東洋の西洋魔術師
とうようのせいようまじゅつし
東方紅魔郷においては『奇妙な魔法使い』と並んで霧雨魔理沙の二つ名として知られる。
魔理沙の所在する幻想郷は「 東洋 」にあり、魔理沙もまたこの「東洋」に生を受けた(『東方香霖堂』)。一方で魔理沙は「 魔法 」を志し、その研究には「西洋」で探究された「魔術」もまた含まれている。
また魔理沙が本二つ名を伴って登場した『紅魔郷』では魔理沙はまさに「 西洋魔術師 」である魔法使い、パチュリー・ノーレッジと出会っており、『紅魔郷』はパチュリーという「 東洋に至った西洋魔術師 」と魔理沙という「 東洋に在って西洋の魔法を探求する東洋の西洋魔術師 」がその出会いを果たした作品であるとも言えるだろう。
加えて『紅魔郷』自体が、「タイトルは東方なのに西洋のキャラクターが多数登場する」というギャップをコンセプトの一つとしているところにも本二つ名にみる二つの世界の対比を見ることができる。
魔理沙は今日の幻想郷ならではの「弾幕」を通した「魔法」の在り方も探究しており、以後の東方Projectの各作品において魔理沙が登場する度、東洋と西洋における智の蓄積が、今日の幻想郷に住まう魔理沙を通して新しいミックスとなって結実している様が描かれている。
魔理沙の「魔法」研究の成果としての各種スペルカードなどは「霧雨魔理沙」記事や「スペルカード」記事の「霧雨魔理沙」の項目も参照。
魔理沙の魔法研究は弾幕研究とも重なっており、魔理沙執筆によるグリモワール(例えば『グリモワールオブマリサ』)などの形でも結実している。
視点を変えて、魔理沙をはじめ、魔法使いたち以外に「 魔術師 」の要素について広く上海アリス幻樂団作品を見渡すとき、マエリベリー・ハーン(メリー)のテーマ曲である「魔術師メリー」などを垣間見ることができる。
ただし博麗神主によればメリーは「 別に魔術師ではない 」(『東方文花帖』)。
他方で大空魔術などでは「 Magician 」のデザインがメリーのスカートに象徴的に描かれているなど、メリーは時にシンボリックに魔術師的な要素を醸してもいる。