人物
陸軍の若き軍人。華族である綾小路家の子息でもあり、紅椿夜行のことを敵視している。
皇都で夜行と彼の花嫁となった白蓮寺菜々緒に遭遇した際には夜行が婚姻を結んだことを信じていなかったが、紹介された菜々緒の美貌に動揺した様子を見せている。(漫画版)
第二部以降ネタバレ注意
その後、斎園寺しのぶの従兄妹であることが判明。
(夜行への態度は軍と陰陽寮の関係性だけではなく、しのぶとの婚約破棄も影響していると考えられる。)
夜会で妖が出現した騒動後にしのぶが婚約者で夜行の兄である紅椿鷹夜との婚約を破棄し、再び夜行と婚約をしたいと言い出した際には彼女の唐突な発言に驚きを隠しきれなかった。
祖母である綾小路香代がある日、菜々緒に介抱されたことがきっかけで彼女と再会し、動揺をした様子を見せていた。
(香代は白蓮寺家の血を引いており、菜々緒とは遠縁の親戚であることが判明した。)
そんな中で霊力が高いことが香代によって明かされたことで同じく霊力が高い菜々緒から共感をされ、身体への負担を案じて労れたりと彼女の人柄の良さに感銘を受けた。
茶会でしのぶが夜行との婚約が進んでいるという嘘を人々に言いふらしていた際には香代と共にその場に乗り込むと香代がしのぶの行動を非難し、夜行を諦めるように諭すのを静観をしていたが「スキャンダル記事を書かせたことによって紅椿家から怒りを買った」と告げられても「向こうは何も言ってこない」と楽観視をして反論をする浅ましい彼女に対してついに業を煮やし、「まったく相手にされていないだけだ!」と怒鳴りつける。
そして、自分たち華族は陰陽寮の恩恵を受けている身にもかかわらず、彼らの名誉を踏みにじるともいえる身勝手な行為をしたと指摘する。
だが・・・
「菜々緒さんって──────」
「額に大きな傷があるそうよ。妖に拐われ傷つけられた傷だとか」
「そのせいで"傷モノ"と呼ばれて両親にも見捨てられたのですって」
「お猿さんのお面をつけさせられ虐げられて」
「しゃべることすら禁じられていたとか」
香代から「紅椿家の妻にふさわしくない」と断言されてもしのぶは自分の立場が悪くなっている現実を受け入れられず、作画崩壊といえるような歪んだ表情をしながら菜々緒の立場が悪くなるように彼女の過去を暴露し始め、その内容に驚愕する。
「そんな曰く付きの娘、どう考えても夜行様の花嫁にふさわしくないでしょう?」
「論外も論外です。そんな娘より私の方が───」
「お黙りなさい!!」
菜々緒の素性に戸惑い始めた令嬢たちの様子を見て優越感に浸ったしのぶは調子に乗り始めると菜々緒を「論外」だと嘲笑をしながら侮辱し続け、香代の怒りを買ってしまう。
そして、「越えてはならない一線を越えてしまった」と言い渡され、呆然とする彼女に対して菜々緒の悲惨な境遇を知った香代と共に悲痛な表情を浮かべながら菜々緒が病院にいた理由を理解した。
香代がしのぶが見舞いに来なかったことを指摘し、それに対して彼女は妖を理由に見舞いに行けなかったと言い訳をするも陰陽寮の人々を自分の娯楽のために無理やり連れ回していたことを知っていると明かした上で菜々緒のことを「人の痛みの寄り添える」、「あの英雄が菜々緒さんに惚れ込んだのもわかる」と悲惨な境遇だったにもかかわらず他人を思いやることができる慈悲深い菜々緒の人間性を評価し、さらに感銘を受けていたことを明かした。
だが、しのぶは引き下がらずに苦しい言い訳をするが香代から自己中心的な思考を「見苦しい」と断言され、さらに「自己顕示欲の化け物」と一蹴されてしまった。
その後、夜行と蓮太郎がいる部屋に入室するといきなり土下座をして、しのぶの無礼な行動を謝罪をした上でしのぶが菜々緒を調べ上げて「傷モノ」だと暴露したとを明かした。
当然のごとく夜行は激昂し、責められるが香代によって既に箝口令が敷かれていると告げる。
それでも暴露されたことに激怒した夜行はなんとしてでもしのぶを引きずり出して謝罪させようと息を巻いていたが、しのぶが部屋からいなくなったと使用人から報告され、彼女の部屋に駆けつけると隠し通路を発見する。
しのぶが皇都の一般人まで巻き込んだ騒動を起こすと遅れながらも陰陽寮の面々と共に現場に赴き、しのぶを連行した。
余談
菜々緒への好意
藤丸豆ノ介のXでの漫画版19話更新のお知らせの一コマにて微笑んでいる香代から「人妻はダメですよ?」と言われたことに「そんなこと分かっておりますが!?」と否定しつつも顔を赤くして動揺していたことから菜々緒に惚れている可能性が高い。