概要
ゲーム『シェルノサージュ』に出てくる、女性と思わしき人物の名前。
ネィアフラスクなどの台詞に度々登場する。テキスト上のみの存在で、その正体は物語終盤まで明かされない。ネィアフラスクからは強い憎しみを向けられており、各々の描写から物語に深く関わる重要人物であることが窺える。
関連項目
以下、サージュ・コンチェルトシリーズの核心に迫る重大なネタバレが含まれています。
初見プレイの楽しみを損なう可能性が極めて高いため、未プレイヤーは戻ることを推奨します。
正体(ネタバレ)
CV:加隈亜衣
サージュ・コンチェルトシリーズの根幹に係わる重要人物。
および、小説「ゆきねライフロギング!」の主人公。
そして本シリーズのヒロイン、イオナサル・ククルル・プリシェールの正体である。
イオンは序盤のストーリー(記憶の世界)で正統な天文皇女と説明され、本人もそのように振舞っていたが、実は別の世界(次元)から連れてこられた全くの別人である。複雑な経緯から、天文のために皇女のフリをして働くことを強要されていた。本物は・・・。
ファンからの愛称は「寧ちゃん」。
公式生放送では「結城寧さん/寧さん」とどこか他人行儀に呼ばれていた。
概要
ゲームの舞台となる惑星ラシェーラは、太陽の膨張により崩壊の危機に瀕していた。ラシェーラを支える二大派閥である天文と地文は早急にその対策を立てるよう迫られていた。
天文は過去の研究から宇宙には次元の概念があり、別次元にも世界が存在すること、そこから召喚された人物は人知を超えた超常的な力(作中では「俯瞰視点」と呼ばれる)を持つことを掴んでいた。俯瞰視点を使えば宇宙上の遠く離れた惑星の位置や、居住の可否を突き止めることができ、天文はそれを利用した別惑星への移住計画を企てていた。
(異世界モノによくある、転生者特有のチート能力と言えば分かりやすいか)
その計画のために選ばれ、ラシェーラへと召喚されてしまったのが、別次元の惑星アースに住む少女・結城寧である。天文の罠によって精神だけラシェーラに転送され身体は置き去りという特異な状態となり、上述の通り「俯瞰視点」を得て絶大な威力の詩魔法を発動することができるようになってしまった。召喚先では天文によって様々な自由を奪われ、元の世界へ戻すことを条件にその力を天文のために使うよう強要されていた(シェルノサージュ序盤の振る舞いがそれ)
その後の顛末はイオナサル・ククルル・プリシェールを参照。ゲーム開始時点のコミュニケーションパートでは、イオンは自分が結城寧であることを忘れており、記憶の世界(回想パート)を中盤まで進めることで思い出す。
サージュ・コンチェルトシリーズにおけるプレイヤーの目的は、この結城寧を元いた世界に帰すことである。『シェルノサージュ』では端末を通じてイオン/寧と絆を結び、『アルノサージュ』ではロボット兵器・アーシェスを操作して彼女と共に宇宙船ソレイルを巡る陰謀に立ち向かって行く。
拉致された経緯については『アルノサージュ』ではゲネロジックマシンという機械を製作したこと、拉致されたのは寧の自業自得であることなどが話の合間に語られていたが、詳しくは明かされなかった。後に小説版で詳しい顛末が明かされた(後述)
拉致されたのは4月21日、この日は公式・ファン双方の間で記念日として扱われている。
容姿
容姿はイオンと瓜二つだが、寧の方は茶髪で瞳の色もブラウンになっている。
『シェルノサージュOFFLINE』では、アースで着ていたというブレザー型の制服「メモリア」が実装された(イラスト左)。また同作では髪色を茶髪に変えられる。
『アルノサージュ』のレナルル及び白鷹のジェノメトリクスでは、寧としての設定が深く掘り下げられるのだが、このエピソードでは当時の私服をイメージしたと思われる衣装「うめももさくら」を着ていた(イラスト右)
ファンの間では上記二つが寧を象徴する衣装として認識されている。
人物像
アースでの振る舞い
我々(プレイヤー)の住む「地球」とは別の、いわば並行世界である惑星「アース」出身。小説第2巻の時点では大学一年生で年齢はおそらく18~19歳。家族構成は両親と自分、妹(結城綾)の四人。出身校は私立連明学園。
趣味は機械いじりで、機械工作全般に強いが特に真空管に対しては並々ならぬ情熱を注ぐ。
