概要
『王様ランキング』とは、十日草輔による漫画作品、および同作を原作としたTVアニメーション作品。
マンガハックとニコニコ静画で公開され、KADOKAWAより既刊12巻(2021年12月現在)発売。
第一部(第1〜155話 / 第1〜12巻)が完結しており、現在は第二部(第156話〜)が連載されいる。
絵本のような絵柄で描かれる剣と魔法の世界で、とある王国の王位継承に端を発する静かな政争に翻弄されながらも、立派な王を目指す非力な第一王子・ボッジと、彼の味方でいることを誓った相棒・カゲの冒険譚。魅力的なキャラクターたちの交錯する思惑と、謎めいた世界観が徐々に明かされていくストーリーが特徴。
アニメ版は作者をして「私の漫画から飛び出した別物」と感嘆を漏らす、色彩豊かに躍動する冒険活劇に仕上がっており、視聴者からも"絵柄で敬遠するのは勿体ない作品"の好例として挙げられる。
ストーリー
王太子で、巨人の両親を持ちながらも、自身は体が小さく、短剣すらまともに振れないほど非力な王子ボッジ。
しかも耳が聞こえず、言葉が話せないボッジは、周りからは次期王の器ではないと噂され、どこか空虚な毎日を過ごしていた。
しかし、ひょんなことから心が通じる「カゲ」という友達を得て、人生が輝き始める。
登場人物
主人公
ボッス王国の第一王子。人を思いやる優しい心を持ち、ランキング1位の王様になることを夢見ている。
巨人族の両親から生まれながらも体格は小柄で、ショートソードすらまともに持てないほど非力。耳が聞こえず言葉も喋れないが、目のよさから読唇術を心得ており、人知れず周囲の嘲笑や侮蔑を受け止め続けている。
武器こそ持てないものの、身のこなしは抜群で、ヘビの集団や鳥の集団を無傷でやり過ごすだけでなく、冥府騎士団長との手合わせでも攻撃をかわしきる才を見せる。
「相棒」カゲ(CV:村瀬歩)
影状の見た目を持ち、暗殺業を生業とする影の一族の生き残り。上手く喋れないボッジの言う事を、初対面からなんとなく分かっている。
町外れで出くわしたボッジから高価な衣服を巻き上げてカモにしていたが、皆から陰口をたたかれても平気なふりをして我慢し、世界一立派な王様を目指すボッジの姿を目の当たりにし、「どんな時でもボッジの味方になること」を決意する。
幼いころから一人で生きてきたためか言動は少々乱暴だが、根は素直。料理はできるほう。
ボッス王国
ボッス王国の国王にして建国者。巨人族であり、その力と打たれ強さでモンスターを退け国王となった。亡き先王妃との間にボッジを、現王妃との間にダイダをもうけた。物語開始時点で病床に就いており、死期が近づく中で次期国王をボッジ王子とすることを遺言に残す。
その強大な力にはある秘密が…。
「第二王子」ダイダ(CV:梶裕貴)
ボッス王国の第二王子。ボッジの腹違いの弟で、身長も膂力も兄を上回る。見た目は母似。大の大人を負かすほどの剣術を身につけており、まだまだドーマスには敵わないが、強い王としての資質を示し始めている。
ボッジより優れているという自負がある反面、障害故に甘やかされている兄を羨む心が少なからずある。
母・ヒリングや重臣らに推され新国王となり、ボッスから与えられた「魔法の鏡」の謀略に賛同して体制を一新する一方、信念を曲げず入れ知恵をはねのける強さも持っている。
「王妃」ヒリング(CV:佐藤利奈)
ボッス王国の王妃にして、ダイダの母。巨乳。カゲが「ヒステリックボインババア」と罵るように、キツイ言動で冷酷な継母然として見えるものの、心から国や人々を思いやる人格者。先王妃の形見であるボッジを思いやるがゆえに、彼の行動を制限してしまう事も。
元僧侶で癒し(ヒーリング)の能力があり、ボッジや大切な人が怪我をした際には、とてもマズいマジックポーションに悶絶しながらも消耗の激しい術を使い続け、MP切れでぐったりしてしまう。
キツイ外見と言動から垣間見える善性と大器(ついでに美貌)で本作随一のギャップ萌えを醸し出しており、関連イラストに占める割合も少なくない。
「四天王:ソードマスター」ドーマス(CV:江口拓也)
反りの強い大剣を使う剣豪。騎士団の剣術指南役であり、ボッジの剣術指南担当。
ボッス国王に憧れて剣の腕を鍛え上げ、ソードマスターと呼ばれるまでになる。第一王子の剣術指南として意気込むものの、自身が扱う「力の剣」はボッジの非力さと致命的に噛み合わず、どう育てればいいか悩んでいる。ダイダと手合わせした事で彼の才能に惚れ込んでしまう。
「四天王:蛇使い」ベビン(CV:上田燿司)
