演:森口瑤子
概要
西暦2900年の月面にある巨大企業クロノス社にかつて所属していた人物。上級分析官としての腕を持ち、ゲームマスター月村の上司である高月から紹介されて協力する。
各種出番
逃走中におけるゲームのコマとして作り上げたアンドロイドを軍事転用する「ハンターX計画」が社内で進められていた。それを知った月村は、計画の全貌を突き止めようと独自に調査を進めるが、そこで高月の紹介により登場。月村の母とは旧知の仲であり、分析官としての腕前と権限を活用して計画を解析。そして、社内の総裁自ら行っていたことを月村に教えるに至る。
さらに調査を進めることにより、月村のネットワークに高月が独自に侵入していたことまで明かす。月村にとっては上司が自分のネットワークに不正侵入していた背景を疑い、計画に関与していることを疑わせたが···?
正体
意味深な発言がちらほら見える彼女は、実はクロノス社の総裁本人である。正体を隠して高月に近づき、月村と高月の内部分裂を狙っていた。当然ながらハンターX計画に最も関わっていたのは彼女であり、有明・望月などといった計画賛同派を部下に持つ(他にも賛同者がいるかどうかは不明だが、ラストミッション編では一部の警備員に総裁の息がかかっていることが判明している)。
ハンターX計画を考えた理由は、月面の狭いコロニーでは領土を巡って戦争が起こっているため対抗力が必要と感じていること、そしてコロニー自体の狭さからこのままでは人類自体がこの月面で生き延び続けることができず自滅してしまうことを懸念したことだった。
あくまで計画に反対する月村の目的が「子供が遊べる土地を確保する資金集め」だったことから、皮肉にも対立する両者の目的が「土地の確保」という点で共通したものになっている。純粋な科学者である月村とは違い、外の情勢にアンテナを張っているであろう総裁は、厳しい現実をいくつも見てきたことは想像するに難くない。そして、月村の甘さにほとほと呆れながらも、計画に協力するよう勧誘する。
しかし分断作戦で対立させられている事を知っている高月の機転で月村と協力されてしまい、総裁の息がかかっていない警備員に包囲され反逆罪で警察に引き渡された。それでも、「自分の計画に賛同する者が現れてこの月を支配するだろう」と話しており、自分の事よりもコロニーの未来を考えていた利他的な一面を強く覗かせるシーンも。
とはいえやることはキッチリやる辺り、腐っても総裁。警察に引き渡され連行されている最中、ピアスに仕込んだリモコンで戦闘メカを起動させ、自爆アタックで月村を(物理的に)始末しようとした。···が、それでも月村は治療の末助かった辺り、ある意味では境遇に恵まれない人物と言える。
自分のあとを継ぐ賛同者のためを思って、ハンターX計画による反逆罪を1人でかぶり、部下を全員逃がしている。このことは有明に心の底から感謝されており、この計画をいい意味で「夢」と有明に語らせる辺り、カリスマもかなりのものだと思われる。