という説明をドラえもんがしている途中で「やっぱり貸すのやめた。」とポケットに戻そうとした。
「いまさらそれはないでしょ!」と道具を強奪するのび太に対してドラえもんが言い放ったのが
日本じゅうがきみのレベルに落ちたら、この世の終わりだぞ!!
という最大級の警告…というか大暴言がこのセリフである。
オリジナルのドラの畜生発言は他にもあるが、ここまでドストレートなのは例をみない。
なお、このセリフ表記はてんとう虫コミックスで長らく用いられてきたもので、藤子・F・不二雄大全集15巻やてんコミの新装版では
日本じゅうがきみのレベルに落ちたらこの国は終わりだぞ!!
の表記に変更され、「辛口セリフカード」でもこちらが採用されている。
話のオチとしては出木杉のレベルに合わせてみようと範囲を調整して出木杉にハンディキャップを被せ、出木杉レベルになったのび太は頭が冴えるが、それは「出木杉の力」によるもので「自分の力」ではないことに情けないと感じ、本当に頭を良くしたいなら勉強するしかないと気づき、道具をドラえもんに返却するという珍しく前向きで後味の良いものであった。
そんなのび太をドラえもんは「一人でそこに気が付いたのは頭が良くなってきた証拠だよ」と称えるのであった。
日本じゅうがきみのレベルに落ちた例
「ビョードーばくだん」では実際に日本全体がのび太と同じレベルになった。
のび太がいつものように遅刻し学校にダッシュしていると後ろからスネ夫や他の子供達ものび太と同様にダッシュしてきた。
教室につき遅刻してやってきた先生が「宿題忘れたものは廊下に立ってなさい」と言ったら教室にいる子供たちが全員廊下に立ち、「これじゃ授業にならん!」と言って取り消すというシュールな光景が繰り広げられた。
そしてTVのニュースではキャスターが原稿の漢字を読めなくて「やーめた」と仕事放棄、のび太のママは家事がかったるくなってネグレクト。アニメ版では店主がおつりを計算できずに商売できなくなってたり、警官が犯人を捕まえるのを面倒がって職務放棄したりと、さらに酷い状況となった。
ここに来て流石ののび太も世界が壊れたことに気づき、ドラえもんに「元に戻して!」と泣きつくが、当のドラえもんものび太レベルに落ちていたので「えーと、元に戻す方法は・・・?」と胡乱な表情で困惑するというギャグともホラーとも判断つかない少し不気味なオチで終わる。
後に「人間うつし」という似た用途の道具が登場。
飲んだ人間と能力がそっくりになる病気に感染する黴菌をばらまくという道具で、作中ではドラえもんが「のび太病」と呼んでいた。
こちらは日本中ではなく街中が「のび太病」に感染した(ドラえもんはマスクをしていたので感染しなかった)。