概要
2021年10月~2022年3月に放送されたアニメ王様ランキングで語られなかったスペシャルエピソードで、2023年4月~6月までに放送。
漫画の単行本書き下ろしエピソードはもちろん、アニメ本編の空白や最終話直後を埋めるオリジナルエピソード、更に漫画の第二部最序盤が描写された。
各話一覧
第一話
どちらも冥府でのエピソード。
カゲのおつかい
オリジナルエピソード。デスパーが顔のシミで不貞腐れたのでカゲは美容に良いキノコ「ハラハラ茸」を買うこととなった。
どこの店にもハラハラ茸は売っておらず、オッカナ森にあるものの、その森にはおっかない奴が居てそいつに捕まったら最後、そう簡単には逃れられないという。
野獣(声:藤原聖侑)に襲われていたお婆さん(声:久保田民絵)を救出したが、足を挫いた彼女から様々な雑用をやらされ、気づけばもう夜。
お駄賃代わりにパイを貰い、デスパーの所に帰るとパイは目的のハラハラ茸を使った物だと判明。更にハラハラ茸は野獣の背中に生えており、先程のお婆さんはハラハラ茸を採取できる数少ない人物で、ハラハラ茸目的の人を捕まえてはこき使う事で有名。店の人から聞いたおっかない奴とは野獣ではなくお婆さんの方だった。
王子とお金
原作は単行本8巻の書き下ろし。ボッジとカゲはデスパーから社会勉強を兼ね、働いてお金を稼ぐよう言い渡される。
カゲこそ役に立つものの、力が弱く耳の聴こえないボッジは上手くいかず。そこでカゲは「お手玉をボッジに当てたら金貨100枚。一玉銅貨10枚」というゲームを開催し、大金を稼ぐ。
そこに貧しい少女(声:近貞月乃)が名乗りをあげ、ボッジはカゲから「わざと当たるな」と釘を刺され、案の定少女は失敗してしまう。
二人は少女が病気の母と暮らしている事を知り、先程わざと当たってはいけなかったのも「楽に稼ぐ事を覚えたらこの先苦しむのはあの子自身」というカゲの考えからだった。
カゲは母子の事をデスパーに相談すると、デスパーは彼女が将来お金を返せるよう、少しずつお金を貸しつつ少女に勉強を教える事にした。
第二話
1期11話と12話の間の出来事。
荒野の獣
原作は単行本6巻の書き下ろし。デスパーとの修行を終え、冥府騎士団と共にボッス王国へと戻る道中での話。
今居る荒野では夜に現れ人を喰う魔獣が居るので、騎士団が見張りをするなかカゲは野獣を目撃。ボッジを起こしたのち人3人と民家を発見し、野獣に襲われないよう足を運ぶ。
家の中には怯える家族がおり、更に外を徘徊していた3人の男が入ってくる。
だが男達は盗賊であり、ボッジは部下1人を気絶させたがリーダー各の男に子供を人質にとられてしまう。絶体絶命の危機のなか一瞬の隙をつき、盗賊団から家族を救出した。
なお野獣の正体は寝ぼけていた隊長の影だった。
ふしぎな砂漠
その後砂漠にて砂嵐に巻き込まれたものの、オアシスに到着。
そこには謎の生物が多数生息しており、一同は生物と触れ合うがひときわ巨大な個体に襲われてしまう。
冥府騎士団をものともせず、ボッジにも弱点が分からない。そんな中ボッジに懐いた個体と親子である事に気づき、子供を返すとオアシスの全ての個体が突如現れた超巨大な個体に吸い込まれていき、ボッジ達も再び砂嵐に巻き込まれる。
ボッジ達が気づくと砂漠に戻っており、オアシスは消失。そして一同は砂漠を後にするが、ボッジに懐いた個体は砂漠に取り残されていた。
第三話
ヒリングの旧友
1期9話と11話の間のオリジナルエピソード。ボッスに身体を乗っ取られたダイダを救う事ができず、止むなく城を離れる事となったヒリングとドルーシ。
今は打つ手が無いので、ヒリングは旧友であるアンの元を訪ねる。
