名古屋市昭和区にある中京テレビ旧本社敷地内に置かれている電波塔。中京テレビ鉄塔というのが正式名称らしい。
本社敷地内に鉄塔を設けた理由としてはUHFの電波特性に起因する画像乱れ防止と電波を遠距離まで届けやすくすること、警察無線の妨害をしないこと、名古屋空港への飛行機の進入経路の邪魔にならないことという条件をみたすのがこの場所だったのである。
アナログ放送時代の中京テレビとテレビ愛知はここから送信していた。デジタル化で瀬戸デジタルタワーへテレビ放送の親局としての機能が移転した後もZIP-FM、FM愛知、NHK名古屋FM放送、InterFM NAGOYA(現Radio NEO)が送信設備を置いている。ラジオ放送送信所以外にも名古屋高速道路の業務用無線やNTTドコモの中継局も置かれている。
なお名称である東山タワーは周辺住民や中京テレビ社員でも使うことは少ない。これは1989年に完成した東山スカイタワーと混同する可能性があるためである。
概略
タワーそのものの高さは162mだが、立地点の標高が65mあり合計すると227mと名古屋テレビ塔(180m)よりも高い。なおデジタル放送送信所である瀬戸デジタルタワーは立地点標高が108m、タワー自身の高さは245mで合計した高さは353mである。
送信アンテナは廃止された中京テレビが4L6段8面、テレビ愛知は4L4段8面を使用していた。FMラジオ局は2L2段1面・1段3面である。
中京テレビ本社移転に伴い発生した問題
2016年度に中京テレビの本社が名古屋駅近くのささしまライブ24地区に移転し、移転前よりその後のタワーの処遇について問題となっていた。
中京テレビとしてはタワーを解体したいのは山々だが、現実問題ラジオ局の送信所やドコモの中継局などが置かれているためおいそれと解体できない。2013年現在タワーの強度そのものに問題はないが、もし維持するとしても7年毎に塗装の塗替えが必要である。
付近の住民の間では「塔だけ残されても困る」という声が上がっていたが、外国語放送を行っているエフエムインターウェーブが、2014年春を目処に外国語放送局を名古屋で開局する準備を進め、2013年11月に予備免許を取得。この時、送信所を「名古屋市昭和区」に置く事が判明し、2014年3月東山タワーから試験電波を発射。そのまま同年4月1日正式開局した。
よって2016年の中京テレビ本社移転後も鉄塔だけが残されることになった。
以前東海ラジオとCBCラジオのFM補完放送をこの東山タワーから送信することも検討されていたようだが、結局は瀬戸市と岐阜県土岐市の境にある三国山から送信されることになった(ちなみにその三国山には、かつてRadio-iがあったが、閉局後解体されたので、新たに立て直している)。