概要
演:大高力也(映画リング・リング2)、深川雄太(リング最終章)
鈴木光司による小説『リング』を原作とする映画作品シリーズにて登場する架空の人物。原作においてはリングの主人公・浅川和行の1歳半になる娘・浅川陽子であり女児だった。尚、彼女は浅川の妻とセットでそれほど重要ではない。
なお、本シリーズは続編タイトルである『らせん』や『リング2』を代表として、以降の展開が異なる、所謂「パラレルワールド」として時系列が枝分かれしており、特に本項の浅川陽一については以降の生死や超能力・呪いの有無など、その設定が大きく異なっている。
作中での動向
第一作目『リング(1998年)』にて初登場。
本作の主人公・浅川玲子(れいこ)と、その元夫・高山竜司(たかやま りゅうじ)の息子。当時小学生で、離婚後に親権をとった玲子と共に2人で生活している。
母・玲子は某TV局ディレクターで、当時は番組で使用する都市伝説の取材をしていた。そんなある日、母の姪(陽一の従姉妹)の大石智子が突然死し、母子揃って葬儀に出席。そこで玲子は、彼女とその友人合わせて4人が同日の同時刻に死亡し、共通して恐怖で歪んだような顔で事切れていたことを耳にする。また最近巷では、観た者を7日後に死に至らしめるという「呪いのビデオ」の噂があり、玲子は後日、智子たちがその7日前に宿泊した伊豆のリゾート地を調査に出かける。
現場の貸別荘にて不審なビデオを発見し内容を確認した玲子は、それが噂に聞いた「呪いのビデオ」であることを確信し、超能力者である元夫・竜司に協力を求め、呪いを解く方法を調査を開始する。「実際の映像を確認したい」という竜司のためにビデオをダビングするが、その過程で陽一もこのビデオを観てしまう。
(このとき陽一は、夢枕に立った智子からビデオを観るように言われたらしい。)
ビデオに一瞬映される新聞記事をヒントに調査を進めた玲子と竜司は、最終的にその呪いの発信源が、生前強力な超能力を持ち、その影響で周囲に多大な被害を生んだことで不幸な最期を遂げた「山村貞子(やまむら さだこ)」という存在だと思い至り、玲子のタイムリミットが迫る中、貸別荘の地下で映像の最後に映る古井戸と、そこに放置されてきた貞子の白骨死体を発見。玲子は7日目を過ぎても死ぬことはなかった。
ところがその後日、竜司が智子たちと同じような変死体として発見され、彼と陽一の呪いはまだ解けていなかったことが判明。「自分だけが助かったのは、呪いのビデオをダビングして他人に見せた」からであるという結論に至った玲子は、最愛の息子を殺させまいと、自身の父(陽一の祖父)にビデオをみせるために、車を走らせた。
らせん
父にビデオのダビングを観せた玲子だったが、陽一は貞子の呪いにかかり死亡。
車内で息子が死んだことに気付いた玲子は、錯乱して交通事故を起こし同じく死亡する。
後に玲子が助かった本当の理由は前作の事件中において貞子や呪いのビデオのことを記入したことで新たな呪いを生み出し、"貞子に協力した"からということが明かされており、ビデオのダビングを観せることは意味がなかったことがわかる。(なおこれは原作含め本作独自の設定である)
玲子の父が一週間が経つ前にビデオを処分して自殺したため呪いの解除が取り消しになったという可能性もあるが、劇中ではこの点に関して言及が一切ないうえ、陽一の死亡によって玲子が助かった理由が分からくなったという状況で物語が進んでいたため違う可能性が高い。
リング2
こちらではビデオのダビングを観せることで助かっており、玲子と共に身を隠していたが、恋人・高山竜司の死の謎を探る高野舞(たかの まい)の前に姿を現す。陽一の体には貞子の怨念が取り憑いていた。また、超常現象の研究のために苛烈な実験を行っている川尻医師が、陽一に(非人道的な)除去実験を行おうとするが、その際に陽一は暴走し、強力な念力で大牟田刑事を殺害。さらにその巻き添えで玲子をトラックで轢死させてしまう。
舞に連れられ逃亡し大島まで行きつくも、川尻の説得を受けて霊媒となった陽一から貞子の呪いを溶かし出す実験に参加する。しかし貞子の怨念は予想以上に強く、最終的に全員がその呪いに飲み込まれ、気が付くと貞子の閉じ込められていた井戸の中にいた。一度は生存を諦め井戸の中に落ちようとした陽一だったが、舞や父の霊に支えられ、最終的に彼女と二人で現実世界に生還を果たした。
リング最終章
上記同様に男児の陽一。ただし親にあたる人物は原作通り父親の和行なので、竜司との血縁関係はない。
ゲーム『Dead by Daylight』
2022年3月9日に公開予定のコラボDLC「貞子ライジング」にて新サバイバー(生存者)として成人した浅川陽一が登場。
両親の死後、成長した陽一は海洋生物学分野にて研究が認められ大学最年少教授になるまでに至るが、所属大学の学生が伊豆大島で行方不明になる事件を機に、かつて両親や他の知人たちを強力な怨念で死に至らしめた怨霊・貞子(同じく新キラー「THE ONRYO」として登場)の呪いが終わっていないことを察知し戦慄。その後は超常現象にまつわる研究に没頭するが、これまでとは専門外の分野を焦燥したように研究する姿を大学側から煙たがられ、ついには解雇されてしまう。
再就職先を探す中、奇しくも母の元勤め先から「研究成果発表の出版権」を条件に援助の申し出を受け、またこの頃から父の霊が陽一の前に現れ、助言やエールを受けるようになる。
協力関係を結んだ他の超常現象研究者から、先日の伊豆大島の事件と類似したスコットランドの失踪事件の話を聞いた陽一は現地に飛び、地元漁師の協力を得て事件現場の灯台のある海に漕ぎ出すも、灯台の点滅と合わせて突如発生した高波に攫われ海に投げ出される。曖昧な意識の中、陽一は灯台の上で手招きする父を追って階段を昇り、黒い霧と、口を開いた海の中に飲み込まれていった。