田所君(洒落怖)
たどころくん
注意 決してホモうんことは一切関係ないので注意
イッチには田所君(仮名)の友達がいた田所君は怪談が抜群にうまかった。クラスのあだ名は怪談グレートしかし田所君の怪談は全て創作であった…がクオリティは凄まじく田所君が「これは僕が想像した怪談なんだけど」と一言喋るとクラスの同級生はみな静まり変えるほど
しかし田所君が創作でない怪談を2つほど話した
1つ目
「僕が話をするとき、なんで『これは僕の考えた話なんだけど』
って最初に言うか分かる?そういうとさ、
みんなは頭の中で『ああ、これは作り話だ』って思うでしょ?
実はね、これってすごく大事なんだよね」
いつもと違う語りに、みんな「アレ?」という表情を
していたのを覚えている。もちろん俺もその中に入っていたが。
そんな俺たちに構わず、田所君は続けた。
「『ことだましんこう』って考え方があってね。
字は言葉の霊って書くんだけど、意味はね、
すごく強い気持ちで言葉をしゃべると、その言葉が力を持つって意味。
たとえばね、たけし君(仮名、超ビビり)はよく冗談で
僕に「死んじまえー」って言うでしょ?でもさ、
たけし君が本当に本当に僕が嫌いで、憎くて、
殺してやりたいくらい恨んでたとするでしょ?
そんなたけし君が、僕に向かってそういう思いを
ありったけ込めて「死んじまえ!」って言ったとする。
そしたらね、たけし君の強い気持ちが言葉に引っ付いて
僕のところに来るんだ。そしてね、
その言葉が僕に届くと僕は死ぬんだ。言葉に殺されるんだよ」
この話を終えるとたけし君は失禁ものだった…クラス中は笑いながら「言葉で人は殺せねぇだろ」とツッコんだ
田所君はそのツッコみを予想してたかのようにこう語りかけた
田所君「そうならないのは、みんな本気じゃないからさ。
まあ、そういう考え方があるってこと。
それでね、この気持ちって言うのは、自分のものじゃなくてもいいんだ。
他の人の気持ちでもいいんだよ。だから僕はわざわざ
『僕が考えたんだけど』って最初に言うんだ」
イッチ含むクラス中ポカンとしていた
田所君は人形の話を再び語りだした
人形の話は人形を誤って口にし窒息死した子供がいてねんのためすべての人形を売却し人形の怨念が集まり子供を窒息死させる話である
田所君「僕の言いたいのはそこなんだよね。
もし『これは実際にあった話なんだけど』って言ったら、
みんなはどう思う?きっと、『うちの人形は大丈夫かな』とか
『うちに来たりしないよな』とか『捨てた人形が来たりして』とか、
不安になるんじゃないかな。だって、本当にあった話なんだもの。
みんなの人形がそうならないって、断言できないよね」
誰も何も言えなかった。俺たちの中に、一気に不安が噴出した。
え、あれ本当の話だったの?つーかグレートまじで言ってんの?
もしかしていままでの話全部実話なの?もう混乱のきわみだ。
「ああ、人形の群れは作り話だから安心してよ。
でもね、いまみんなが感じた不安な気持ち、
これが思いとなって僕の話に力を与えちゃうんだ。
一人とか二人とか、ソレくらいだったらきっとたいしたことない。
でも、何十人とか何百人とか、沢山の人が不安に思って
『本当に起こるかもしれない』って考えたら、
ソレが集まってすごく大きくて強い思いになるんだ。
その思いが、僕の怪談の『人形の群れ』に引っ付いたらどうなるか分かる?
それまでは僕の作り話だった『人形の群れ』が、本物になるんだ。
『本当におきるかも』っていう思いが強ければ強いほど、より本物になるんだ。
だから僕は、そうならないように作り話しかしないんだよ」
田所君の「創作ではない話」を聞いたイッチたちの心は一つであった…
「シャレにならない」。
そして数年後2つ目の創作ではない怪談が語られた
蓋の話
「ある小学生が、夏休みを利用して一人でおじいちゃんと
おばあちゃんが住んでいる田舎に遊びにいった。
田舎といっても寒村というわけではなく、それなりに栄えている町だ。
小学生は、自由研究で神社やお寺を調べるつもりだったので、
その町の神社などを回っていた」
「町外れの小山の上に建っている神社に行ったとき、
小学生はその裏手に何か妙なものがあるのを発見した。
木でできた蓋だった。直径150センチくらいの円盤で、
汚れ具合から見てずいぶん古いものだった。
手にとって見てみると意外なほど重く、かなりしっかりしたものだった。
厚さは10センチ近くあり、木の板を何枚も重ねて作ったもののようだった。
表は木目が分かるほどだったが、裏は何故か真っ黒に爛れていた」
「小学生は、蓋があるならこの蓋をしていた穴か何かがあるのでは、と思い、
周辺を散策した。しかし何も見つからず、
諦めて帰ろうとしたときにふと思い立って神社の社の中を覗いてみた」
「その発想は正解だったようで、社の中には同じような蓋が置いてあった。
祭壇の上に飾られており、周囲を幾重にも注連縄が張られていた。
何に蓋をしているのかどうしても気になった小学生は社の中に入り、
祭られている蓋に近づいた」
「しかし不思議なことに、蓋は祭壇に立てかけられているだけで
『何かに蓋をしている』わけではなかった。
余計に好奇心をくすぐられた小学生は注連縄をくぐり、蓋の裏手に回った。
すると、薄暗い中分かりにくかったが、
蓋とほぼ同じ大きさの金属の円盤が貼り付けられているのが分かった。
この金属板もまたずいぶんと古いもののようで、酸化して真っ黒だった。
銅か青銅のようだった」
その後少年は蓋に魅入られたようで四六時中蓋のことを考え夢にも出てきたようだ。夢の中では蓋を開けようとする少年。そして数日後夢の中でついに蓋を開けることに成功した。しかし穴から声が聞こえる…耳をすませると
「アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロアケロ
アケロアケロアケロ」
少年は夢に対しての恐怖は無かったそして少年は今なら蓋を開けられると思い神社に向かったその後行方不明になった
そしてその数週間後田所君は行方不明になった。クラス中は田所君はその蓋の話の怪談になったと