概要とあらすじ
『月刊少年ジャンプ』(集英社)にて1996年3月号から、増刊『月刊少年ジャンプ極上』2000年春号まで連載された。
いわゆる「ちょっとエッチな少年漫画」であり、『月刊少年ジャンプ』のお色気漫画枠を代表する一作。
未来のスター養成学校・マルチメディア学園で繰り広げられるお色気バトルを描く。覆面少女レスラー「ギリギリぷりん」が、卑劣なセクハラ教師や学園の雇った刺客達を華麗な関節技(サブミッション)で成敗するのが毎回の基本的な流れ。頻繁にリングコスチュームを破かれ切り裂かれておっぱいが零れるエロピンチ(を経つつも逆転勝利する)姿に、当時の思春期少年読者達は大いにお世話になったという。
作者の柴山薫は、2006年に「18禁ではないからこそ表現できるドキドキがある!」と掲げて創刊されたコミックヴァルキリーにも「あのギリギリぷりんの柴山先生」として名を連ねていたが、翌2007年に42歳で逝去しており、本作も長らく電子化が果たされていなかった。
主な登場人物
白鳥 萌留 / ギリギリぷりん
プロレスラー志望の女子高生。プロレス科を受験したものの、その美貌を目に留めた校長の一存により無断で芸能科に強制編入させられてしまう。
数々のセクハラを働く学園に対し、謎の覆面少女レスラーとして立ち上がった学園の「ヒーロー」。本人はリングネームとして「純白のサブミッションエンジェル・ホワイティスワン」を名乗っている。……が、第一話にていくつかの偶然の結果、武太から「ギリギリぷりん」と呼ばれてしまったのが完全に定着。以降、最後の最後までそう呼ばれ続ける事に。
格闘家としての実力はかなりのもので、その鍛え上げた肉体による関節技は、受ける側からは「痛いけど幸せ」と評判。「ギリギリ」と締め上げつつも「ぷりん」とした女体が密着する感触によって天国と地獄を同時にもたらす。
名前の由来は「燃える闘魂」から(※1)。
※1:単行本3巻おまけページより(54P)。
真田 武太 (さなだ むた)
入学初日に萌留と出会った熱血少年。正義感が強く、格闘家としても中々の逸材。だが健全な男子の本能ゆえ、肌も顕な女子生徒に気を取られて窮地に陥る事も。「ギリギリぷりん」の名付け親でもあり、学園の「ヒーロー」として戦うぷりんのサイドキック的存在としてその正体は知らないまま活躍を支える。
プロレス科からアイドル科に編入してきたという異色の経歴の持ち主であり、プロレス科ではタイトルホルダーでもあった(※2)。そのため同学年ながら実は萌留よりも年長。本人はむさ苦しさに嫌気が差したと語るが、「学園側がアイドル科にばかり力を入れ過ぎた結果、プロレス科は急速に弱体化が進んでいる」という事情も後に明かされるため(第12話)、抗議の意味合いもあったのかもしれない。実際、前述の強制編入からも校長がプロレス科を軽視しているのは窺える。
彼と萌留の間でのラブコメ要素も本作の物語を側面から彩り、終盤は本筋にも大きく関わってくる事に。
名前の由来はグレート・ムタ(※2)。
※2:単行本3巻おまけページより(100P)。
姫川 愛子 (ひめかわ あこ)
萌留の親友にしてルームメイト。アイドル志望の清純派メガネっ娘。立場上、ぷりんほどではないが結構な頻度でエッチな目に遭う。
バディ・内諏 (ばでぃ ないす)
芸能科の新任教師。名前の通りのナイスバディの持ち主で、バストサイズはぷりんを上回る。格闘家としてもぷりんに劣らない実力者。もちろん彼女もエッチな目に遭う。
変態教師揃いの学園において、ぷりんにとっては数少ない頼れる味方であり、もし彼女の活躍が無ければぷりんの正体が暴かれていたであろう回も。
校長
物語の舞台であり、芸能界のみならず政財界にも太い繋がりを持つマルチメディア学園。その校長。
何故か豹を模した覆面を常に被っているが、これは本人の趣味ではなく歴代校長は皆そうする伝統らしい。
毎回、あの手この手で学園の女子生徒達にエッチなイタズラを仕掛けてくるセクハラの化身。言うなれば「ヒーロー」であるぷりんに対し、セクハラ怪人軍団を率いる悪の首領である。読者にとってはぷりんを毎回エッチな目に遭わせてくれるありがた~い人にして性戯の味方。
基本的にぷりんには勝てないため情けない印象も強いものの、こんなんでも教頭からは慕われており、闘えば普通に強い疑惑もあったりと、話数が進むにつれて思わぬ一面も見せるようになる。