宮本武蔵玄信 推して参る。なんつって。
概要
本作のヒロイン。主人公の扇寺東耶と同じ高校に通うクラスメイトで、年齢は16歳。
学生の身分でありながら、学校にはほとんど登校しておらず、来たとしても制服すら着用せず、大抵は惰眠を貪っているという絵に描いたような不良少女。
しかし、学校側も生徒も誰一人彼女に注意することはない上に黙認している。その理由は特待生として招かれた剣道部を入部初日に廃部させた、夜な夜な辻斬りをしているなどの噂から非常に恐れられているからであり、好んで彼女に近付く者は誰一人としていない。
その正体は『偉人の杜』に所属するかの大剣豪宮本武蔵の廻り者。誰よりも才能に渇望していた東耶に廻り者、輪廻の枝、輪廻返りについて教授し、彼を廻り者の世界に誘った。
人物
その容姿は横文字の入る名前の通り、日本人離れしており、サイドテールにした灰色の髪に、灰色の目をした美少女。普段はフード付きのパーカーで特徴的な髪や瞳を隠している。
剣の達人として周囲から恐れられているが、本人は底抜けに明るく、親しみやすい人物。口調も掴みどころがなく、基本的に好戦的で、戦闘に愉悦を感じている描写さえある。また、人前で肌を晒すことにも抵抗がないようで、異性である東耶の目前で平然と着替えたりしている。
かつては捨て子であった過去を持ち、孤児院でもその変わった容姿からいじめられていた。そのため自分を拾い、親として慕わせてくれた父を今でも尊敬している。灰都はそんな父に恩返しをするために剣の道を極めようとするが、悲しいことに彼女には剣の才能がなかった。故に彼女は藁にもすがる思いで輪廻の枝に手を伸ばし、望んでいた宮本武蔵の才能を手に入れた。しかし、その才能は圧倒的で、立ち合いで父を怪我させてしまった上に道場も潰してしまう。恩を仇で返す結果となってしまった灰都は道場を飛び出し、廻り者として腕を磨いていくのだった。
そんな彼女の目的は完全な廻り者になり、父の道場を復興させること。そのために彼女は『偉人の杜』に入り、罪人格と戦うことで武者修行をしているのでる。
才能
輪廻返りをすると姿が変化し、元の灰髪灰眼の容姿から黒髪黒目の日本人然とした姿になる。
『歪二天礼法』
白刀『腹削ぎ』、黒刀『首刈り』という2本の刀顕現させて行う変則的な剣術。灰都のただ強くなりたいという執着から数多の流派の技を取り込んでおり、本来の二天礼法の技はほとんど存在しない。
『色屍(しきかばね)』
灰髪が最も多用する技。黒刀を眼前に構える独特の構えから放たれる、目にも留まらぬ速度で放たれる連続の斬撃。その詳細は、白刀による横一薙ぎを放った直後に黒刀での連続の攻撃を仕掛けている。作中ではいくつものバリエーションが存在している。
その鋳型となった流派は京八流 源義経の「柳十三断」。
『相抜』
死の重圧を刃として具現化させ、精神的な消耗や隙を狙うための技。この技は灰都本人にも作用するため、互いに動けなくなってしまう。
この技の破り方は『無我』や『無想』といった精神的な境地、もしくは『死への鈍感』が必要となってくる。
その鋳型となった流派は針ヶ谷夕雲の「相抜け」。
『一刀延鉄』
圧倒的な重圧を放ちながら繰り出される無限射程、不可視の斬撃。
しかしその実態は濃密な殺気をぶつけることで、強制的にノーシーボ効果を引き起こす技であり、斬撃を放っているわけではなく、対象がそう錯覚するのである。
その鋳型となった流派は真新陰流 小笠原長治の「八寸の延金」。
『百足』
灰都の強さへの執着が具現化した存在で、本人の意識とは別の人格を持っている。彼女が暴走する際には必ず出現し、時には身体の主導権を奪うこともある。
千手阿修羅灰都
罪人軍との戦闘で感情が爆発した結果変異した暴走形態。髪は白くなり、全身は漆黒に染まり、顔には骨のようなマスクが形成され、その名の通りいくつもの腕を持っている。全ての腕が刀を備えており、一本一本から必殺の斬撃を放つ。
カエサル曰く、この姿は輪廻の花弁の本質に近い。
扱う技は全て論理、物理法則すら無視して放たれるため、対策すら不可能。そのため、偉人格の廻り者すら歯が立たないほどの戦闘力を誇る。
『寂・一刀延鉄』
技の概要は一刀延鉄と同様だが、通常のものと異なるのは本当に斬撃を放つという点であり、これを受けたノストラダムスは一刀両断されていた。
『無住・相抜』
通常の相抜と同じく死の重圧を刃として具現化させる技。ただし、この技の発動中であっても灰都本人は動けるようになっており、敵の動きを一方的に拘束する。
黒灰都
アラン・スミシーから父の死亡を伝えられたことによって大きな精神的ショックを受け、暴走した姿。全身を百足で覆っており、常にこれらに締め付けられ全身には絶えず激痛が流行っている。
使用する技は通常の灰都と変わらない。