アンは仲間のドウが熱で倒れ、お世話になったザクニ村への恩を返すべく村を狙うドドン率いる山賊団を何とかしない限り村を離れられない。
なので夜明けに奇襲をかけ、一同は頭であるドドンと対峙。アンとドルーシの連携でドドンを下し、ヒリングはドドンの傷を癒しこれからは村の為に働くよう諭すことで事件を解決。
残るアンの二人の仲間を探しに村を後にした。
ダイダと魔法
ボッジとダイダの幼少期のオリジナルエピソード。母ヒリングのように回復魔法を使えるようになりたいダイダは母の下で修行に励むも、中々上手くいかず。
後日ダイダは兄を追う形で森に遊びに行くが天気が悪くなり、ふとした心のすれ違いでダイダは兄を突き落としてしまう。
ボッジは膝を怪我しており、ダイダは自身の魔法で治療に成功。更に魔法の余波で城の人々に気づいてもらえ、無事城に帰還。母からも今回の成功を褒めてもらえた。
第四話
不死と三兄弟
原作は単行本9巻書き下ろし。冥府の過去のエピソードで、当時の冥府の王サトゥンはオウケンの誕生に歓喜。
それから時が流れ、デスハー、デスパー、オウケンの三兄弟は父サトゥンに反旗を翻し、長い戦いの末にサトゥンはオウケンの不老不死を渇望しつつデスハーに討たれる。
そしてデスハーは新たな王に即位し、オウケンは副官フレンと共に新たな戦いに身を投じるが、不死身となったオウケンは次第に正気を失っていき、その異変はデスハーの知るところとなる。
オウケンを救うには魔神の首が必要とされ、それを聴いたフレンが姿を消したのち、オウケンは人々を手にかけるようになったのでデスハーは涙ながらに彼を投獄してしまった。
第五話
いずれもオリジナルエピソード。
冥府の掟
フレンは魔神の討伐をデスハーに出願するが、魔物は冥府の外に出てはいけないという掟を理由に断られてしまい、冥府を脱走。
フレンの昔馴染であるアバン三兄弟はフレンが処刑対象となった事を知り、デスパーの知恵を借りたのちフレンを狙う隊長を足止めすることとなる。
逃走も虚しくフレンは隊長に追い詰められ、アバンと共に致命傷を負わされ川に流されてしまったが、これはデスパーの指示のもとアバン達から事情を聞かされた隊長の芝居だった。
フレンは魔神の手がかりはボッス王国だと突き止め、デスパーに報告すると自らデスハーの元に出頭。既にフレンの処刑を聴いていたデスハーからは「フレンの名を騙った不届き者」と見なされ、冥府を追放された。
恋する白馬
デスパーの愛馬だが、主にしか従わない白王。騎士団では手に負えず太ってしまったので隊長は責任を取ろうとダイエットを決行。
白王は黒い馬に惚れてやる気を出し、元の体型に戻れたがその馬には既に妻子がおり、それが原因でリバウンドしてしまった。
優しき兵士ホクロ
ボッス王国の兵士ホクロの話。母の死後にボッジの優しさに触れ、ボッジに従事する事を夢見ていた。
ボッスの死後、ダイダが新国王に即位したのちボッジの旅の同行に名乗りをあげたが、ドーマスとヒリングからは実力不足を理由に断られそうになり、手話を交えて懇願することでヒリングの信頼を勝ち取った。
第六話
いずれも無印最終話(原作の第一部終了後)の直後のエピソード。
王になったボッジ
弟ダイダに代わり、ついに念願の王となったボッジ。王としての活動の一環でベビン、ホクロと共に城下町を探索し、困っている人々に手を差し伸べていくなかで飼い主とはぐれた小鳥のピッピを探すことに。
ボッジ達の健闘も虚しくピッピは見つからなかったが、ボッジと別れたカゲがピッピと出会い、カゲの後押しとベビンの手助けにより無事ピッピは再会を果たす。
更にベビンは人知れず部下の蛇にカゲを捜索させる。
ダイダ王の憂鬱
