概要
最低賃金とは法律(日本では最低賃金法)で定められた賃金の下限額のことである。「最賃」と略されることも。
金額は別途定められており、それを下回る賃金で雇用することは認められていない。
最低賃金は雇用主側による不当な賃下げを防ぎ、労働者側の賃金(ひいては生活)を守るための制度であるが、薄給が常態化している現在の日本社会では賃上げを渋る企業や雇用主に対し、法による半ば強制的な賃上げを実行させる措置として機能している感が強い。
なお、日本においては地域別最低賃金と特定最低賃金の2つが定められている。
地域別最低賃金
職種や雇用形態に関わらず全ての労働者に対して適用される(1時間あたりの)最低賃金のこと。
一般的に最低賃金といえばこちらを指すことがほとんどである。
都道府県ごとに金額が異なり、例えば東京都では1,072円なのに対し、奈良県では896円となっている。(2022年11月現在)
特定最低賃金
特定の産業に設定される最低賃金のこと。都道府県ごとに対象となる業種と金額が定められている。
例えば青森県の地域別最低賃金は853円であるが、自動車小売業の特定最低賃金は919円、といった感じ。
近年では地域別最低賃金の上昇が顕著であり、地域別最低賃金の方が高いことも少なくない。
なお、この場合は地域別最低賃金が適用される。