プロフィール
概要
漫画『魔法使いの嫁』の主人公。作中では基本カタカナの「チセ・ハトリ」で表記される。
生まれつき人ならざるモノを視たり惹きつける体質を持ち、そのせいで家族を失い親戚をたらい回しにされた。セス・ノエルの勧めで自分自身をオークションへ出品し、彼女を競り落としたエリアス・エインズワースに引き取られる。
エリアスの弟子兼嫁となり、エインズワース家で生活しながら魔法の修行し、様々な経験や出会いを通じて徐々に前向きに明るくなっていった。
名前である「チセ」は、アイヌ語で「家」の意味を持つ「チセッ」に由来する。
人物
受動的で物静かな少女で、根は頑固。
幼い頃から怪異の類を視てきたため、人外に対する恐怖やリアクションは乏しい。
母親の「あなたなんか生まなきゃよかった」という言葉と首を絞められたトラウマから、生に対する執着が薄い。積極的に死にたい訳でも無いが、生きたくもない。ウルタールの一件で寿命があと3年だと知った時は、思わず笑みを溢したほど。
エリアスとの新しい生活に希望を見出しつつも失う事を恐れ、初めは一歩引いた態度を取っていた。
後に交流関係が増え友人と呼べる存在を得てからは、表情も明るくなり前向きになってきた。竜の雛を救うため左腕に呪いを受けた際、はっきりと「もっと生きたい」「死にたくない」と思えるようになる。
口数が少ない反面、考える前に行動を起こしすぐ無茶をする。これは疎まれて生きてきたため、自分に優しくしてくれる人や妖精に対し「役に立ちたい」という承認欲求の現れ。無茶の反動ですぐ怪我をするが、自己犠牲の自覚が薄い。「やれたからやった」という認識。
10巻からはその欠点を克服するために「もっと知識が必要」と考え、ちょうど体質のことで研究対象にしたがっていた魔術師の『学院』と利害が一致する。聴講生として通い、ある程度事情を知りつつ対等な子供の目線で心配してくれる友人たちを得たことで、少しずつ顧みるようにはなっている様子。
エリアスに対しては、初めは利害の一致からの依存に近い仲だったが、彼の過去や人となりを知るにつれてもっと知りたいと思えるようになる。「嫁」という言葉も半信半疑だったが徐々に家族として絆を深め、カルタフィルスの一件ではっきりと「自分よりも放っておけない好きなヒト」と認識した。
体質・能力
「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」と呼ばれる特殊な体質の持ち主。無自覚に休みなく魔力を生産・吸収するため妖精や怪異などを引き付けてしまう。また、「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」では稀な「視る」能力も備わっている。
「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」の体質故に強力で規模の大きい魔法が得意であるが、繊細なコントロールが苦手なきらいがある。
「夢」や「眠り」に関する魔法との相性が良く、他者の夢や記憶に干渉しやすい。逆に強力になってしまうため眠り薬の制作が苦手。
7~9巻で死に向かうドラゴンの呪いとカルタフィルスが持っていた生き続ける呪いも同時に受けることとなり、結果として寿命の問題は実質問題なしとなる。その他、身体能力や知覚能力が大幅に上昇する。