概要
世界的に高名な近代看護教育の母、フローレンス・ナイチンゲールの廻り者。
『偉人の杜』に所属するメインメンバーの一人であり、組織では主に回復役を担当しているヒーラー。実質的なリーダーであるノイマンの副官的な存在でもあり、前線、アジトを問わず彼女と共にいることが多い。
人物
その人物像は、前世の活動の通りに傷付いた他者に献身的に寄り添う心優しい看護師。
その容姿は長い前髪で目元を隠した美女。ただし、後述の才能を扇情的に行使したり、そして何より全身を包帯で包み、その上から看護服を着ているというあまりにも際どい衣装からノイマンに色ボケ看護師呼ばわりされているが本人に気にしている様子はない。
語尾を間延びさせるどこか気の抜けた話し方をしている。
才能
『癒の天使』
触れた対象の傷やダメージを回復させる才能。
その回復能力はかなり強力であり、ミンチになっていた状態の船坂を完治させるほどで、基本的にどんな傷も癒すことが出来る万能な才能。しかし、死者の蘇生は出来ないという明確な欠点も抱えている。
その正体
*ネタバレ注意*
概要
その正体は本作で起きた事件全ての元凶にして、『偉人の杜』を裏から掌握した黒幕そのもの。
その正体が露見したのは、『偉人の杜』と『罪人軍』の全面対決の終盤。ヒトラーの「ノイマンを妄信するな」という言葉に疑念を抱いたニュートン、アインシュタイン両名が拠点で待機していたノイマンに詰め寄った際、ニュートンを洗脳したことで事態は一変。その原因はナイチンゲールに治療されたことであり、彼女の本来の才能で『偉人の杜』を裏から操っていたのだった。
項羽の死亡後、偉人の杜及びノイマンをスケープゴートとして本来の目的の一端である『偉人類計画』を全世界に宣言し、3ヶ月の猶予を設けた。
人物
その人物像は看護師として『偉人の杜』に参加していた際とは打って変わって、その悪辣な本性を隠さないようになっており、もはや別人と化している。配下たちにもその態度は同様で、彼女は矢面に立たず、彼らに戦闘を行わせ、失敗した場合は容赦なく切り捨てる。
その目的は『この世の全ての安寧や均衡を崩す』ことであると公言しており、そのために偉人の杜に潜り込み、優秀な手駒を増やしていたのだった。
ただし、その卑劣とも呼べる性質をしているにもかかわらず、作戦の詰めは甘い傾向があり、戦力的に圧倒的に劣るはずの東耶達に付け入る隙を与えてしまっている。(東耶は敢えて見せているのではと読んでいるが)
その戦闘能力はあのアレクサンドロス=ノングラータですら警戒し、初めから全力で戦おうとすること。従えている廻り者たちや、後述の才能、さらにどれだけダメージを与えても復元する再生能力など全ての能力を総合すると、作中最強の一角。
本来の才能
『クリミアの赤い影』
彼女の才能『癒の天使』で治療された対象を強制的に隷属させる能力。ナイチンゲールはこの能力を駆使し、ニュートン、アインシュタイン、東耶、灰都以外のメンバーたちを自身の隷属下に置いており、ブレーンのノイマンすら彼女の操り人形だった。
この能力に支配された廻り者は首から散る花弁の色が赤色に変色するという特徴がある。
また、治療した傷の大きさや、位置、対象の強さによって隷属の強制力変化するようで、隷属されて間もない頃であれば治療された部位を切り離すことで解除可能。
『万物を殺す結晶(正式名称不明)』
本性を表した彼女が発現させた詳細不明の能力。テスラによると文字通り万物を殺すモノであるらしい。
恐らく、ナイチンゲールに根差した才能ではなく、彼女の肉体を乗っ取った人物に根差した才能であると考えられる。
『発火能力(正式名称不明)』
文字通り身体を発火させる能力。こちらの才能も結晶と同様でナイチンゲールのものではない。
アルベルトはこの能力を見た際、サナトリウムにいたルームメイトが使っていた才能と酷似していることに気が付いていた。
考察
その正体に関する考察として最も有力なものが、九尾の狐(玉藻前)である。
根拠としては、
- 世界の均衡を崩す→傾国の美女
- 腰から伸びる包帯の本数が9本であることが多い→九尾
- 万物を殺す結晶→殺生石
- 発火能力→狐火
- 空洞の中身→伽藍堂という言葉は狐に由来する。
などである。
作中ではノイマン、東耶がその正体に気が付きつつあるようで、その正体が正式に明かされる日も近いのかもしれない。