――力を返せ。それがだめなら、あいつらと関わらない静かな所に…。
🗻概要
「用務員さんは勇者じゃありませんので」とは小説家になろうの投稿作品。作者:棚花尋平。
WEB版はまだ連載中。
MFブックスより書籍化全8巻。こちらは完結済み。
🗻コミカライズ
ピッコマにてコミックス電子版が連載中。フロンティアワークスよりコミックス1~2巻が発売中。
漫画:長田馨 キャラクター原案:巖本英利
🗻あらすじ
部分的学園異世界召喚ですが、主役は用務員さんです。
魔法学園のとある天才少女に、偶然、数十名の生徒・教師ごと召喚されてしまいます。
その際、得られるはずの力をとある生徒にぶんどられてしまった一般人の用務員さん(三年契約延長なし。三流私大卒業後就職に失敗、派遣や契約社員で食いつないできた25歳、用務員二年目、手取り月給12万弱)。
ぶんどられた用務員さんを不憫に思った神様に用務員さんが願ったことは……。
重厚な世界観で紡がれる異世界ダークファンタジー、ついに開幕!
🗻登場キャラクター
🗻主な登場キャラクター
用務員さん 支部蔵人(はせべ・くらんど)
勇者を召喚する魔法により、異世界への転移を一方的に告げられた学校用務員。
同じく召喚された生徒や教師ら七十八名とともに神から特別な力を与えられ、その力を頼りに厳しい異世界生活を勇者として生き抜いていく…はずだった。転移のさなか、あろうことか生徒に力を奪われてしまった蔵人は、誰の助けも得られず絶望の淵に立たされる。
現世から積み重なってきた理不尽に怒りが頂点に達した蔵人は、彼らとの決別を神に願い、ただの“用務員”として極寒の地に一人降り立つ。しかしそれは、新たな出会いと冒険の幕開けでもあった――…。
若き飛雪豹 雪白
雪山アレルドゥリア山脈へと降り立った用務員さんを迎えた飛雪豹(イルニーク)の親子の子の方。♀。
白幻とも呼ばれる母親が冒険者に狩られ、それ以来蔵人と1人と1匹で生きてきた。出会った時は子豹で蔵人よりも小さかったが徐々に成長、旅に出る時には蔵人よりも大きくなっている。
氷魔法に、冒険者のよく使う雷魔法対策で土を混ぜたものを使う。
🗻その他の人々
索敵の勇者 アカリ
本名: 藤城明里(ふじしろあかり)。ローラナの召喚勇者。敵意のある者を感知する加護『不安定な地図と索敵(レーダーマップ)』を持つ。
ローラナ主導の白幻狩りに大きく貢献した実績があるが、反応が不安定な加護なのもあって評価は高くない。貴族達に振り回される日々に嫌気が差している。
2回目の白幻狩りはアレルドゥリア山脈のあるドルガン主導で行われたが、蔵人の頼みで敵意の無かった雪白を捉えられず。冬眠中で敵意のない『悪夢』大棘地蜘蛛(アトラバシク)へと誘導されたドルガンの冒険者達を止められずチームは瓦解。その責任を負わされる。
白幻討伐に燃える貴族 ザウル・ドミトール・ブラゴイ
エルロドリアナ連合王国ドルガン議会旧貴族系議員の三男。中央政府のあるローラナを敵視している。これはドルガン人全体に言えることで、ある種の気質。歴史を紐解けば千年ほどある事情らしいが詳細不明。ローラナ、ドルガン、ブルオルダ、イングート、アド・アラニアの五つの地域は、二百年ほど前にエルロドリアナ連合王国となり、ローラナに中央政府を置いたが、ドルガン人のローラナ嫌いは風化せず残っている。
それが地元ハンターを差し置いて大物討伐の栄誉を持って行ったとなれば業腹というもの。
ローラナが召喚した勇者の力を借りるのも嫌だったがドルガン人のみでの討伐、もとい発見・追跡が難しいのも事実。アカリへの嫌悪と自尊心を隠さない振る舞いで山脈に挑むが…。
巨人種の英傑 マクシーム
連合王国専属狩猟隊『白槍』の隊長。マクシーム・ダール。三つ星ハンター。雪白の勝てない相手。
雪白の母親の討伐で先頭に立った。アカリの知り合い。
ドルガンの討伐チーム瓦解の責任を負わされたアカリを助けようと動いてくれた。その縁で蔵人のハンター協会への推薦者にもなる。
肉体強化を行うと全身から湯気が立ち上る。巨人種の特徴らしい。
先導者の女巨人 イライダ
『蜂撃』イライダ・バーギン。四つ星のハンター。女の巨人種。褐色の肌。鋭く精悍な顔立ち。ちりちりとした赤毛はライオンの鬣たてがみのよう。筋肉質であちらこちらデカく、黒革の装備は露出が多い。
三つ星セルロビになるための『巡国の義務』中、規約が変わり十つ星の新人だった蔵人には先導者をつけることになったところ、それに買って出てくれた。
支部長から厄介な依頼を達成した後、ご機嫌な酒の勢いでヤった。
『月の女神の付き人』の老エルフ オーフィア
『月の女神の付き人(マルゥナ・ニュゥム)』とは月の女神を信仰する女の駆け込み寺のような宗教団体。旅と狩猟生活を続ける。その取りまとめ側の老女エルフ。
ほっそりとした上品さのある見目。背筋はピンと伸び、シルエットの細い、深緑色のローブを着ている。
人種に精霊魔法を教えた歴史の人でもある。
アカリが巻き込まれた件に対してアカリの裁判までの保護に立った。
聖剣と精霊の勇者 ハヤト
一原颯人(いちはらはやと)。召喚の際、神の前で蔵人に与えられるはずだった加護を奪い、異世界へと降り立った。
その戦闘向きな強力な加護で魔物の軍勢を相手に戦い続けており、国から高い評価を受けている。パーティ『暁の翼(ペナントオブドーン)』を組み、一年で一つ星ハンターとなった。
人助けに精力的に動いており実際感謝する人も多いが、アカリからは勝手な人助けだと倦厭されていた。