日本アドシステムズ
にほんあどしすてむず
英語商号だと Nihon Ad Systems inc.。ゆえに通称(略称)はNAS。
旭通信社(のちアサツーディ・ケイ、現ADKホールディングス)の傘下において、アニメの企画や販売、広告代理店、作品企画を手がける企業として1975年に設立。のちアサツーグループの再編(ADKホールディングスの持株会社化)に伴いADKエモーションズ(ADKホールディングスの現業部門のひとつを分社化したもの)の子会社となったため、現在はアサツーディ・ケイ(ADKホールディングス)の孫会社という扱いになっている。
関連会社としてDVD出版を手掛けるスーパー・ビジョンを持つ。また一時期は、より企画(作品設定の策定)に特化したテンユウを子会社として設立所持していた。
事実上、アサツーディ・ケイの別部門、いわば若手育成の場としての側面があり、NASの社員、特に作品企画における交渉に携わる主幹プロデューサークラスは、ほとんどが親会社であるアサツー(ADKエモーションズ)との兼務所属(新入社員としてアサツーに入社してADKに出向派遣された社員)となり、そこから実力を認められればアサツーディ・ケイへの正所属へと"昇格"してアサツー作品に関わる事になる。そのためNAS社員はアサツーディ・ケイの名刺も同時に持つケースがある。
「アドシステムズ」の「アド(Ad)」とは「広告・販促」を意味する「アドバタイジング(Advertising)」の略であるが、同時に「アニメーション製作」を意味する「アニメーション デベロップメント(Animation Development)」の略の意味も含むダブルミーニングの意図をも持たせている。
親会社である「アサツーディ・ケイ(ASATU-DK)」つまり元々の親会社である「旭通信社(ASAHI TUSIN)」と、そこに合併した「第一企画(DAIICHI KIKAKU)」の意味もあると言われることもあるが、これはあくまでも俗説の域を出ず公式には言われていない(言う必要も無いのだが)。
1982年放送開始の「さすがの猿飛」より活動開始。当初は主にフジテレビ系アニメ番組でNASの呼称が使われていた。
1990年代からはテレビ東京系アニメの企画・製作・広告代理を主軸としているが、旧旭通信社と旧第一企画が合併する1998年まではASATSUのロゴが散見されていた。ABC制作テレビ朝日系日曜朝枠のアニメや日本テレビ系金曜夕方枠のアニメでも、制作クレジットはASATSUだが版権表示にNASの名を持つこともあった。
2006年4月1日、長く使用してきたロゴデザインを一新した。これに伴い、従来はテレビ東京系列及びフジテレビ系列の番組で表示することが多かったNASの名称をUHF・衛星民放局で放送する作品などでも使い、ADKとの差別化が図られる様になりつつある。2007年夏にテレビ朝日で放送された深夜アニメ・『ZOMBIE-LOAN』より、テレビ東京、フジテレビ以外の地上波キー局でもNAS名義で作品を放送している