得意科目は物理と数学に家庭科で、特に電子工作関係の知識や技術はプロの専門家並。独学で人工知能ロボット「みーちゃん」および「ゆめきち」を作成しているほか、波動科学の話題にも普通についていける程。しかし運動神経は壊滅的で、社会科と並んで体育が苦手な科目となっている。
文武両道を地で行く優等生の妹と比較されながら育ち、趣味の機械工作にも「女の子らしくない」というレッテルを貼られていたため、家庭ではいつも肩身の狭い思いをしていた。しかし真紀、小夜という高校時代の同級生や、ご近所さんである瀬尾夫妻など、寧の趣味や性格に理解を示す友人知人もおり、決して孤独な訳ではなかった。家族仲も大学入試を機に改善された(結城綾の項を参考)
エクサピーコED後は無事故郷への帰還を果たし、元の日常へと戻る。しかし「プレイヤーに会いたい」という新たな夢ができたようで、それを果たすべく次元の研究を始めたことが連動Webサイトのボイスメールで語られる。
もしも彼女がラシェーラへと拉致されずに普通に人生を送っていたならば、少々引き籠りがちな暗い性格のオタク少女で、機械いじりも趣味程度であったらしい。しかし小説版の描写を見る限り、明らかに趣味レベルを超えている。
ラシェーラ/ソレイルでの振る舞い
良くも悪くも優しすぎる人物として描かれている。ただ『アルノサージュ』では「ネロを止める」という覚悟を決めているため、多少の武力行使は厭わなくなっている(とは言え基本、対話を好む)
ラシェーラ/ソレイルの人々は寧にとって「加害者」のはずだが、特に作中でそれを責めるような描写はなく、第一幕では詩魔法で市民を救い英雄になっていたほか、ター坊やネィアフラスクといった仲間達とも良い関係を築いていた。ネィアフラスクの正体が「本物のイオナサル」であることを知った際には酷く動揺したが、お互いの怒りも友情も本物だとして和解した。
無論、自分を貶めた天文には激しい怒りや憎しみを抱いており、レナルル関連のエピソードでもそれが語られるが、性格上誰にも打ち明けられず悩んでいる。『アルノサージュ』ではプレイヤーがその気持ちを受け止めることになる。
同じ「被害者」であるネロについては、自分と同じく元いた世界へ帰るべきだと思っている。当初は二人で協力し合おうと柔和な態度を見せ、ネロもそれに応じ一時共闘するのだが、天文の身勝手な行動が原因で二人の関係に亀裂が入り、『シェルノサージュ』の最終局面で裏切られてしまった。
故郷への想いは忘れていないが、ラシェーラやソレイルの人々を見捨てて帰ることはできないとして普段は気持ちを隠している。通常EDでは帰還を諦めイオナサルとして生きることを決める。エクサピーコEDでは故郷への想いが蘇り、周囲の後押しもあってアースへ帰還することを選ぶ(”エクサピーコの意思”なる神秘の力で帰還できたらしい)
キャラ人気
イオンと同一人物であること、『シェルノサージュ』でプレイヤーの恋人orパートナーになることから、隠しキャラであるにもかかわらず人気度はイオナサルと並んでトップとなっている。
物語の都合上、寧は作中世界においては「異物」で(仲間こそいたが)孤立しており、同じ立場であるネロには裏切られて記憶消去・軟禁されていたため、誰も頼れる相手がいない状態であった。そんな中で事情は知らないものの、軟禁されていた世界で孤独を感じていた寧の話相手になり、事情を知った後も最後まで味方してくれたプレイヤーは彼女にとって唯一の理解者/希望となっている。
一方のプレイヤーも、最初はどこにでもいるヒロインという印象だったはずが『シェルノサージュ』を通じて寧の事情を知り、(予定調和だが)お互い好きになり、そして寧のために『アルノサージュ』で戦うことを決めるので、ゲームクリアする頃には寧は運命の相手/自分だけのヒロインとなっている。
そのためサージュコンチェルト両作をやり切ったプレイヤーは、大体が寧のことを好きになり、一方の寧もプレイヤーのことが好きで会いたがっていることが各媒体で語られるので、シリーズ展開終了後に各所で熱狂的とも言える愛が掲げられるようになった。
