運命に翻弄される弱者の立場に嘆いた少年は…やがて「力」を欲するだろう…
其れは…強大な力から身を守る為の「楯」か?其れとも…より強大な力でそれをも平らげる「剣」か?
概要
正式タイトルは、『少年は剣を…』版が「緋色の風車~Moulin Rouge~」で
『Roman』版が「緋色の風車」となる。
『少年は剣を…』に『Roman』に先行する形で収録された。
前者ではところどころに英単語が入っていたが、後者では舞台に合わせてフランス語となっている。
突然襲撃に遭い、“僕”は一番大切な“君”の手を引いて逃げる。
森の中に隠れ潜むも襲撃者に見つかり、引っ張り上げられた“君”を置いて“僕”は逃げてしまう。
「見えざる腕」に登場した復讐者ローランサンの動機となる物語であろうとうのがファンの間での通説。
ただし、それは『Roman』収録の方であり、『少年は剣を…』収録の方はどういう位置づけなのかで解釈は分かれている。
漫画版Romanではかなりオリジナルに掘り下げられており、二人の歩み寄りから「見えざる腕」で復讐を終えた後の、さらに生み出してしまった新たな復讐劇の顛末までが「緋色の風車」のエピソードとして描かれている。
pixiv内では漫画版のローランサンのビジュアルを用いたイラストと、『少年は剣を…』の“少年”のビジュアルを用いた両方のイラストが存在している。
登場人物
・僕
『少年は剣を…』版では“少年”、『Roman』版ではローランサンというように分けて描かれることが多い。
漫画版では「天使の彫像」に登場したオーギュストの息子という解釈で描かれている。
赤子の頃に父に首を絞められたことが記憶にないトラウマとして残っており、襲撃者フランボウに首に触れられたことが原因で記憶にないはずの父の憎悪を重ね、一人逃げ出してしまった。
フランボウへの復讐を終えた後は、追ってきた彼の息子に脇腹を刺される。
そして、自分のような目に遭いたくなければ復讐をやめろと彼を諭し、何故か野ざらしになっている父が創った天使の彫像の前で息を引き取る。
興奮すると背中に羽のような形をした痣が浮かび上がるという漫画独自の設定がある。
これが天使の彫像意識したものなのか、翼持つ“少年”を意識したものなのかは不明。
・君
“僕”が逃げたときにセリフが入っているが、「待って」なのか「逃げて」なのかで意見が割れている。
漫画版ではシエル。
他の人たちを置いて自分一人だけを連れ出して逃げてしまったローランサンを責めるが、フランボウに捕まった後はローランサンのその選択肢が間違っていなかったことを証明するため、どんな身に堕ちようと何が何でも生き延びる決意をする。
その後、フランボウとの間に息子をもうけ、命を落とす。
ファンの間の解釈の中には漫画版とは違い、森の中で命を落として「緋色の花」に登場する地縛霊的な存在の“私”となったのではないか、という考え方もけっこう存在している。
・襲撃者
原曲では明確なキャラクターとして描かれていないが、「見えざる腕」での復讐対象だったことから、赤髪のローランもその一人だったと思われる。
漫画版では赤髪のローランことフランボウがはっきりと描かれている。
・タッシュ
「緋色の風車」では漫画版にのみ登場。「見えざる腕」に登場したフランボウの息子。
父を殺害したローランサンの後を追い、勢いで脇腹を刺すが、彼が母を知る者だと分かり困惑する。
自分が幼い頃に亡くなった母について聞き出そうとするが、彼がはぐらかしたために分からず終いとなる。
ローランサンの忠告を聞きいれてまっとうな道を歩んだり、母の形見であるペンダントを彼の亡き後に刺さっている剣にかけたりと、父の仇として以外にも彼に対して思うところは色々とあった模様。