「うなり声」
「あれ」が撒き散らす粉末はもはや単純なアーツなどではない。非感染者をも感染させ、特殊感染者にしてしまうだろう。(ケルシー)
概要
メフィスト・歌う者はアークナイツの主に8章に登場する敵キャラクター。
白い怪鳥の姿をとり、羽ばたくこともできずに地を這う非業の怪物となって生まれ落ちた存在である。
正体
その正体は、六章で失踪したメフィスト。
信頼していたタルラに裏切られ、親友ファウストを龍門で喪った彼は、ファウストの部下である幻影射手達によってチェルノボーグのタルラの陣営へ帰還させられる。
(なおタルラの裏切りに気づいていたファウストは部下にチェルノボーグへ戻るなと言い含めていたが、ロドスと龍門に敗れ進退窮まるレユニオン残党達は本陣へ戻るしかなかった模様)
心神喪失状態のメフィストは無力と判断したタルラにも捨て置かれ、茫然自失のままチェルノボーグのある場所へとたどり着いた。
そこで、とある人物の秘密を偶然目にしていた彼は、ある装置の中に入って行ってしまう。その代償は大きく、以前の姿の原形をとどめないほどに彼の姿を変えてしまった。
心神喪失により記憶が混濁しても本来の望み「歌うこと」は覚えていた彼は、一番に歌を聞かせたかったであろう親友がもはやいない認識もできないまま非業の怪鳥として歌声を紡ぐ。
戦闘能力
移動は一定間隔で繰り返されるワープによって行われ、通常攻撃は攻撃範囲内の敵2人に術ダメージを与える。
敵ユニットの回復、ステータス補助能力を持った、生前の彼を彷彿とさせるヒーラー、バッファーのようなボスである。
しかし、一度一定のダメージをうけると源石成分を大量に含んだガスをまき散らし、味方全体に継続的な確定ダメージを与えるという厄介な性質を持つ。重複してガスが撒き散らされると、戦線が崩れてしまう可能性が高まる為、少しずつダメージを与えていく戦術が推奨される。
その後
ケルシーとドクターの指揮によるロドスの奮闘により、歌う者は石棺に封印される。
現時点ではメフィストは眠った状態で生きており、手術を施したケルシーによれば感染部位を取り除けば元の姿に戻るが彼の寿命はやがて……という状態になる。
死亡ではないためかゲーム中で得られるレユニオン幹部の本名が記された勲章にイーノの名は無い。
歌う者となった彼は記憶が混濁しており、メフィストというよりイーノの頃に戻ったような、幼い口調をしている。
メインストーリーで非道を繰り広げ、タルラ、ファウスト以外の幹部と仲の悪い様子があった彼とは違った面、レユニオンの仲間を友人として彼なりに慕っていた過去があったことが窺える。
家族から日々凄惨な虐待を受け、自身の生を否定され続けた結果、医療アーツに恵まれながらも己の命も他者の命をも大切にすることができなくなっていた彼が、ファウストの「メフィストに生きていてほしい」という言葉を思い出し、他者と己の命の大切さをやっとの事で認識するのは、あろうことか棺の中である。運命の悪戯か、今の彼は自身の死んでしまいたい望みと、ファウストのイーノに生きていて欲しいという望みが、みごとに折半された状態となっている。
ファウストが命をかけた(サーシャがイーノから手を離した)ことが結果的にメフィストをイーノに戻した点は、確かに奇跡と言えるかもしれないが……この結末が、彼らにとって少しでも救いのあるものであったことを願うばかりだ。