旅に出たボッジに王位を譲られ、再び国王に返り咲いたダイダの話。
近々王様ランキング審査員が城に来るので、ランキング上位を保つべくダイダは四天王と稽古に打ち込みつつ王の役目を果たすという多忙な日々を送る。
そんな中妻のミランジョがこっそり書庫に足を運ぶ姿が目撃され、老朽化した兵舎の建て替えを巡る問題も発生。
困っている民を助けていくなか、ベビンの案内でミランジョが裏で子供達に勉強や手話を教えていた事を突き止めたダイダはミランジョを先生とし、旧兵舎を学校に建て替える事に決めた。
第七話
薄ら笑いの蛇使い
原作は単行本3巻書き下ろしで、ベビンがまだ他の四天王と比べて実力が低かった頃。
ミツマタから剣術師範としてデスパーを紹介され、ベビンの実力を見たデスパーと隊長からは基礎力を見込まれたものの、これ以上の成長は見込めないうえ、真面目すぎる余り視野が狭いと評されてしまう。
しかし一点突破の重要性を解かれ、鉄を斬る剣技を習得した事でアピスに勝利し、四天王として頭角を表した。
そして時は現代へと戻り、カゲにデスパーへの紹介状を託すのだった。
四天王の宴
ダイダが兄から王位を譲られた後のオリジナルエピソード。
四天王はダイダから城の大改修の現場指揮管を任される事となったが、それぞれの対立を見かねたダイダはホクロに四天王のチームワークの改善を任せる。
ホクロは酒の席を設けたが、プライドの高い四人は中々一つになれず。そんな時ドーマスは腕相撲のチャンピオン(声:岩崎征実)の挑発に乗り、それぞれ謝罪と金貨100枚を賭けて勝負に挑む。
ベビン、ドルーシもチャンピオンに敗北し、アピスは3人が借りている金貨300枚を自身のリスクとし、勝負は一旦中断。
実はチャンピオンとホクロはグルであり、ホクロは予定通りチャンピオンに負けてもらうようお願いするも、目先の利益を優先したチャンピオンに断られてしまう。
そして最後はアピスの番。彼も一瞬で敗北かと思いきや、先に挑んだ四天王三人からのアドバイスを受けたアピスはついに勝利を収める。
そして城の大改修の件、側近から国の危機を聴かされた四天王はそれぞれの役目を告げていく。
四天王が一丸となれるのは、国に危機が訪れた時だと判明した。
第八話
カゲのあこがれ
原作は単行本10巻書き下ろしで、母とボー王国で暮らしていた幼少時のエピソード。
カゲは最強の騎士キョウに憧れる子供達に悪者として追い回され、更に国の名物である闘牛に遭遇。
子供のうち一人は腰が抜けてしまい、カゲはその子を逃がすも猛牛は目前。その時キョウは捨て身の突進で猛牛を吹き飛ばし、猛牛はその隙に取り押さえられる。
カゲは先程の行動をキョウから評価され、子供からは助けてくれたお礼と言わんばかりに剣を貰えた。
そしてキョウに憧れを抱き、立派な騎士になるという夢を持ち、その夜母は木彫りの馬の玩具を作るのだった。
偉大な母
ボッスとシーナの過去を描いたオリジナルエピソード。
魔神の契約で力を得るべく、子供を持つこととなったボッスはシーナと手合わせしたのち彼女と交際する。
そしてボッジが誕生し、ボッスは国を建国することに。
一方でシーナはパンを盗んだ女性を目撃し、彼女を止める。原因は父が怪我をして収入が途絶えた事を聴くと彼女を雇用し、パン屋の店主にも盗みは悪いことだが人そのものまで憎むなと諭す。
時が流れ、立派な城を構えたボッスの元に審査員が訪れ、王様ランキングの更なる順位の向上を促されるも、神の宝物庫の宝や世界一の強さを目的としないボッスはそれを望まず。
そして二人はボッジが将来立派な王になる事に想いを馳せるのだった。
第九話
ミランジョと魔神
原作は単行本で、幼少期のミランジョと魔神の子のエピソード。