公式サイドもそういったプレイヤーの心情を理解していたのか、公式グッズを出す際には「イオン/寧があなたのために作ってくれた」という体にし、各者の抱く世界観が崩れないよう最大限の配慮をしていた。特に107,360円のイオンお手製・ニシキー管時計は、公式サイドの異常な熱意と狂気っぷりからファン内外で大きな話題となった。
イオン役の加隈亜衣女史も、公式生放送に出演する際にはわざわざ「イオンのお友だちの加隈亜衣です」と言い、イオンがキャラクターでないことを強調していた。
サージュコンチェルトシリーズの展開が完全に終了した後も、毎年のようにイオン/寧のグッズが生産・販売されている。『ライザのアトリエ』が大ブレイクして人気が集中した時でも、変わらずグッズが生産されていたと言えばその優遇ぶりが伝わるだろうか。ガストの歴代キャラが並ぶ公式カレンダーでも常連になっている。
小説において
小説版はサージュ・コンチェルトシリーズの前日譚となっている。
第1巻
時系列は高校時代で、平行世界の自分「ユーキ」との出会いをきっかけに、別次元を巡るトラブルに巻き込まれる様子が描かれる。第1巻はオリジナルキャラが多数登場するためサージュ本編との繋がりは薄く、日常系アニメのような印象が強い。
第2巻
時系列は大学の入学式より少し前で、寧が拉致された経緯が描かれる。物語開始時点では大学に向けた準備のため賃貸で一人暮らしをしている。この作品ではアルノサージュDLCに登場した寧の家族や知人が総出演するほか、物語後半はサージュ本編とリンクする。
上の通り、この作品で拉致された本当の理由が明かされた。ネット上で”謎の設計図(ゲネロジックマシン)”が話題になっており、本来であれば理解不能として気にも留めないところ、寧は持ち前の機械知識からそれが高エネルギー発生装置だと分析できてしまい、自分のロボット開発に役立つと思い夢中になって解いてしまった。なおこの設計図を流したのは天文で、これを解ける人物=イオンの代替という罠だったので、寧は被害者であり拉致されたのも彼女の自業自得ではない。
同様に、ラシェーラへの拉致には『アルノサージュ』でプリムを操っていた「黒幕」が一枚嚙んでいたことも明かされた。その「黒幕」は寧の妹・結城綾を利用し、様々なトラブルを起こして寧を事故死させようとしたが、寧の知人達やロボット・ゆめきちによって悉く阻止され、全て未遂に終わった。どうやら寧が将来ラシェーラでウルゥリィヤ(ネロ)の障害になることを危惧し、事前に排除しようとしたようである。
第2巻:初回特典エピソード
時系列はアルノサージュ・エクサピーコED後で、惑星アースで意識を取り戻す場面が描かれた。ほぼ時間は経っておらず、「黒幕」の襲撃で負った怪我も治っていた。寧は自分の無事に安堵し、今まで守ってくれたプレイヤーとゆめきちに感謝を伝える。
(この後、連動Webサイトで見れる結城寧からのボイスメールに繋がると思われる)
関連人物
ユーキ
小説第1巻に登場する寧と瓜二つの人物。身長は寧よりやや高く、髪を後ろで束ねてポニーテールにしている。髪留めはどこかイオナサルっぽく見える。同性愛者でセーカーというパートナーがおり、二人で次元の研究をしている。
ある日、死後の世界である「黄泉次元」との交信を試みたのだが、事故で寧のいる次元へと飛ばされてしまった。途方に暮れていたところ、紆余曲折あって寧やその知人達に助けてもらい、共に帰還方法を模索していくこととなった。
物語の最後で元いた次元へと帰っていくが、去り際に寧に対して「もし困難にぶつかっても、仲間との絆を信じて克服して欲しい(要約)」とメッセージを残した。
國政領火(レイカ)
『拡張少女系トライナリー』の登場人物。キャラデザの違いもあり外見はそこまで似ていないが、寧との共通点の多さから当時のプレイヤーの間で話題となった。関係性は不明だが、小説版のユーキのような並行世界の存在ではないかと考察されている。
年齢は推定26歳。ここから逆説的に「寧が大人になったらこんな姿」と想像するプレイヤーもいるようだ。
なお恋愛対象にできるのは妹の方である。また同作はもうサービス終了している。
- 茶髪ロング
- 妹(國政綾水)がおり、こっちは黒髪ロング
- 科学と工作が大好きで研究者になった
- 自作ロボ・にゃボットを連れ歩いている
- 次元について言及する
- 台詞「コーンコン」
もっと詳しい内容は有志Wikiなどを参照されたし。