米越関係(べいえつかんけい、英語:United States–Vietnam relations、ベトナム語:Quan hệ Hoa Kỳ – Việt Nam)は、アメリカ合衆国とベトナム社会主義共和国の国際関係の事である。両国関係は歴史的に複雑で正と負の往復を繰り返してきたが、現在は温かい外交関係を共有している。それは政治的正常化の年月を経て深化・多様化し、人権と地域の安全保障に関する政治交流と対話を定期的に拡大してきた。2000年7月に両国は貿易協定を締結し、2001年12月にこれを発効させた。
1950年2月に外交関係を樹立し、同年10月にドナルド・リード・ヒースが最初の駐ベトナム大使となった。アメリカは第2次世界大戦中にフランス領インドシナで、日本軍と交戦するベトミンを秘密裏に支援したが、正式な同盟関係は確立されなかった。1954年7月にフランス領インドシナが解体された後、アメリカは南ベトナムを支持して北ベトナムと直接交戦した。
1975年4月に南ベトナムが陥落した後、同年5月にアメリカは貿易禁止措置を適用してベトナムとの外交関係を断絶した。これは主にベトナムのボートピープルと、ベトナム戦争の捕虜・行方不明事件に関する懸念からであった。1995年7月にアメリカのビル・クリントン大統領が外交関係の正常化を開始するまで、それを再び確立する事は何十年もの間実現されなかった。1994年2月にアメリカはベトナムに対する禁輸措置を解除し、1995年8月に両国は大使館と領事館を設立した。
1995年7月以来全てのアメリカの大統領は少なくとも1回はベトナムを訪問しており、アメリカのアジアに対するピボットの高まりにおけるベトナムの重要性を強調している。現在のベトナムは特に南シナ海における領土紛争と中国の拡張主義の封じ込めという地政学的な文脈において、アメリカの潜在的な同盟国であると考えられている。アメリカに対して最も好意的な世論を持つ国の1国であるベトナムは、そのような好意的な見方を持つ唯一の社会主義共和国である。