当時のミランジョは心優しく、好奇心旺盛故に森に遊びに行っていた。
森の中で魔神の子と出会い、逃げ出した魔神を追いかけるも道に迷い、泣き出してしまう。
魔神は人の願いを叶えると醜い姿に変貌する事を知り、ショックの余りその場を逃げ出し今に至ったのだが、せめてミランジョを家に帰してあげたいと思ったのか彼女の手を引き、森の出口まで案内。
ミランジョは魔神との再会を約束し、家へと帰っていき魔神はそれを見届けた。
王子と宝物
ボッジが旅立つまでのオリジナルエピソード。
出発の日、ボッジは城の皆にお守りとして自身の宝物を渡していく。
ベビンにはミツマタの抜け殻、ソリーとサンデオにはそれぞれ人形を、アピスには鋭利な石、ミツマタには手鏡、ドーマスとホクロにはセミの抜け殻。ヒリングには鳥の羽根、ドルーシには牙、ダイダにはどんぐりを。
最後にミランジョに会い、両親の墓参りへと向かうボッジ。後からミランジョが墓前を訪れ、ボッジは彼女に水晶玉を渡すと伝言を頼まれる。
城の皆が見送るなか、ダイダの言葉を聞きボッジは旅立ちカゲと再会。ミランジョからの伝言でカゲに感謝の気持ちを伝えた。
第十話
剣王の復活
原作は単行本13巻で描かれた第二部の序盤。正気を失ったオウケンを元に戻すべく神の宝物庫へと向かったデスハーは、その奥地で魔神の子と出会うとデスパーと連絡を取り、オウケンが首を取り戻したのを見計らい、魔神に願いを叶えてもらう。
オウケンが普通の人間に戻れたのも束の間、デスパーは兄と連絡が取れなくなってしまった。
デスハーの行方不明の報を聞いたオウケンは神の宝物庫へと向かい、神(声:喜屋武知輝)と遭遇。
中にいた人影を守るためか、油断を誘い神を一瞬で仕留めたものの、デスハーは記憶喪失になり行方不明になったと確信。オウケン達は兄の捜索を続行するのだった。
一方ボッジとカゲはランキング下位のクヒャ国に到達。片足が不自由な謎の男が横切るなか、二人が宿に泊まったところで本作は幕を下ろす。
スタッフ
原作 | 十日草輔『王様ランキング』(KADOKAWA刊) |
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監督 | 八田洋介 |
シリーズ構成 | 岸本卓 |
キャラクターデザイン | 野崎あつこ |
サブキャラクターデザイン | 村田理 |
チーフ演出 | 渕上真 |
美術監督 | 金子雄司 |
美術設定 | 藤井一志 |
色彩設計 | 橋本賢 |
撮影監督 | 上田程之 |
編集 | 廣瀬清志 |
音楽 | MAYUKO |
音響監督 | えびなやすのり |
音響効果 | 緒方康恭 |
音楽制作 | アニプレックス |
音楽プロデューサー | 舩橋宗寛 |
チーフプロデューサー | 瓜生恭子 |
プロデューサー | 井上めぐみ、大島和樹、岡田麻衣子 |
アニメーションプロデューサー | 岡田麻衣子 |
アニメーション制作 | WIT STUDIO |
制作 | アニメ「王様ランキング」製作委員会(アニプレックス / フジテレビジョン / KADOKAWA / BANDAI SPIRITS / WIT STUDIO / 電通) |
音楽
OP「GOLD」
PEOPLE1。作詞曲はDeu、編曲はNobuaki TanakaとHajime Taguchi。
ED「あてもなく」
Aimer。作詞はaimerrhythm、作編曲は飛内将大、編曲は玉井健二、ストリングス編曲は室屋光一郎。
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