フランベルジュを使う悪人面の男。諜報や警備を担当し、ダイダの剣術指南を受け持つ。ニヤニヤした笑いを浮かべ、何を考えているかわからない。ボッジ、ダイダのどちらにも傾注しているようではないらしい。
城内をうろついていたカゲを捕縛するのだが…。
「四天王:王の槍」アピス(CV:安元洋貴)
長槍を使う冷静な武人。常に表情が硬く、感情を表に出さないため「王の槍」と呼ばれる王のお付きとなった。
昔は才能にあふれるものの臆病であったが、あることがきっかけに今の自信ある硬い表情となった。
「四天王:王妃の盾」ドルーシ(CV:田所陽向)
王妃の護衛。トゲの付いた盾を使う。後ずさりしながらもボッス王の攻撃を受け切ったことからヒリング王妃の護衛に任命された。
初めは王の信頼を失ったために異動させられたと気落ちしていたが、ヒリング王妃の人柄に触れたことで新たな役目に誇りを持つようになる。重い金属鎧を着込んでいるため走るのが遅い。
ホクロ(CV:山下大輝)
ボッス王国の兵士。肉親の墓前で悲しみに暮れていたところをボッジに気遣われ、彼を慕うようになる。独学で手話を習得しており、ボッジが旅立つ際にはただ一人同行を志願した。
ソリー(CV:最上嗣生)
ボッス王国宰相。ダイダ派。
サンデオ(CV:利根健太朗)
ボッス王国法相。ボッス死後の投票でボッジに投票したため、ダイダによって罷免される。
シーナ(CV:本田貴子)
今は亡きボッス王国の前王妃で、ボッジの実母。夫・ボッスと同じく巨人族で、力自慢の女傑だった。息子に愛情を注ぎながらも、壮絶な最期を遂げる。
冥府
冥府の王。王様ランキング2位。異様に裂けた口と鷲鼻が特徴的な男。名君として慕われているものの容姿を気にしており、街中に建てられた自身の像も顔の部分を潰してしまっている。
「師匠」デスパー
(CV:櫻井孝宏)
デスハーの弟で、ボッジの師となる人物。それなりに色男。金品を目にすると興奮が隠せない俗っぽさを持つが、報酬の対価として指導や教練に手抜きはしない主義。カゲも呆れるほど弱いため、喧嘩をしようものならボコボコにされるが、確かなコーチングでベビンをはじめ数々の弟子を育ててきた。
その他
魔法の鏡(CV:坂本真綾)
陰でダイダに助言を与える謎の鏡。ダイダが王位に就いたことで徐々に別の計画を推し進めており、強さを欲する彼に甘言を囁く。アピスとは面識があるようだが…。
オウケン(CV:遊佐浩二)
魔法の鏡によって地獄から呼び出された魔剣士。過去に不老不死の力を得てから殺戮を繰り返す恐ろしい存在に成り果てた。
カゲの母(CV:豊口めぐみ)
カゲの一族の女性。ボー王国の暗殺者だったが、カゲを追手から逃すために戦い死亡した。
ミツマタ(CV:佐々木望)
頭を一つ失っている三つ首の巨大な蛇。まだ小さかった頃にボッジやベビンに助けられており、彼らを義理堅く見守っている。
審査員
王様ランキング協会の審査員。
ほか
アニメ
2021年10月からフジテレビ、関西テレビ、東海テレビ、サガテレビ、秋田テレビ、鹿児島テレビなど(ノイタミナ枠、ただし山陰中央テレビは3ヶ月遅れ)に加えてアニマックスにて放送されている。
なお、放送期間は半年間、連続2クールになるとのこと。
スタッフ
原作 | 十日草輔『王様ランキング』 |
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監督 | 八田洋介 |
シリーズ構成 | 岸本卓 |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 野崎あつこ |
サブキャラクターデザイン・総作画監督 | 河毛雅妃 |
副監督 | 今井有文 |
チーフ演出 | 渕上真 |
メインアニメーター | 大城勝 / 小笠原真 / 藤井望 |
美術監督 | 金子雄司 |
美術設定 | 藤井一志 |
色彩設計 | 橋本賢 |
撮影監督 | 出水田和人 / 上田程之 |
編集 | 廣瀬清志 |
音楽 | MAYUKO |
音響監督 | えびなやすのり |
音響効果 | 緒方康恭 |
アニメーションプロデューサー | 岡田麻衣子 |
アニメーション制作 | WIT STUDIO |
主題歌
OP「BOY」
King Gnu。作詞・作曲は常田大希、編曲はKing Gnu。
OP2「裸の勇者」
Vaundy。
ED「Oz.」
yama。作詞・作曲は泣き虫☔︎、編曲は浅野尚志。
EDアニメーションは福地明乃(Akino Fukuji)が担当している。
ED2「Flare」
milet。
関連動画
第1クール
Oz. / yama
第2クール
裸の勇者 / Vaundy
Flare / milet